吉田一氣の熊本霊ライン 神霊界の世界とその源流

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大己貴神と大巳貴神 No256

2011-04-27 21:43:53 | 神霊界考察
前回のブログの『宮崎の祇園神社』に由緒書きを添付したが、
そのなかの祭神について御祭神の欄には太字で大己貴神となっているのに
その数行先には大巳貴神となっていることが気になった。
これは誤植であろうか?あるいは故意であろうか?



実はいくつかの神社で大巳貴命と記載されていることを目にしている。
己の意味はおのれ、みずから、わたくし、ひとりであるが
巳の意味は象形が蛇であり字訓はやむ・ああ・みである。
古くは巳・已の字の区別が明らかでなく、
金文の用義例によっていえば、巳はのちの巳・已の字に用いられている。
どうも出雲の大社ではセグロウミヘビを龍蛇様として神霊の使いとするが
大己貴神は本当は蛇神の大巳貴神が正しいのではなかろうか?

本日その確認も含めて再度宮崎の祇園神社に出向いてきた。
祇園神社の拝殿の扁額は八坂神社になっているのだが
偶然か神霊の計らいか本殿の扁額に大巳貴神の文字を見つけることが出来た。
その後の宮司のあげる祝詞の最中に確かに巳の気配を感じとった。

実体験として巳を感じたのだが
よくよく考えてみると大己貴命が巳なのは常識の範囲なのかもしれない。
奈良の桜井の三輪山に祀られる大物主神は大國主命の和魂とされるが
崇神紀の倭迹迹日百襲姫命の箸墓伝説でもその姿は蛇とされているし
雄略紀の中にも三輪山の神である蛇を小子部スガルに捕まえさせた記載がある。

しかし記紀に出てくる印幡の白兎を助けたり
兄弟たちから焼けた石を赤い猪とだまされて抱きしめ命を落とした
大國主命伝承には蛇の姿は無い。

出雲にスサノヲ族が侵攻したことは間違いないと考えるが
その時に出雲の大己貴命を破り支配した歴史と
大國主命の国譲りの伝承とでは年代が違うのであろう。
また和魂である大物主神とは大いなる物部の主の意味で
物部氏の支配があったことも暗示している。

今回の祇園神社参拝時に蛇神である大巳貴神の復活を感じ取ったが
その大巳貴の蛇神が出雲大社での龍蛇神と同一なのかは理解できていない。
どうも山の蛇神と海の龍蛇神は別のような感じを受けている。
素戔嗚尊が滅ぼしたヤマタノヲロチは山の蛇神に繫がると思われる。
かといって八大龍王神と山の蛇神は完全に別の神霊であることを感じ取った。

もともと八大龍王神を祀っていたと思われる祇園神社で
スサノヲではなく大巳貴神の蛇体を感じ取る事態になったが
これはスサノヲとヤマタノヲロチの和合が図られた証であると考えたい。

三輪山の巳様は出雲由来の神様であるが
今後サイの神様と巳様の神事を神事でどう調和するかは課題である。
ちなみにサイの神様と巳様については
『縄文神 サイの神のおさらいです No151』を参考にしていただきたい。


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20 コメント

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大巳貴 (ななし)
2013-08-22 16:04:19
大己貴に大物主(蛇神)が 「我は汝の幸魂奇魂ぞ」
という場面がありますよね

昨日読んでいた本にこの場面が書いてあり
己 → 巳  ではと思いネット検索してたらここにつきました^^;






返信する
ななし様への返信 (吉田一氣)
2013-08-23 00:26:00
コメントをいあただきましてありがとうございます。
これからも宜しくお願いします。

いろんな名前で呼ばれる出雲の神様ですが
龍蛇神を記紀の世界観で神格化したものが
蛇=巳である大巳貴神の元々の謂われであると感じています。
たとえば八千矛神ですと矛神ですから
陰陽神の中の男神的特徴の強調が感じられますから
久那土の神≒賽サイの神とつながります。
本来サイの神は幸の神で女神だと思われるのですが
女神である幸神は封印されて賽の神とされてしまいました。
大穴牟遅神はもともと広大な土地を持つ神であったのでしょうが
大物主=男根巨大一物神に対する
女性の大穴という対義的な意味で考えれば
女神である大宜都比売がそれに当てはまります。
ところが後世では複数の穴持ち=多数の嫁を持っているというような
意味を持つようになりました。
ようするに大國主命という神霊は存在しておらず
出雲の大國主という役職名だったものに
いろんな神々を押し込めたということなのだと思います。
強大な権力の出雲には各地の豪族の姫が送られたようです。
それ故にそれぞれの地域の神の伝承が出雲に残された
可能性も感じられます。
例えば、多紀理姫は九州の姫 沼河姫は越の姫
須世理姫は和歌山の姫 八上姫は因幡 女鳥耳は鳥取の姫
それぞれに信仰する神がいたものと思われます。
返信する
返信ありがとうございます^^ (ななし)
2013-08-23 13:53:12
自分はこういう古代史とか陰陽とかの話が好きなだけで、知識はあまりありません^^;
そういう訳で返信いただいた内容も3分の1くらいしか理解してないので寂しいですが。
ぼちぼち調べて理解したいと思ってます。

貧しい知識で申し訳ないのですが、
大己貴とその周辺について少し自分が思ったことを書いてみます。
考えがまとまってない部分もあるので話が前後するかもしれないですが……^^;

話はイザナギが三貴神に遺産分けするところから
アマテラスは高天原……大和
 (邪馬台国→当時の中国の発音ではヤマドゥと発音し たらしいと書いてある本がありました)
ツクヨミは夜の食国……出雲
スサノヲは海原……壱岐周辺(北部九州とその周辺の島等??)

・アマテラスは高天原を譲られたことから正当後継者
・ツクヨミは初め出雲を治めたのかも出雲周辺の古い地 名にツキヨミに関係するものがあるから
 スサノヲが出雲へ来たため壱岐周辺を治めた

そこでキーパーソンがスサノヲになるのではと思いました。

アマテラスを卑弥呼と解釈すると
イザナギの生前からアマテラスは巫女としてかなりの実績を残し、大和の三輪山で大物主(太陽神)のお世話をし、正当後継者に選ばれたのでは?
そして卑弥呼をアマテラスという神に昇華させる原因の一つが、スサノヲとの兄弟喧嘩なのでは?

ウケイの勝負のあと勝ったスサノヲがアマテラスで乱暴狼藉を働きアマテラス側近の機織り女を殺したため、
その心労からアマテラスは無くなったのでは?
(岩戸隠れの年代の頃、皆既日食があります)

卑弥呼(アマテラス)の死後間もなく奇跡的に皆既月食が起ったため、太陽神(おおものぬし)の怒りを買ったと思った邪馬台国の人々は、男子の王(スサノヲ)に従わず、卑弥呼にそっくりの巫女・トヨを後継者とした。
これが岩戸隠れの実態では?

この後少し気になる話があります。
爪をはがれボコボコにされたスサノヲは高天原を去る時
、空腹でオオゲツヒメ(食物神)に食べ物を求めたが、殺害してしまいます。

食物神といえば、伊勢神宮のアマテラス&トヨウケヒメ
(ヒミコ&トヨ)の関係から、大神の巫女ということも考えられます。
オオゲツヒメ(食物神)が誰の巫女だったのか?
もし、オオゲツヒメ=トヨウケヒメだとすると、トヨもスサノヲの手にかかったのかも?

↑のような考えをめぐらし本を読んでいたところ、スサノヲの血統である大己貴に大物主(蛇神)が
 「我は汝の幸魂奇魂ぞ」
という言葉が…
そこでこれは大己貴が大和の正当後継者であることを主張するためした演出したのでは?
と思いました。

今のところこんな感じで想像をめぐらせてます^^









返信する
歴史は想像力により生きてきますね (吉田一氣)
2013-08-23 23:16:24
コメントありがとうございます。
なるほどなと読まさせていただきました。
記紀以前の世界は、日本では文字がほとんど残っていませんから
不確実な世界をみなさん想像力で構築しているようなものです。
考古学もあてになるものではありません。
物語をつくりあげる能力は現代人も縄文人もかわりありません。
縄文人や弥生人が作り上げた彼らなりの「ワンピース」の世界を
こねくり回して事実として歴史を構築しても
砂上の楼閣のようなものです。
未来が固定的なものでなく揺らいでいるように
私には過去も揺らいでいるように思えます。
過去の真実などというものは本当はあいまいなものです。
あれほど歴史の中心にいた聖徳太子が存在しなくなったり
例えば従軍慰安婦や南京大虐殺の真偽も歴史の捉え方次第であり
真実はその人の思いによっていろんな色に染まります。
大切なことは想像力から確信が引き出せるまで
鍛錬を重ね自分にとって不動の歴史観を作ることだと思います。
私の場合はそこに神霊という極めてナイーブで扱いづらい問題を
歴史にからめて考察しています。
信じる者と信じない者とで私の評価は180度変わってしまいます。
しかし物理科学の世界でも強く信じるものに栄冠の発見があります。
空想から想像そして確信に変わるまで突き詰めてみてください。
そうすれば歴史だけでなく神霊界の秘密の扉も幸運の扉さえも
ななし様の為に開かれるでしょう。

ところで機織り女こそがアマテラスであり
そこで死んだのだという仮説について
信憑性がかなりあるように思えてなりません。
あとオオゲツヒメはトヨウケのかなり古い原型ですね。
返信する
気になる記事がまだまだ… (ななし)
2013-08-25 11:10:22
気になる記事がまだまだあるので少しづつ読ませてもらいます^^
……と一つ前の記事を見てたら…10年くらい前九州一周神社めぐりをした時にお参りした神社が…
鵜戸神宮そして祇園社までも…
まさか祇園社に行く人がいたとは…
実は神様→古代史→陰陽 の様な感じで興味を持ち始めたのですが、そのきっかけとなったのが10年前の九州一周神社めぐりでした。
中でも一番怖かったのが、この祇園社です^^;
夜明けと同時に鵜戸神宮に参拝し、すぐさま南へ道を進んでいると何やら祠らしきものが…
地図で確認すると祇園社とのこと、神社めぐりしてるんだしついでにお参りするか!
と安易に中に入ろうと入り口へ、思わず足がすくみました^^;
早朝のため中は真っ暗で奥まで見通せません。
こわごわ入っていくと、どうやら竜神様のような…
とにかく竜神様の機嫌を損ねないように静かに静かにお参りし、ゆっくり後ずさりするように外へ出た記憶があります。
本当ビビリました^^;

それと話は変わるのですが。
前回書き損ねたことがあるので、よければアドバイスもらえればと思います。

大己貴のことなのです。
スサノヲが退治したヤマタノオロチは蛇神様ですが、スサノヲが助けた老夫婦アシナヅチ&テナヅチも 足無ツチ&手無ツチ(足の無い神霊&手の無い神霊)ととれば蛇神様となりますよね。
そこで文字を分解してみると
(アシ)(ナ)(ツ)(チ) となるわけですが
もし(ナ)という文字だけで蛇を表すなら
オオナムチの(ナ)も蛇を表すのかもと思いました。
ただそうなると(ム)の扱いが難しいのです。
もしオオナムチでなくオオナヅチ或いはオオナツチなら(ナ)の神霊ということで簡単なのですが。

大巳貴の(巳)の部分に当たる箇所なので気になっていたところです。
返信する
ななし様への返信 (吉田一氣)
2013-08-28 09:25:34
コメントありがとうございます。
宮崎の洞穴祇園社にも参拝されたのですね。
私の参拝ももうかなり以前のことになります。
さて言語学的な知識はあまり持ち合わせていないのですが
「ナ」という言葉には強調された場合に
水辺とか水という意味があるとのことです。
そういえばナマズ ウナギにもナが含まれますね。 
ナに水辺の蛇の意味があってもおかしくないかもしれません。
少彦名神は「ナ」が二回強調されてそういますが
水の神様ゆえにそう呼ばれたのでしょう。
あとツチは霊的なものを表わすとも言われていますね。
鎚(ツチ)により刀は霊的に鍛え上げられますし
ツチを蛇とするのはそこに霊的なものを見たからでしょう。
老夫婦アシナヅチ&テナヅチの娘の奇稲田媛にも
ナが強調されていますがこれはれ陸稲ではなく水稲の
メリットの強調であるとも感じられます。
アシナヅチ&テナヅチは大山祗神の子とも云われていますが
龍蛇神との関係についてはあまり情報を持っていません。
私は蘇我氏とは繋がるのではないかと思っています。
今後何か分かりましたら報告させていただきたいと思います。
返信する
ななし様へ 追伸 (吉田一氣)
2013-08-28 09:30:38
今思いついたのですが
ナ+ ツチ=ウミヘビを表わしているのかもしれませんね。
大海原の海はウナですし、
出雲の龍蛇神の祭祀はセグロウミヘビを使っていますから。
可能性ありですね。
返信する
思い出したことなど (ななし)
2013-08-28 18:00:28
私も言語学の知識はほぼ皆無です^^;
実は国語も苦手な体質でして…古文・漢文はなおさらです。
本当は原文で古事記など読みたいのですが、現代訳を探してきて読んでいるのが実情です。
適当に面白そうな本を選んで読んだ知識ですので、偏りがあるかもしれませんが、その本などからの受け売りの知識を少し書いてみます。

神霊を表す (チ) (ヒ) (ミ)
 ちなみにこの言葉の前につく (ツ)又は(ヅ)は
 現代語の (の) に相当するようです。


(チ)
 イカヅチ イカ(雷)の神霊
 カグツチ カグ(迦具)の神霊 … 香具山の神霊?
(ヒ)
 マガツヒ マガの神霊 まがまがしい神?
(ミ)
 ワタツミ ワタ(海)の神霊
 ヤマツミ ヤマ(山)の神霊

(チ)(ヒ)(ミ) にはそれぞれ序列のようなものがあるという話をどこかでみました。神道関係の本で分かるらしいのですが、まだ確認していません。 

次にアドバイス頂いた中に以前から気になっていた神様がいました。
スクナヒコナです。
他の神様は「ヒコ」で名前が終わるのにこの神様だけは最後に「ナ」がついています。
以前から何故最後に「ナ」がついているのか理解できなかったのですが。

アドバイスの通り 「ナ」→水・海 と考えれば、もしかしたら解決するのかもしれない、と思いました。
スクナヒコナ … 韓の神(加羅の神) … 海原

最後に 「山の神」と「蛇神」について少し
以前読んだ本(吉野裕子著)からの受け売りです。
 吉野氏の本は陰陽五行の観点から古代祭祀や古代  神に焦点を当てているものが多数あります。まだ読ん でなければ一度読んでみると面白いかもしれません。

山→三角形→火気(五行)
蛇→トグロ(三角形)→火気(五行)
蛇→巳(十二支)→火気

うまく説明できそうも無かったので上のような図ですみません。まだ大事なことが書いてあったかもしれないですが、ここまでしか覚えていません^^;
本の名前は覚えてないですが。興味があれば一読されてもいいかもしれません。

(メモ) 自分の空想含みます^^;
・三輪山(三角形・大物主)→火気(日)→古代太陽神
・天孫降臨ニニギの妻がサクヤヒメであることは、火(日) の力をニニギが取り込み増幅させたということか?
  →天皇の系譜の正当化
 サクヤヒメ→富士山→三角形→火気→日
・古代大和の豪族 ナガスネヒコ(那賀須泥毘古)
 名前にヒコがつく ヒコ=(日子)→日の御子
 ということは豪族というよりも王族なのでは?
 あまり調べていませんが、「ヒコ」はただの豪族にはつ けない名前なのでは?とおもいます。 

メモ帳みたいに使ってしまいすいません^^;
ここで考えたことを書いてたら少し考えが整理できるので、使わせてもらいました^^;
返信する
書き忘れ(どうでもいい話) (ななし)
2013-08-28 18:14:12
(チ)(ヒ)(ミ)は神霊と書きましたが、「イ」の段の言葉にこのような意味があるものがあるという話しをどこかで見ました。
それと関係あるかどうか分かりませんが。
アイヌ(蝦夷・縄文の系統)のことばで神様を表すのが
カムイ というのは有名ですよね。

古代神でも神を現す冠詞?が 「カム」
そして「イ」を神霊と考えれば

カムイで神そのものを現すようにみえます。
返信する
アラハバキ (ななし)
2013-08-29 20:06:02
連続で投稿してすいません^^;
「ナ」の扱いからスク(ナ)・オオ(ナ)ムチの関係を想像し、出雲の性格などを五行を使って推測しながら思いを巡らせていたところ、以前から心の片隅にあったアラハバキについて突拍子も無い??結論が出そうなのです。

アラハバキといえば、詳しくはあまり知られていない神様ですよね?ネットで検索しても大した情報が出てこないので、
その結論がどうなのだろう?と少し困惑しています。

アラハバキには太陽神としての性格はあるでしょうか?
ここの記事を見ていてブログ主さんのほうが詳しそうなのでよければアドバイスいただければ、と思いました。

アラハバキを太陽神として説明するのに文章がかなり長くなりそうなので、もう少し考えをまとめた後書いてみたいと思います。
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