郵便局めぐり

郵便局めぐりの記録と雑多な記事

郵便局のない市町村

2018-09-30 | テーマ別訪問

全国あまねく設置されている郵便局は、当然のことながら日本全国すべての市区町村に1以上設置されている。

いちばん最後まで郵便局が無かった市町村は富山県舟橋村で1994年(平成6年)まで存在しなかった。しかしせっかく出来た郵便局もわずか5年後に廃止!これだけではやはり郵便局は必要ない村だったのか・・・と勘違いしてしまいそうだが、舟橋村の場合1994年に舟橋簡易郵便局として開局し、1999年に舟橋郵便局に「格上げ」となっている。大変名誉なことであろう。逆に言えばそれまで無かったのが不思議なくらいである。

実のところ「郵便局」、すなわち直営の郵便局が存在しない市町村は現在でも存在しており、それは宮城県大衡村である。大衡村は簡易郵便局が3局のみ存在し、直営の郵便局は存在しない(廃止になったものも無い)。しかもうち1局、大童簡易局は2016年から閉鎖中という有様である。村名と同一である大衡簡易郵便局は昭和24年開設と、簡易局一期生であるものの、そのまま格上げされることなく現在に至るまで簡易局を維持している。

ところで舟橋村の次まで郵便局が存在しなかった市町村はどこなのだろう・・・と考えるとなかなか難しい。市町村は合併を生じる。例えばA村とB町が合併してC市が誕生したとする、そのときにB町にB郵便局があれば当然にC市には郵便局が存在することになり得るが、A村には郵便局が無かった場合、現在のC市A地域にそのまま郵便局が無かったとしても、B郵便局があるので郵政当局はなんの努力をすることなく無局市町村を解消出来てしまうのである。

「ここは比較的近年まで無局市町村だったであろう」という市町村をまとめてみた。

  簡易局 最初の特定局/直営局
山口県和木町 (なし) 1960/6/27 和気局設置
岐阜県岐南町 1962/11/1 岐南簡易局設置
(岐南局設置により廃止)
1968/9/11 岐南局設置
奈良県三宅町 (特定局よりあとの設置) 1969/7/16 三宅局設置
奈良県上牧町 1950/12/16 上牧簡易局設置 1973/10/16 西大和片岡台局設置
秋田県大潟村 1971/2/1 大潟簡易局設置
(大潟局設置により廃止)
1974/2/12 大潟局設置
奈良県三郷町 1959/2/16 立野簡易局設置 1986/7/16 三郷立野局設置
鳥取県日吉津村 1963/1/1 日吉津簡易局設置
(現在の日吉津下口簡易局)
1999/6/21 日吉津局設置
富山県舟橋村 1994/5/9 舟橋簡易局設置
(舟橋局設置により廃止)
1999/10/1 舟橋局設置


だいたい
・郵便局(駅逓)が街道沿いの宿場町から発展したことを鑑みて、街道沿いやそれに沿って作られた鉄道のある市町村はまず明治・大正時代には存在した。
・だいたいどんな小さな町も昭和10年代には設置された。
・簡易局制度が昭和24年に設置されたことを契機に殆どの村に設置され、昭和の大合併で無局村はほぼ根絶した。
・面積が小さく、他市町村の局に依存することが容易だと後年まで設置されにくい。

個人的には秋田県大潟村がツボで、ご存知の通り大潟村は八郎潟という湖を干拓事業により土地を造成して開村した村である(東海道新幹線開業と同じ1964/10/1が開村記念日)。郵便局が出来るのは当然それ以降となる。もし東京のお台場あたりが東京都湾岸区とか名乗っていたのなら同じ様なことが発生していたであろう。

平成の大合併くらいまでは調査したいところであるが、また別の機会に。

 

(追伸)

なお郵政民営化時に盛んに言われた「効率化による廃止で、郵便局のない村が生じる」的な話は今の所はかろうじて無い。
強いて言えば2005/3/21まで大分県前津江村唯一の郵便局だった日田市の前津江郵便局は合併後の2014/5/19に廃止され前津江簡易郵便局になっている。

あとはダムで村ごと沈んでしまった例、例えば岐阜県徳山村の徳山郵便局はダム建設に伴い1987/4/1に廃止された。そのことでここは「郵便局のない市町村」になるはずだが、ここの場合はその日に徳山村自体が藤橋村に編入されることによって閉村して、村そのものが無くなってしまった。もちろん藤橋村には藤橋郵便局があるので無局村は生じていない。

その後藤橋村は2005年に揖斐川町になった。


宇和島の離島めぐを考える

2018-09-05 | 妄想局めぐ

宇和島という街は私の住む東京から行きづらいところの一つであるが、その先戸島、日振島という離島がある。
執筆時点では予讃線の卯之町~宇和島間が豪雨災害で不通となっているが、9月13日から再開するようなのでいずれ訪問を検討したい。

かつては九島という島もあったが、2016年4月3日に架橋されたのでもう離島ではない。いずれも1局ずつ郵便局があるが盛運汽船が就航している。問題は両島を結ぶ船が1日1本しかなく、これを起点に考えることになる。 もっともあるだけマシであり、なければ宇和島にいちいち戻るかチャーター船の出番である。

宇和島11:35→12:28戸島14:48→15:36日振島明海16:17→宇和島17:10

このあたりはリアス式の入り組んだ入江が特徴で、どうせなら渡船(海上タクシー)で一気に回ってしまうのもよいであろう。GoogleMapで拡大すると〇〇渡船と書かれた業者がいくつか確認できる。無策ゆえに、私はすでに岬の先端にある宇和海郵便局を回ってしまった(道がクネクネで行きづらかった)が、そこまで車で行ってそこから2局一気に回るというのも考慮すべきであったと反省している。