東京で安く映画を観る.com【実践編】

出来るだけ安く劇場で映画を観るゾ、いざ出陣!

5月中盤戦

2009年05月18日 | 2009年実戦
MILK」 ★★★ @渋谷シネマライズ 〔公式サイト

あーホモ映画ですな。 そんなに男同士のキスが観たい訳でもないのだが・・・

ようやく観てきたよ、ガス・ヴァン・サント監督作品。
この人の映画はいつもクオリティが高く、非常に満足するんだけど、
ちょっと「しんどい」んですわ。

なんというか、面白いことは判っているけど、読むのに覚悟のいる純文学みたいな感じ。
例えばドストエフスキィの「罪と罰」とか太宰はんとかさ、そんな感じしない?

そんな訳でたっぷり睡眠もとって、鋭気を蓄えていざ出陣。
しかし、今回は意外とストレイトに面白かったな。

例えば「エレファント」や「パラノイド・パーク」では、何か皮膜を通して世界を眺めるような
不思議な感覚が独特で、それが同時にえもいえぬ孤独感を醸し出していたんだけど、
今回はその膜のコッチ側で語ってくれているような感じがした。

さて主題としては「マイノリティの在り方(過去形)」みたいなものだと思っている。
もちろん70年代のこの頃と2000年代の現在とでは世界の在り方自体が違うので、
マイノリティが決して意味通りの、イコール少数派では無いのは周知の事実だろう。

しかし、そう遠くない過去に於いて、これだけ「ちょっと変わり者達」が阻害されてきた事実を
きちんと判っておいた方がいいのだろうね。

「社会性」とは、最小公倍数的に人の幸せを実現しようとするルールの一つにすぎなく、
それに洩れてしまう人間も少なからずいる事実は理解しなきゃダメだ。
更に、人は自分の優位保持のためなら平気で他人の権利を踏みにじってしまう。
その時に口にされる“正義”を正当化するための手段が政治に他ならない。

その偽りの正義に立ち向かうには死をも覚悟しなきゃならんのかもしれない。

「演壇に立った瞬間に銃弾を打ち込むぞ」と脅迫されてなお、ステージに向かう者の勇気は
どれくらいの強さなんだろう。

しかし、この映画は「MILK」というタイトルながら、
ハーヴェイ・ミルク本人を語っただけの映画ではなく、「彼という現象」を語ったものだ。
だからミルク本人も素材の一つなんだね。





THE CODE/暗号」 ★★ @シネマート新宿 〔公式サイト

もうね、コメントしたくもないっすよ。
どれだけ幼稚な映画にすれば気がすむんですか?

レンタルだったら「シベリア超特急」的な珍品として笑えたかもしれんけどね。





ウォーロード 男たちの誓い」 ★★★ @池袋シネマサンシャイン 〔公式サイト

熱いぜ。

ジェット・リー、アンディ・ラウ、金城武という超豪華キャストにも拘らず、
こんなにも話題にならないのは宣伝がヘタだから? 
(とは言え、個人的には宣伝なんか何も関係無いんだけどさ)

完全に「レッドクリフ」の影に隠れて地味な印象な作品だけど、
観てビックリ、激熱じゃ。

前半はちょっとかったるい。 正直寝そうになった。
でもね中盤以降の盛り上がりったら凄いモノがある。
特に敵の大将が、自分の部下を主人公に託すシーンなどは胸が打ち震えて
滂沱の涙となってしまった。

ラストの金城の場面も悲しくて良かったね。

惜しむらくは、J・リーとA・ラウの顔の区別が付きづらい場面が多い上に、
お互いの名前を呼ぶシーンが少ないので、
「えっと、これ誰だっけか・・・」と考えてしまう事が多かったのがチト残念。

レンタルでもう一回観ようっと。




アンティーク 西洋骨董洋菓子店」 ★★★ @恵比寿ガーデンシネマ 〔公式サイト

あら、ホモ映画だったのね。

街中の実際のカップルは勿論のこと、映画であっても、
キスや抱擁を、人目にさらしてOKかどうかと言うのは、ひとが観て『絵』になるか
がポイントだと思う。
やはりいやらしさが前面に出てしまっているとキツイわな。

え? 「アンタはどうなんだよ」って?

うむ、街中で手を繋ぐのも、改札口での抱擁&熱いキス全く躊躇ないワシだが、
それが「周りの迷惑」になっていなかったかについては、今ひとつ自信が無いのう。

ま、総じて我々アジア系人種はちょっと不利だわな。
この映画の登場人物くらいに格好良ければ、それが男同士であっても美しく見えるのだろうけど。

さて、映画はそんな美しいホモ野郎を軸にコメディ的に展開していくんだけど、
それに留まらず陰惨な誘拐事件が絡んだストーリーが面白みを増している。

もうヨダレが出そうになるくらい素敵なドルチェのオンパレードで、
観終わってケーキが食べたくなること請け合い。

しかし、その日は何故か恵比寿駅前でしゃぶしゃぶを食べたのであった。
テーブルは汚い、箸にゴミが付いている、取り箸もレンゲも、胡麻ダレも無く、
おまけにコンロのガスボンベも途中で切れてしまう、という凄まじくダメダメな店で
思わず顔を見合わせて笑ってしまった。

こんな事なら素直にイタリアンのお店にでも入ってドルチェを食べれば良かったなぁ。





ミーシャ ホロコーストと白い狼」★★★ @日比谷TOHOシネマズシャンテ 〔公式サイト

人間が両親を奪い、荒野を彷徨う少女に狼が食物を与えるのなら、
狂った人間社会に訣別して野生に生きた方がよほど幸せなのではないか、と思ってしまう。

絵画・音楽・映画や小説等、優れた芸術に触れたり、素晴らしい料理を口にしたりすると、
人間の技を讃えたいとも思うのだけど、
もっと根っこの部分、「生き方」という点に於いて人は獣に遥かに劣っていると思う。

やっぱり人間より動物の方が好きだよ。 美しいし。 ウソつかないし。





デュプリシティ スパイはスパイに嘘をつく」 ★★★★ @日比谷TOHOシネマズみゆき座
公式サイト

うははは、面白れえ!
こういう絶妙なバランスで複雑なストーリー展開って好きだなぁ。

時間軸を操作する手法に加えて、映画全体を支配する「演劇型犯罪」のおかげで、
前述のような複雑さが作り出されているのだけど、主人公の二人がどの時間軸に於いても
「同じ会話」をするあたりがヒントとなっているんだよね。 実に上手い。


でも、映画が終わって映画館を出る時、
2人組のお姉さん達が「なんか全然判らなかったァ」とか言ってた。
凄く綺麗な女性だったけど、この程度のことが理解できない人に魅力は感じないのだよ。


それはさておき、さすがのジュリア・ロバーツもトシをとったなぁ。
かつては可憐な天使のようだったけど、
今は結構な二の腕とか腰周りとか、年輪を感じさせるもんね。 
それでも猛烈に素敵ではあるんだけど。

クライヴ・オーウェンは相変わらず安定した魅力でイイね。
あ、あとポール・ジアマッティも最高だった。 この人好きだなぁ!


オチは予想できたけど、このエンディングはちょっと珍しいかもね。



台場で映画

2009年05月12日 | 2009年実戦
マックス・ペイン」★★★ @お台場シネマメディアージュ 〔公式サイト

思わぬ拾い物。
傾向としてはキアヌ・リーブスの「フェイク・シティ」くらいの感覚で、
こちらはマーク・ウォルバーグ主演。 いかにも地味そうじゃん?

陰鬱な刑事モノを見せられるのかと思っていたら、これがまさかの大暴走。
ブチブチにキレまくって瞳孔も開いちゃったウォルバーグの姿は実に勇ましい。

そういえば「極大射程」でもカッチョイイ狙撃手を演じていたのを思い出すが、
今作は更に鬼気迫るモノがある。

ストーリーも判りやすく、単純に楽しめることうけあいだね。

途中、噴飯モノのシーンもあるにはあるけど、決してソレによって興が削がれる訳ではなく、
許せてしまえるのはやはり映画のイキオイによるものだと思う。

お薬の力を借りてとは言え、ファンタジーの世界が垣間見れるのも私にとっては好感の持てる
理由の一つだ。
これまたやはりキアヌ・リーブスの「コンスタンティン」を彷彿させる地獄の業火は
本当に美しい。

まぁ、レンタルで見かけたら借りて損はないんじゃないかな。
「要塞警察」とか好きな人にはマストだ。




バビロンA.D.」 ★★ @お台場シネマメディアージュ 〔公式サイト

逆にこちらはしょんぼり。
ちょっとお久しぶりなヴィン・ディーゼルが謎の少女の守護天使となって暴れまくる、
となると俄然期待してしまったのだけど。

内容的にも品質的にもミラ・ジョヴォビチの「ウルトラヴァイオレット」を彷彿させる。
正直、どちらもあまり好きではないのよ。

さすがにアクションはイイと思う。屈強な主人公だけでなく、何故か庇護者であるハズの
修道院のシスターも、ミシェル・ヨーが演じているので強い強い。

でも肝心のストーリーが曖昧すぎたなぁ。

少女がいろんな意味でミラクルなのは判るけど、それを利用して何をしたいのか、とかが
あまりハッキリしてないように思うし、
少女自身の自発的な感情がキーになるべきなのに、それも明確ではない。 残念。

でも、「海の上のピアニスト」の美少女、メラニー・ティエリーが観れたのは非常に嬉しい。



バンコック・デンジャラス」 ★★★ @池袋東急 〔公式サイト

オープニング・クレジットを観て、んんん! パン兄弟作品だったのか、知らなかった。
しかし残念ながら普通のアクション映画を超える出来にはならなかった気がする。

私としては彼ららしさは独特の灰色がかった中に黄色の映える色彩であるとか、
音のない静寂の世界で繰り広げられる悲しすぎる殺しの場面などに僅かに見出せたけど、
ちょっと物足りないなぁ。

まー、作品がストレイトなアクション物だからなぁ。

もちろんヘボ監督ではないので充分に及第点はクリアしているけれど、
私としてはやはり彼らにはファンタジーが向いていると思うんだよね。

ニコラス・ケイジが製作としてかなり力をふるったのではないかと勝手に想像。
次回は自分の持ち味を生かして出来るだけ好き勝手にやって欲しいものだ。


印度の聖人は台場だった

2009年05月11日 | 2009年実戦
odaiba


タイトルはヤケクソで、特に意味は無いっす。
強いて言えば、夕食に「焼きカレー」なるモノを食したくらいか。

ちょっとだけ遠出してお台場に行ってきた。
デートでもなんでもなく、
単にそこの映画館でしかやってない作品を見に行っただけなんだけど。

まあせっかくお台場くんだりまで出かけたので、近所でも食べられるようなモノよりは、
台場ならではのモノを食べようと思って、「ラーメン国技館」なる催しを覗いてみた。

はっきり言って、私にとっては「ドコの誰がプロデュースした逸品!」
などと言われてもてんで判らず、
「まぁ、そこまで旨い、というんだったら美味しいんだろう」と素直に聞くしかない。

でもそうなると結局どれを食べれば良いのか皆目判らぬ。 むう

仕方ないので、そこそこお客が入っているお店に入って、お奨めのラーメンを頼んだ。

・・・マズイがな。

一緒にご飯を食べたことがある人なら知っていると思うけど(そんな人殆どいないけど)、
私は食に関して本当に無頓着で、何を食べても「あ、美味しい」って言ってしまうタチなんだな。
グルメ、というのはそれはそれで素晴らしいのかもしれんが、
私からすれば不幸な人だ。

僕は絶対に好きな人としかご飯を食べないので、その食事自体の味加減なんかよりも、
「その人とご飯を食べている」ってことが「美味しい」訳なんだよね。

もちろん、「旨いモノを食べさせてあげたい」とは思うので、
そういう時に「グルメな知識の無い自分」が悲しかったりもするけど。


ともあれ、夜には前述の「焼きカレー」を食べた。
ラーメンほどマズくはなかったけど、やはり「美味しいな」とは思えなかった。


結論:一人でご飯を食べるのなら、やはり吉野家やマクダーネルで充分かも。


でもGodivaのチョコ掛けイチゴと、チョコレート・ドリンクはメチャメチャに美味しかったけどな。
きっと誰かと一緒に食べたら更に美味しかったんだろね。
お土産に買おうと思ったんだけど、残念ながら賞味期限が当日中なので無理だった。

代わりに胡麻のクッキー・サンドを買って帰った。
これでも喜んでくれるかな。



あー、映画の感想は後日書くか。


「何故、そんなに映画を観るのか?」(少しずつ追記アリ)

2009年05月05日 | 2009年実戦
それは、1~200本くらいのどーでもいい映画に紛れて
ごく稀にこういう作品に出会えるからなんだよね。



グラン・トリノ」 ★★★★★ @ワーナーマイカル板橋 〔公式サイト

生きること、愛することについての一つの答えがここにある。

それ以上は何も語りたくないし、その必要もない。
判る人だけが判ればいいんだと思う。





GOEMON」 ★★★ @池袋シネマサンシャイン 〔公式サイト

実はさほど期待していたわけでも無いんだけど、紀里谷監督の前作「キャシャーン」も
そういえば期待以上に面白かったな・・・などと思いつつ鑑賞。

結果。

爆発的に面白かったとですよ!

所々、CG処理に「?」な点が無いでもないけど、作品全体の勢いがそれをカバーして余りあると
思うんだよね。

ストーリーも普通に義務教育を受けた日本人なら誰でも楽しめる明快なところがイイ!

キャストも豪華で見応えあるし、お金も相当掛かっているんだと思う。
不況のこのご時世に、これだけの贅沢な映画を作って楽しませてくれるのだから、
普段はさほど邦画を見ない私だけど、応援もしたくなるってものだ。

多分、海外でも結構人気出ると思うんだな。
でもさ、日本人はいつからこんなに「綺麗」になったんだ?と誤解される恐れもアリ。

江口洋介、要潤、大沢たかお、、、はぁ、みんなカッコ良いね。
同じ生まれるなら、、、    もういい  orz....






チェイサー」 ★★★★ @新宿シネマスクエアとうきゅう 〔公式サイト

個人的にはなんとなく、「オールド・ボーイ」に近い感じがして、凄く楽しめた。

ストーリーの深みこそ「オールド~」には及ばないものの、
作品全体から立ち上る悲愴感や、主人公のちょっとコミカルな佇まい、
そしてそれゆえに凄みが増す怒り・哀しみは明らかに共通すると思うんだよね。

どちらの作品も総じて激熱である!

烈しい映画が好きな人にはお奨めしたい。
逆に過激な(殺人・暴力)描写が苦手な方は辞めておいた方がいいかもしれない。

穴とすれば、「最初の遭遇場所近辺を無視した追跡」に納得できないことや、
「何故、主人公がそこまで彼女に思い入れるのか」についての説得力がないこと
くらいかな。


早くもハリウッド・リメイクが決定しているそうで、
「インファナル・アフェア」→「ディパーテッド」みたいに
成功してくれるといいな。



GW? もちろん映画漬けだがね

2009年05月04日 | 2009年実戦
レッドクリフ partⅡ-未来への最終決戦-」 ★★★★ @池袋シネマサンシャイン 〔公式サイト

サブタイトルが全く意味不明だね。別に構わないけど。

内容は今さら私がどうこう言う必要もなく、堂々たる横綱相撲だったな。
昨年の公開直前にpartⅠとⅡに分けたということだそうだけど、
なるほど何となくⅠとⅡでは少し映画のトーンに違いがあるような気もする。

とはいえ、昨年と今年の鑑賞時の環境が(個人的に)激変したので、
受ける印象が変わったのかもしれないけど。

ま、ともあれⅠを気に入った人になら迷わずⅡも観る事をお奨めできる。




テラートレイン」 ★★ @銀座シネパトス 〔公式サイト

明らかに力量不足。 
緻密なストーリーがある訳でなく、驚きのどんでん返しがあるでもなく、穴だらけで整合性も無く、
かといってブッ飛んだ不条理でイカせてくれるでもなく、
更に致命的な事に、「怖くない」「笑えない」。

観たことすらスグに忘れてしまいそう。 

ま、そんな映画であっても観るのは楽しいんだけど。




フロイト×ニクソン」 ★★★ @TOHOシネマズシャンテ 〔公式サイト

日本人の私達にとってさえ有名な「ウォーターゲート事件」だけど、
そのニクソンがアメリカに残した傷跡は私達の想像を超えたものなんだろうね。

映画としては前半の仕込み部分のタルイことときたら! もう眠くてたまらぬ。
恐らく、TV司会者フロイトの「軽さ」を打ち出しておくことによって、
結末との対比を狙ったモノで、重要な部分ではあるけど、
もう少し簡潔にまとめた方が良かったんじゃないかな。

でも中盤からラストにかけては緊張感が漲って、とても楽しめた。

ニクソンへのインタビュー場面はなんだかプロレスを見ているようにワクワクしたし、
その対決で負けてた方が、最後にイキナリ特訓を始めて改めて勝負に挑む様子は
さながら「ロッキー」を見ているようで微笑ましかったな。

ニクソンのダウン寸前で割って入る副官(ケビン・ベーコン)なんてまんまプロレスのタッグ戦での
リカバーみたいだったしね。


で、ラスト、「怪物」であるニクソンから、政治的なウソでなく、人間としての言葉を引き出したのが
前述の「軽い」TV司会者フロイトだった、というのがこの作品のミソだと思うな。

それともう一つ、
「メディアによる意識操作」についてもさりげなく語っているのが気に入った。

地味だけど良い映画だったな。