日ロ首脳会談解散は前回(2016年10月15日の「風邪とスタンディング・オベーションと日ロ会談解散」)に書きましたが、書き足らないので「北方領土交渉解散」として追加します。
10月中旬のある朝、雨戸を開けると思わずひっくり返りそうになりました。庭の1メートルほどの幅しかない芝生の上に、胸をえぐられた全長15㌢メートルほどのネズミの死骸が横向きに転がっている。少し離れた場所には食いちぎられた胸の肉片が! そういえば、昨夜雨戸に何かが軽く当たる音が2回ほど。気にはなっていましたが、その後音がしないのでそのままに。おそらく野良猫に襲われたのでしょう。
昔々、ネズミ捕りでネズミを捕まえて、水につけて死なせてから清掃事務所に持っていくと、子供にとってかなりの金をくれました。ネズミの死骸を見るのはそれ以来です。
ところで、今年の12月に山口県で行われれる日ロ首脳会談の成果をもって、来年早々に衆議院を解散するという噂が吹き荒れているようです。
会談場所は地元の山口県ということからすると、安倍首相は会談に力を入れており、その成果に自信があるように思えます。ということは、北方領土交渉に大きな進展がある? 北方領土が返って来る場合を四つに分けて考えます。
①日本の主張の四島(歯舞・色丹・国後・択捉)返還
四島返還はありえない。領土に固執するからロシアはあんなに広い土地を獲得できたのであって、四島返還のように、ロシアにとって一方的と思われるような結果はありえない。
②二島(歯舞・色丹)返還で、あとの二島(国後・択捉)は玉虫色
日ロが合意するとしたら、最低限の二島(歯舞・色丹)返還で、あとの二島(国後・択捉)は「将来返還を検討する」とか何とか、日本側には二島返還の希望を持たせ、ロシア側にはこれで決着したと思わせる文言にするのでしょうね。なにしろ、安倍首相は二島返還論の鈴木宗男氏と何回も会っているようですから。
それで、9月23日の読売新聞に「二島(歯舞・色丹)返還」の記事を書かせて、世論の反応を見たのでしょう。佐藤優氏も同じような話を書いていましたが、誰でも同じようなことを考えますよ。しかし、多くの日本国民は、こんな子供だましに騙されない。今までロシアにはさんざん期待を持たされて、最後に梯子を外されてきたし、歴史的な事情もあって、日本国民はロシアに不信感が強い。実際に二島(歯舞・色丹)だけの返還になったら、解散なんかぶっ飛びます。
③二島(歯舞・色丹)+ 国後島は日本に返還、択捉島はロシア領に
北方領土の面積(「北方四島)から)
歯舞群島 5つの島からなり、面積の総計は100平方㌔㍍
色丹島 250平方㌔㍍
国後島 1499平方㌔㍍
択捉島 3184平方㌔㍍
そうすると、
二島(歯舞・色丹)+ 国後島 =1849平方㌔㍍ < 3184平方㌔㍍=択捉島
択捉島はデカいですね。日本最大の島だそうです。三島合計より択捉島の方がず~と大きい。もしかしたら、プーチンの言う「引き分け」はこれでしょうか。この三島返還で合意すると、日本の国内は賛否が分かれるでしょうね。こういう状況では、解散できない。
④北方領土交渉は進展せず
こうなったら、安倍首相は立場が無い。解散なんか出来っこない。
まとめると、四島(歯舞・色丹・国後・択捉)返還なら、国民が成果と認めてくれるので解散しても議席を増やせるかもしれませんが、ロシアは四島返還なんかする訳がない。したがって、北方領土交渉解散はありえない
ところで、こんな楽観的な皮算用を書いていると自己嫌悪に陥ります。ロシアはこんなノーテンキな計算ができるほど甘くはない。今の時期はロシアと日本が合意できる最高の機会という人がいますが、状況がそうであっても、合意できるとは限らない。冒頭に書いたように、野生に目覚めた野良猫(プーチン)は、餌を捜してノコノコ出てきたネズミ(安倍首相)に襲いかかって胸元を食いちぎるのがオチです。
さらに続きを書く予定です。
(追加)
10月17日の日経新聞に、北方領土をロシアと日本が共同統治する案が載っています。国後島か、国後島+択捉島を共同統治するということでしょうが、同床異夢のロシアと日本の共同統治が上手く行くわけがない。こんな案が出てきたということは、事前の領土交渉が上手く行っていないのでしょう。
2016.10.18
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