最近のニュースで、シャープとサムスンの複写機合弁会社設立の話が、同業他社などの反対でつぶれたとあります。
記事では、サムスンがいかにもおいしそうな事業を入手したがっているというような内容で書かれています。しかし、本当にそうですか?
確かに、複写機事業は複写機を販売した後も、消耗品の販売やメンテナンスで、安定してそこそこの利益が上がるようです。
しかし、世の中は「ペーパーレス」の時代で、紙の消費は横ばいか微減です。このように、峠を過ぎた産業(というと失礼かな)にサムスンが執心なのは、不可解です。少なくとも、最先端を行くサムスンのイメージ(あくまでイメージですが)とは、違うのでは?
サムスンは、日本がほぼ独占している産業には、うま味が残っていると思っているのでしょうか?そうなら、サムスンはやはり、その市場の1番手の成功の後を追う「2番手戦略」や日本の産業を研究して利益の上がりそうな事業に参入する「日本教科書戦略」から抜け出せていないのでは?
もしサムスンが、「2番手戦略」や「日本教科書戦略」で、本当に複写機事業にご執心なら、戦略が間違っているか、あるいは他に有望な事業を見つけていないと思われます。
そうであれば、サムスンの事業多角化が上手くいっていないと容易に推測できるし、サムスンの焦りさえ感じます。
2013.09.20
サムスンに関しての続きはこちら。
①おいしい事業をやっている日本企業と提携し技術を吸い取る。
②技術移転が完了すると、事業として一挙に加速する。
③日本は狭い範囲で仕事をしており、中国、東南アジアはもとよりアフリカも含めたワールドワイドのマーケティングで独自に進化させる。
④その進化はおおむねそのお国事情にあわせてシンプルな機能に抑え価格帯も含めリーズナブルなものを提供する。
提携は恐ろしいです。提携先の先行企業が10年後にはなくなる勢いで攻めてきます。
複合機の市場動向は知りませんが、紙の文化は残ります。