「MILK」 ★★★ @渋谷シネマライズ 〔公式サイト〕
あーホモ映画ですな。 そんなに男同士のキスが観たい訳でもないのだが・・・
ようやく観てきたよ、ガス・ヴァン・サント監督作品。
この人の映画はいつもクオリティが高く、非常に満足するんだけど、
ちょっと「しんどい」んですわ。
なんというか、面白いことは判っているけど、読むのに覚悟のいる純文学みたいな感じ。
例えばドストエフスキィの「罪と罰」とか太宰はんとかさ、そんな感じしない?
そんな訳でたっぷり睡眠もとって、鋭気を蓄えていざ出陣。
しかし、今回は意外とストレイトに面白かったな。
例えば「エレファント」や「パラノイド・パーク」では、何か皮膜を通して世界を眺めるような
不思議な感覚が独特で、それが同時にえもいえぬ孤独感を醸し出していたんだけど、
今回はその膜のコッチ側で語ってくれているような感じがした。
さて主題としては「マイノリティの在り方(過去形)」みたいなものだと思っている。
もちろん70年代のこの頃と2000年代の現在とでは世界の在り方自体が違うので、
マイノリティが決して意味通りの、イコール少数派では無いのは周知の事実だろう。
しかし、そう遠くない過去に於いて、これだけ「ちょっと変わり者達」が阻害されてきた事実を
きちんと判っておいた方がいいのだろうね。
「社会性」とは、最小公倍数的に人の幸せを実現しようとするルールの一つにすぎなく、
それに洩れてしまう人間も少なからずいる事実は理解しなきゃダメだ。
更に、人は自分の優位保持のためなら平気で他人の権利を踏みにじってしまう。
その時に口にされる“正義”を正当化するための手段が政治に他ならない。
その偽りの正義に立ち向かうには死をも覚悟しなきゃならんのかもしれない。
「演壇に立った瞬間に銃弾を打ち込むぞ」と脅迫されてなお、ステージに向かう者の勇気は
どれくらいの強さなんだろう。
しかし、この映画は「MILK」というタイトルながら、
ハーヴェイ・ミルク本人を語っただけの映画ではなく、「彼という現象」を語ったものだ。
だからミルク本人も素材の一つなんだね。
「THE CODE/暗号」 ★★ @シネマート新宿 〔公式サイト〕
もうね、コメントしたくもないっすよ。
どれだけ幼稚な映画にすれば気がすむんですか?
レンタルだったら「シベリア超特急」的な珍品として笑えたかもしれんけどね。
「ウォーロード 男たちの誓い」 ★★★ @池袋シネマサンシャイン 〔公式サイト〕
熱いぜ。
ジェット・リー、アンディ・ラウ、金城武という超豪華キャストにも拘らず、
こんなにも話題にならないのは宣伝がヘタだから?
(とは言え、個人的には宣伝なんか何も関係無いんだけどさ)
完全に「レッドクリフ」の影に隠れて地味な印象な作品だけど、
観てビックリ、激熱じゃ。
前半はちょっとかったるい。 正直寝そうになった。
でもね中盤以降の盛り上がりったら凄いモノがある。
特に敵の大将が、自分の部下を主人公に託すシーンなどは胸が打ち震えて
滂沱の涙となってしまった。
ラストの金城の場面も悲しくて良かったね。
惜しむらくは、J・リーとA・ラウの顔の区別が付きづらい場面が多い上に、
お互いの名前を呼ぶシーンが少ないので、
「えっと、これ誰だっけか・・・」と考えてしまう事が多かったのがチト残念。
レンタルでもう一回観ようっと。
「アンティーク 西洋骨董洋菓子店」 ★★★ @恵比寿ガーデンシネマ 〔公式サイト〕
あら、ホモ映画だったのね。
街中の実際のカップルは勿論のこと、映画であっても、
キスや抱擁を、人目にさらしてOKかどうかと言うのは、ひとが観て『絵』になるか
がポイントだと思う。
やはりいやらしさが前面に出てしまっているとキツイわな。
え? 「アンタはどうなんだよ」って?
うむ、街中で手を繋ぐのも、改札口での抱擁&熱いキスも全く躊躇ないワシだが、
それが「周りの迷惑」になっていなかったかについては、今ひとつ自信が無いのう。
ま、総じて我々アジア系人種はちょっと不利だわな。
この映画の登場人物くらいに格好良ければ、それが男同士であっても美しく見えるのだろうけど。
さて、映画はそんな美しいホモ野郎を軸にコメディ的に展開していくんだけど、
それに留まらず陰惨な誘拐事件が絡んだストーリーが面白みを増している。
もうヨダレが出そうになるくらい素敵なドルチェのオンパレードで、
観終わってケーキが食べたくなること請け合い。
しかし、その日は何故か恵比寿駅前でしゃぶしゃぶを食べたのであった。
テーブルは汚い、箸にゴミが付いている、取り箸もレンゲも、胡麻ダレも無く、
おまけにコンロのガスボンベも途中で切れてしまう、という凄まじくダメダメな店で
思わず顔を見合わせて笑ってしまった。
こんな事なら素直にイタリアンのお店にでも入ってドルチェを食べれば良かったなぁ。
「ミーシャ ホロコーストと白い狼」★★★ @日比谷TOHOシネマズシャンテ 〔公式サイト〕
人間が両親を奪い、荒野を彷徨う少女に狼が食物を与えるのなら、
狂った人間社会に訣別して野生に生きた方がよほど幸せなのではないか、と思ってしまう。
絵画・音楽・映画や小説等、優れた芸術に触れたり、素晴らしい料理を口にしたりすると、
人間の技を讃えたいとも思うのだけど、
もっと根っこの部分、「生き方」という点に於いて人は獣に遥かに劣っていると思う。
やっぱり人間より動物の方が好きだよ。 美しいし。 ウソつかないし。
「デュプリシティ スパイはスパイに嘘をつく」 ★★★★ @日比谷TOHOシネマズみゆき座
〔公式サイト〕
うははは、面白れえ!
こういう絶妙なバランスで複雑なストーリー展開って好きだなぁ。
時間軸を操作する手法に加えて、映画全体を支配する「演劇型犯罪」のおかげで、
前述のような複雑さが作り出されているのだけど、主人公の二人がどの時間軸に於いても
「同じ会話」をするあたりがヒントとなっているんだよね。 実に上手い。
でも、映画が終わって映画館を出る時、
2人組のお姉さん達が「なんか全然判らなかったァ」とか言ってた。
凄く綺麗な女性だったけど、この程度のことが理解できない人に魅力は感じないのだよ。
それはさておき、さすがのジュリア・ロバーツもトシをとったなぁ。
かつては可憐な天使のようだったけど、
今は結構な二の腕とか腰周りとか、年輪を感じさせるもんね。
それでも猛烈に素敵ではあるんだけど。
クライヴ・オーウェンは相変わらず安定した魅力でイイね。
あ、あとポール・ジアマッティも最高だった。 この人好きだなぁ!
オチは予想できたけど、このエンディングはちょっと珍しいかもね。
あーホモ映画ですな。 そんなに男同士のキスが観たい訳でもないのだが・・・
ようやく観てきたよ、ガス・ヴァン・サント監督作品。
この人の映画はいつもクオリティが高く、非常に満足するんだけど、
ちょっと「しんどい」んですわ。
なんというか、面白いことは判っているけど、読むのに覚悟のいる純文学みたいな感じ。
例えばドストエフスキィの「罪と罰」とか太宰はんとかさ、そんな感じしない?
そんな訳でたっぷり睡眠もとって、鋭気を蓄えていざ出陣。
しかし、今回は意外とストレイトに面白かったな。
例えば「エレファント」や「パラノイド・パーク」では、何か皮膜を通して世界を眺めるような
不思議な感覚が独特で、それが同時にえもいえぬ孤独感を醸し出していたんだけど、
今回はその膜のコッチ側で語ってくれているような感じがした。
さて主題としては「マイノリティの在り方(過去形)」みたいなものだと思っている。
もちろん70年代のこの頃と2000年代の現在とでは世界の在り方自体が違うので、
マイノリティが決して意味通りの、イコール少数派では無いのは周知の事実だろう。
しかし、そう遠くない過去に於いて、これだけ「ちょっと変わり者達」が阻害されてきた事実を
きちんと判っておいた方がいいのだろうね。
「社会性」とは、最小公倍数的に人の幸せを実現しようとするルールの一つにすぎなく、
それに洩れてしまう人間も少なからずいる事実は理解しなきゃダメだ。
更に、人は自分の優位保持のためなら平気で他人の権利を踏みにじってしまう。
その時に口にされる“正義”を正当化するための手段が政治に他ならない。
その偽りの正義に立ち向かうには死をも覚悟しなきゃならんのかもしれない。
「演壇に立った瞬間に銃弾を打ち込むぞ」と脅迫されてなお、ステージに向かう者の勇気は
どれくらいの強さなんだろう。
しかし、この映画は「MILK」というタイトルながら、
ハーヴェイ・ミルク本人を語っただけの映画ではなく、「彼という現象」を語ったものだ。
だからミルク本人も素材の一つなんだね。
「THE CODE/暗号」 ★★ @シネマート新宿 〔公式サイト〕
もうね、コメントしたくもないっすよ。
どれだけ幼稚な映画にすれば気がすむんですか?
レンタルだったら「シベリア超特急」的な珍品として笑えたかもしれんけどね。
「ウォーロード 男たちの誓い」 ★★★ @池袋シネマサンシャイン 〔公式サイト〕
熱いぜ。
ジェット・リー、アンディ・ラウ、金城武という超豪華キャストにも拘らず、
こんなにも話題にならないのは宣伝がヘタだから?
(とは言え、個人的には宣伝なんか何も関係無いんだけどさ)
完全に「レッドクリフ」の影に隠れて地味な印象な作品だけど、
観てビックリ、激熱じゃ。
前半はちょっとかったるい。 正直寝そうになった。
でもね中盤以降の盛り上がりったら凄いモノがある。
特に敵の大将が、自分の部下を主人公に託すシーンなどは胸が打ち震えて
滂沱の涙となってしまった。
ラストの金城の場面も悲しくて良かったね。
惜しむらくは、J・リーとA・ラウの顔の区別が付きづらい場面が多い上に、
お互いの名前を呼ぶシーンが少ないので、
「えっと、これ誰だっけか・・・」と考えてしまう事が多かったのがチト残念。
レンタルでもう一回観ようっと。
「アンティーク 西洋骨董洋菓子店」 ★★★ @恵比寿ガーデンシネマ 〔公式サイト〕
あら、ホモ映画だったのね。
街中の実際のカップルは勿論のこと、映画であっても、
キスや抱擁を、人目にさらしてOKかどうかと言うのは、ひとが観て『絵』になるか
がポイントだと思う。
やはりいやらしさが前面に出てしまっているとキツイわな。
え? 「アンタはどうなんだよ」って?
うむ、街中で手を繋ぐのも、改札口での抱擁&熱いキスも全く躊躇ないワシだが、
それが「周りの迷惑」になっていなかったかについては、今ひとつ自信が無いのう。
ま、総じて我々アジア系人種はちょっと不利だわな。
この映画の登場人物くらいに格好良ければ、それが男同士であっても美しく見えるのだろうけど。
さて、映画はそんな美しいホモ野郎を軸にコメディ的に展開していくんだけど、
それに留まらず陰惨な誘拐事件が絡んだストーリーが面白みを増している。
もうヨダレが出そうになるくらい素敵なドルチェのオンパレードで、
観終わってケーキが食べたくなること請け合い。
しかし、その日は何故か恵比寿駅前でしゃぶしゃぶを食べたのであった。
テーブルは汚い、箸にゴミが付いている、取り箸もレンゲも、胡麻ダレも無く、
おまけにコンロのガスボンベも途中で切れてしまう、という凄まじくダメダメな店で
思わず顔を見合わせて笑ってしまった。
こんな事なら素直にイタリアンのお店にでも入ってドルチェを食べれば良かったなぁ。
「ミーシャ ホロコーストと白い狼」★★★ @日比谷TOHOシネマズシャンテ 〔公式サイト〕
人間が両親を奪い、荒野を彷徨う少女に狼が食物を与えるのなら、
狂った人間社会に訣別して野生に生きた方がよほど幸せなのではないか、と思ってしまう。
絵画・音楽・映画や小説等、優れた芸術に触れたり、素晴らしい料理を口にしたりすると、
人間の技を讃えたいとも思うのだけど、
もっと根っこの部分、「生き方」という点に於いて人は獣に遥かに劣っていると思う。
やっぱり人間より動物の方が好きだよ。 美しいし。 ウソつかないし。
「デュプリシティ スパイはスパイに嘘をつく」 ★★★★ @日比谷TOHOシネマズみゆき座
〔公式サイト〕
うははは、面白れえ!
こういう絶妙なバランスで複雑なストーリー展開って好きだなぁ。
時間軸を操作する手法に加えて、映画全体を支配する「演劇型犯罪」のおかげで、
前述のような複雑さが作り出されているのだけど、主人公の二人がどの時間軸に於いても
「同じ会話」をするあたりがヒントとなっているんだよね。 実に上手い。
でも、映画が終わって映画館を出る時、
2人組のお姉さん達が「なんか全然判らなかったァ」とか言ってた。
凄く綺麗な女性だったけど、この程度のことが理解できない人に魅力は感じないのだよ。
それはさておき、さすがのジュリア・ロバーツもトシをとったなぁ。
かつては可憐な天使のようだったけど、
今は結構な二の腕とか腰周りとか、年輪を感じさせるもんね。
それでも猛烈に素敵ではあるんだけど。
クライヴ・オーウェンは相変わらず安定した魅力でイイね。
あ、あとポール・ジアマッティも最高だった。 この人好きだなぁ!
オチは予想できたけど、このエンディングはちょっと珍しいかもね。