ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

どうなっている、日本の教育システム

2012-04-19 08:34:43 | 社会

日本の教育システムといっても学校教育ではなくトップに対する教育に着いて今日は書いてみたい。

先日の北朝鮮のミサイル発射問題の対する日本政府の対応を見ていて大きな危惧を私は感じている。事前準備の段階から防衛大臣は問題意識の欠如からか的外れの発言が多かったし、実際に発射された時の情報発信に関しても大きく遅れてきちんと情報収集できていなかったことが明らかになった。

一連の対応を見ていると仮に本当に北朝鮮が日本に向けて発射したら政府首脳は右往左往するだけで指示が出せず、自衛隊も装備は持っていても動けなのではないかと思ってしまう。私は今、塩野七三氏の「ローマ人の物語」の文庫本を読んでいる。丁度、第42巻の西ローマ帝国が滅んだろ頃まで読み終わったところで、本来の話しはこれで終わりなのだが、大作なのでエピローグに相当する第43巻がありこれで完結することになっている。この対策に対する感想は別途書こうと思っているが、感じるのは軍事に優れた指導者がいるときのローマは安泰で、軍事を知らない指導者の時には不安定になっているということである。軍事というのは戦うだけでなく経済、人心掌握、兵站、人事など総合力が最も求められる分野だからである。

過去の大戦の反省から世界中の殆どの先進国はシビリアン・コントロールを引いているが日本ほど軍事を軽視している国は無いのではないかと感じている。選挙であらばれた人が総理大臣に着く、その人が軍事に携わったことのない人物を防衛大臣に任命する、ここまでは殆どすべて国で行われていることで特に驚くことではないだろう。しかし、自衛隊は総理大臣、防衛大臣という指示体系で動く。

私が今回取り上げたいのは素人がトップに着いた時のそのトップに対する教育システムである。特に国防(一般的には軍事)に関してはかなりきちんとした教育システムが不可欠だろう。このブログにま何度か書いたが、反戦を謳い、軍事縮小を言って大統領に当選したオバマ大統領が一月もすると軍備縮小などに対応するのにも「自分は米軍の最高指揮官である」という自覚をきちんと持って発言し始めたのに目をみはる思いだったことを思い出す。

企業でも新しく社長に就任した人は知らないことが多く教育が不可欠だと思うのだが、そのような教育システムは殆どできていないのではないかと思う。アメリカ企業では分野の違う人をCEOに引っ張ってくることが良くあるがそれで務まるのは、教育システムが出来上がっているからだろう。

日本でこういった教育システムを作ると「側近政治」という言葉がすぐ頭に浮かぶ。教育者が不当に大きな権限を握ってしまう懸念である。おそらく海外ではそのようなことを防ぐためにきちんとしたシステムができているのだろう。大型コンピュータが売れなくなって傾いていたIBMの経営を立て直したルイス・ガースナーはナビスコから来ている。IBMのシステムを勉強するのが良いのではないかと思う。

 


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1 コメント

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制度的な問題か、俗人的な問題か? (世田谷の一隅)
2012-04-19 17:48:31
ウィトラさんの定義する点は、私は「俗人的な領域」ではないかと思います。

つまり、或る組織のトップについた時、どの様に振舞うべきかだと思います。その組織とポジションに期待される役割を定義し、具体策を立案して実行し、その評価を受けるのは、一般のマネージメントのPDCAです。

着任早々でよく分からなければ、どの様な布陣で、それをサポートするのかさせるのか、それもトップが決められます。急に出来上がった組織で、それができていなければ、自ら率先してそれをチーム編成すれば済む話でしょう。

まして、既存の官庁組織であれば、必ずその機能を果たす部門があります。それを使いこなすのもトップの仕事です。それで物足りなければ、自分で再編するなり動けば済む話です。

つまり、これ以上の屋上屋になるような組織を云々するのではなく、既存の組織と機能を見直して、役に立たなければ、それを改組することが先決です。

それもトップの技量と資質で決まる話です。問題はそのトップの果たしたパフォーマンスをどの余に評価し、次に結びつけるかです。これがマスコミの役割であり、最終的には有権者が担う機能です。

一般に個々の官僚は優秀な学校成績を修めた人が、就職しているはずです。だから効率的な使い方、活用、育成の問題だと思います。

政治家がトップとして行政の長になるのは、全体としての指揮権を発動する為で、その実行に際し、PDCAを導入しながら、各部門長が、指示したとおりに、若しくは立案された通りの成果を挙げているかどうかも、通常の組織の庁であれば当然のように実行します。指揮権を発動するだけではなく、それをフォローすることで初めて、本当に組織を動かすことが出来るわけです。

現在の防衛大臣は、指揮することも、まして、そのフォローも出来ているとは思えません。何が問題なのかすら、理解が不足しているようです。これは、そんな人を大臣にした任命責任を問うべきでしょう。

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