今、岩波新書の「熊野古道」という本を読んでいる。来年あたり熊野古道を歩いてみたいという気持ちからである。
熊野古道と言うと山の中を歩く修験者のイメージがあったのだがそうではなく、一般人が神社参りをする、「お伊勢参り」の原型が熊野参りにあるようである。平安時代末期に白河上皇などが何度も京都から熊野まで歩いたことで街道沿いに宿場などが整備されていったらしい。この時に案内役をした人たちが次第に権力と結びつくようになっている。旅行代理店の始まりのようなものである。戦国時代以降は伊勢参りが中心となり熊野詣りはすたれていく。この頃から四国の巡礼とか、西国33ヵ所の巡礼とかが始まったようである。
熊野古道の本筋は紀伊田辺から入る道であまり温泉などはない。私は和歌山県の山の中にある竜神温泉とか高野山をめぐることをイメージしていたのだが、高野山と熊野神宮をつなぐ道は本当の山道になるようである。高低差も大きいが途中に十津川温泉がある点は魅力。コースをどうしようかと迷い始めた。季節は秋が良さそうなのだが、秋には授業があるのでこの点も難しいところである。
それとは別に私は神社というものに興味を持ち始めた。これは東海道を歩いた時に色々な神社に立ち寄ったことがきっかけなのだが、全国には様々な神社の系列がある。熊野神宮系、伊勢神宮系、出雲大社系、諏訪大社系、琴平神宮系、伏見稲荷系、・・・。これらはどうも宗教的教義で分かれているのではなく、もっと俗世間的理由で分かれているように感じる。そもそも、神社のそばにたいていお寺があり、宗教的側面はお寺のほうでやっている感じがする。
これらの神社の系列がどのようにして出来上がって行ったのかを調べて見たい気持ちになっている。