朽ちるのも仕方がないか杉材は元はといえばイキモノだから
縁側は死んだカラダでできているかつては生きていた杉の木の
じわじわと朽ちていくからいつ見ても変わらぬものと思うのである
たっぷりと刷毛に塗料を含ませるぶわんとひろがる刷毛のゆたかさ
塗りあげたあとに見つかる塗りのこし人生なんてそんなもんだろ
塗りあげたばかりの黒はつやめいて触れたら危険クロに染まるぞ
「何ということでしょう」という天の声聞こえるはずもなくゆうまぐれ
_/_/_/ 未来9月号掲載歌 _/_/_/
_/_/_/ 笹公人 選歌欄 _/_/_/