定年になったM氏は、老後の小遣い稼ぎのためにネットで株をやっています。前回のブログ(2015年8月18日「日本を代表する大会社の株を買ったはずのサラリーマンの憂鬱」)では、日本航空や東芝、シャープなどの一流企業の株を買ったのに会社の破綻や株価の暴落を経験した話を紹介しました。
最近M氏と久しぶりに呑みました。しばらく出てこなかったのは、白内障の手術を受けたので、おとなしくしていたから。暇なときは本を読んで勉強したようです。そのM氏の話です。
日本で株への投資が広まらないのは損する人が多いから
日本国民は銀行や郵便局への貯蓄ばかりしていて株への投資が少ない。それで日本政府は、株への投資を増やそうと昔から啓発活動をしているが一向にそうはならない。
M氏によれば、「これは当たり前だ」ということです。普通の日本人が日本の普通の優良銘柄に投資して損する人が多いと、「誰が投資なんかするものか!」ということでしょう。
2015年の日経平均株価は約4か月間2万円を超えていましたが、今は1万7千円前後。これからどう動くかわかりませんが、2万円を超えなければ、損をしている人が多いだろうと推測されます。今は低迷していても、将来上昇すれば良いのですが、それが2年先なのか4年先なのか? 低迷があまり長く続くようだと、株は止めようと考える人が出てもおかしくはない。
もっとも2009年から2013年までの日経平均株価は1万円前後だったので、その頃に株を買った人は多くが儲かっているはずです。
いずれにしても株をやる場合、少なくとも日本と世界の経済情勢や為替、会社情報などにいつも注意することは必須です。そこが貯蓄と違う。それでも、M氏のように優良銘柄と思って買っても、思わぬ下落に見舞われ損をすることもある。
こんなことでは、普通の忙しいサラリーマンや高齢の人に「株への投資をやれ!」というのは無理でしょう。もちろん、普通のサラリーマンや高齢の人でも、株で大儲けしている人はいるでしょうが、大多数はトントンか若干マイナスでは? 儲かっている人が多いなら、株へ投資する人がもっと多いはず。手間暇をかけているのに損をして、文句を言うと「やり方が悪い」とか「市場原理」「自己責任」とは「どういうこった!」と言っていました。
以上のようなM氏の話を聞いて、私は「その通り!」と納得しました。
2016.04.05
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