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メディアに物申す その34 籠池問題は記事にも優劣が出る

2017年03月30日 | メディアに物申す

籠池問題はネタがコマ切れに出て来るので、TVの出演者によっては情報が混乱しているし、新聞も同様で、こういう時はメディアの質に差が出ます。今回はレベルの低い二つの記事を取り上げます。

 

324日の日本経済新聞のコラム「春秋」の記事「関西の「おため」」

 

日本経済新聞の「春秋」の記事については、下記の私のブログでも書いています。

2016111日「メディアに物申す その32~日本経済新聞にとって関西は夷狄か~

 

のブログにも書いていますが、日本経済新聞のコラム「春秋」はレベルが相当低い。このコラムを書く人は、窓のない部屋に一日中籠って、電気代節約のため11時間だけパソコンに向かって記事を書いているとしか思えない。

 

この記事「関西の「おため」」では、貰ったお金の1割を返すという「おため」と言う習慣が関西にはあると書いている。そして、安倍昭恵夫人が幼稚園に来て安倍首相からの寄付金100万円を差し出した時、1割の10万円を返したのは、「おため」の習慣だという内容。

 

私が聞いた証人喚問では、講演料として事前に10万円を用意していたと籠池氏は言っていた。そうすると、籠池氏側は昭恵夫人が寄付金100万円を持って来ると知らなかったのだから、10万円は「おため」ではない。

 

それに23日の証人喚問の直後に出た昭恵夫人のFacebookコメントでは、10万円の講演料を受け取ったことも100万円の寄付も否定している。そうすると10万円自体が無いことになる。

 

証人喚問も昭恵夫人のFacebookコメントも23日なので、この「春秋」を書いた人は証人喚問や昭恵夫人のFacebookコメントを見ることが可能なはず。新聞を印刷する時間を考えても24日のコラムを載せるまでに余裕があったと思う。

 

新聞記者が不正確な事実認定でどうする。

 

②編集長にしては分析力が無い

 

次はメディアというか、言論サイトと名うっているところの記事から。

 

ある言論サイトに、319日付で「「籠池爆弾」報道で、東スポが見事に冷静だった件」というのが載っていました。内容は、他のスポーツ紙がセンセーショナルな記事だったのに、あの東スポが冷静な記事を出していたので感心したという内容。その東スポの記事というのは318日付で「籠池爆弾とんだオチ!?寄付疑惑は“KYアッキー劇場”で終了か」で、内容は「100万円は幼稚園で講演した昭恵夫人のギャラを返上した分という説」を紹介している。

 

これのどこが冷静なの? この東スポの記事では、講演料として籠池氏側が用意した100万円を昭恵夫人が受け取ったが、その100万円をそっくりそのまま籠池氏側に返したのを籠池氏側が寄付と勘違いしたという説を披露しています。しかし、根拠は何も書いていないので、単なる推定のようです。もしそう仮定すると、籠池氏側が用意した講演料は100万円ということになる。この記事の4日後の証人喚問で、籠池氏は講演料を10万円と言っていたし、昭恵夫人のFacebookコメントでは講演料をもらったこと自体を否定している。

 

この記事を書いた人はどういう人かな?と見ると、このサイトの編集長らしい。見事に滑って、頂上から麓まで転げ落ちた。この東スポの記事もフェイクニュースですね。

 

話は変わりますが、328日のこのサイトのトップ記事は

・民進党が遊んでいても政治は回るか

・安倍昭恵さんへの郷原氏の攻撃などへの疑問

・民進党の方々の「解散、受けて立つ」発言はちょっと変

FAXは滅びぬ ! 何度でも蘇るさ !

 

4件で、民進党攻撃が2件もあるが、自民党に関する記事は無し。某夕刊紙の時も指摘したが、右寄りの新聞は自民党ヨイショ記事が無く、民進党攻撃が多いのは不思議です。私の解釈では、民進党攻撃はあまり気兼ねなく簡単に書けるけど、自民党ヨイショ記事を上手に書くのは高等テクニックが必要だから。まあ、滑った編集長だからこの程度が限界かな。特に2件目の「安倍昭恵さんへの郷原氏の攻撃などへの疑問」などは、「への」が2回出て来る。こういう言い回しを普通は避けるべきです。

 

同じサイトの326日付で、郷原信郎氏自身のブログからの転載記事「昭恵夫人Facebookコメントも“危機対応の誤り”か」(元の記事は25日付)が載っていました。23日の証人喚問後に書いたブログで、指摘が面白い。

 

長いので引用はしませんが、ブログの主旨は題名の通りです。その中で面白かったのは、23日の証人喚問の直後に出された、証人喚問に対する反論を書いた昭恵夫人のFacebookコメントです。

 

郷原氏はこの昭恵夫人のコメントを分析して、このコメントは昭恵夫人が書いたのではなく、使っている役人特有の用語などから役人が書いたと推定しています。このことは、他の人も指摘していて、私も多分そうであろうと推測します。ということは、彼女は私人ではなく、公人です。

 

以上の記事、書いた時期は違いますが、分析力に優劣が出ました。

 

最後におまけ。

 

遠藤誉氏が「中国は「忖度文化」で生きてきた国」と327日付で書いていました。「忖度」という言葉が中国で最初に記録に現れたのは西暦210年と古い。それ以来、中国は「忖度文化」で生きてきたらしい。

 

「中国語で「忖度」という言葉は「相手の思惑を汲み取って、自分に不利を来さないようにする、一種の保身術」と、中国の庶民は解釈している」と書いている。「相手の思惑を汲み取る」だけではダメで、「自分に不利を来さないようにする」ことが必要で、保身術なんだ。言われてみれば当たり前だけど、この定義は中国だけでなく、日本の役人にもぴったりです。

 

2017.03.30


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