ウィトラのつぶやき

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「サイバー交番」のススメ

2013-05-22 08:53:26 | 社会

朝、散歩をしていて交番の前を通りかかると、交番の中には制服姿のお巡りさんがいる。朝、6時台で既に交番に居るのだから相当に早い出勤である。2か所の交番で朝の6時台にお巡りさんを見たので、おそらく大部分がそういった勤務体系になっているのだろう。「ご苦労さまです」と心の中で思う。その一方で「こんな朝早くから、何か起こるだろうか?」とも思う。することがない時間が長いのではないだろうか。

今日の話しは、ネット上のサーバー空間にも交番があったほうが良いのではないか、という私の提言である。最近、政府は情報セキュリティ政策会議で「サイバーセキュリティ戦略」の案を固めたと報じられている。内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)を強化すると言っている。NISCについて調べてみると数十人の専門家から成る組織で、国の戦略を作るための委員会のアレンジや省庁間の連携、外国との調整を行うハイレベルの組織で実務は行わないようである。これはこれで必要だと思うのだが私がイメージする「サイバー交番」はもっとローレベルの実務者集団である。

ネット上では日々いろんなことが起きている。役に立つ情報提供もあれば詐欺や犯罪に関わる話し、子供の教育上よろしくない話などネガティブな話も少なくない。「サーバー交番」ではネット上のお巡りさんがインターネット上を巡回して問題になりそうなことがあれば、そのサイト運営者に注意するなどして、犯罪や事故につながることを未然に防ごう、というものである。リアルの世界でも交番のお巡りさんの役目は落とし物を届けるとか道を聞くとかいった日常の話から、犯罪を予防する、といった事件を未然に防ぐところに役割があり、事件になってしまえば交番の手を離れて警察署の仕事になる。「サイバー交番」も犯罪捜査ではなく、犯罪予防を想定している。

調べてみると全国に派出所や交番は六千ほどあり、勤務者は五万人弱である。この数を若干減らしてでも千人くらいのネット上を日々巡回する組織、「サーバー交番」を作ると良いのではないかと思う。千人を五十チーム位に分けて、ゲーム、ソーシャルネットワーク、アダルト、医療、健康、教育、ネットオークション、物販・・・、などそれぞれの分野で問題になりそうな行為はないかをチェックする。国民からの苦情の受付窓口にもなる、というイメージである。お巡りさんの注意は事件では無いが何度注意しても聞かないようだと、捜査に入る場合もある、というような位置づけで、お巡りさん自身はそれほど専門家である必要はなく、普通の人の技術と、社会常識、正義感といったものを期待したい。それでもこういった仕事を五年も続けると、相当に知識がたまって就職にも苦労しないのではないかと思う。

ネットの世界は成長が早く実世界にも影響がどんどん強まっている。問題を指摘する人は多いが具体的にどうするかという話しはどうも抽象的な感じがしたり、関係者の利害関係で決まったりしている感じがする。実態を把握し、対応するしっかりした実務部隊を政府として作ったほうが良いのではないかと最近私は考えている。


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