紘一郎雑記帳

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優良企業㈱サンキ 樋口博美社長・第2部 紘一郎雑記帳

2016-10-14 00:36:40 | Weblog

優良企業㈱サンキ 樋口博美社長・第2部 
紘一郎雑記
昨日より続き・・
福祉事業への取り組み

 ㈱サンキは母親の代の時に立ち上げた会社だが、
父が創業して破たんした三喜と言う会社をカタカナにしたものだ。
そして、娘である樋口氏は6月に父が事業をしていた同じ場所に
同じ名前の㈱三喜という会社を立ち上げた。
しかし、事業内容は倉庫業でも梱包加工業でもなく、
ダウン症を持つ人に特化した「用務員補助員の育成」を行う福祉事業である。

では、なぜ福祉事業なのか?
「うちの母は事故で両足を切断した障がい者だったのですが、
義足を着けて何でもこなしていました。母自身がそうでしたから、
うちでは障がい者や生活保護受給者、外国人など世間では
社会的弱者と呼ばれている人も普通に雇用していて、
今も150人の従業員のうち20人が障がい者、20人が外国人なのです。
生活保護受給者も何人か居ます。
ですから、その延長上で、ダウン症の子を育てて仕事をできるようにしたら、
本人も家族も社会も豊かになると思ったからなのです。」と樋口氏は語った。
樋口氏に言わせれば、障がい者も生活保護受給者も外国人も
ちょっと個性が強いだけで、決して弱者ではない。
個性が強いだけなのだから、できることや得意なことも多くあり、
働く喜びや誰かの役に立てる喜びを感じさせることで長所を伸ばせるのだ。
さらに、「教育や指導を手厚く受けられたダウン症や障害を持つ子は
仕事ができるようになるのだということを多くの人に知ってもらえるような
情報発信基地にもしたい。」と、樋口氏は今後の抱負を語ってくれた。
ちなみに、㈱サンキには勤続25年以上で大阪雇用開発協会から
表彰を受けた障がい者が4名在籍し、大阪府障がい者サポートカンパニーとして
登録すると共に、府から障がい者雇用貢献企業として賞を受けている。

 個性的な将来展望

 最後に今後の展望を伺った。樋口氏は
「長男が継いでくれたので、今の梱包加工業は彼が中心となって発展させ、
さらに仕事の精度を高めていきたいです。ただ、もし時代の変化で仮に事業が
縮小してしまうことになっても、そのリスクに対処する方法は考えてありますから
大丈夫です。」と自信たっぷりに語ってくれた。
この肝っ玉母さん社長、どこまでも頼りになる人である。
また、同時並行で福祉事業を大きくしたいというビジョンもあるのだと言う。

また樋口氏は「将来的に私は福祉事業の方を見ながら屋久島に移住して、
そこで福祉事業の新たな方向性を探りたいんです。」と、
夢をこっそり教えてくれた。
いつまでも夢を大切にし、自分のやりたいことや自分にしかできないことに注
力する、ということなのだが、その潔さや個性重視の姿勢こそが
サンキの強みであり、オンリーワンカンパニーとして輝き続ける秘策だと感じた。
5年後、10年後に同社や樋口氏がどうなっているのか?
とても楽しみである。