羽ばたけ関西企業・東山堂 その2
紘一郎雑記帳
昨日より・・そして居合道、柔道へと業務拡大
会社ができれば、売り上げを伸ばそうとガンガン営業していくのが普通だが、
同社は「頼まれたことをやる。困っていることを解決する。」
という起業の経緯を大切にして、目標金額ありきとはしなかった。
愚直に剣道家のニーズ、ウォンツに応えてきたのである。
しかし、現在の同社は全ての武道の道具を扱っている。
どのように拡大していったのか?木村氏は
「日本では剣道なら剣道だけと、一つのことしかしません。
競技として見ているからです。
しかし、海外では日本の文化として見ているので、
剣道をする人は柔道もしたいし、合気道も弓道もしたい。
さらには、お茶もしたい、お花もしたい…と」、
全部やろうとするのです。
この求めに応じているうちに、扱い品目が増えていったのです。
頼まれたことをやるだけというポリシーは変わりません。
国内販売も自然に増えていったのです。」と、語ってくれた。
最近ではインバウンド需要で鎧、兜、刀剣もよく売れる同社だが、
これもその延長線上にあるだけなのである。
ライバルはNIKE
では、同社はどんな会社を目指すのか?また、
ライバルとどう戦っていくのか?現在、同社はBtoCの販売を行い、
さらに製造や卸、BtoB販売などの会社のグループで構成されている。
年商もグループで29億円に成長した。
しかし、これらも、細かいオーダーに応えるために製造会社を買収したり、
BtoB販売の必要から会社をM&Aしたりと、
お客の求めに応じるためや日本文化を広めるために必要で、
また互いの特性を生かせる会社を厳選してM&Aしただけなのだと言う。
つまりは「お客様に喜んでもらう」ことが大切で、
他社をライバル視していないのだとか。しかし、敢えて言うなら…
と前置きした上で、
「アスリートファーストを謳い文句にしているNIKEがライバルです!」と、
木村氏は語ってくれた。つまり、「武道家ファースト」で、
商品開発、販売をしていくのみだということなのである。
痛くない、臭くない防具や道着を!
そうなると、どんなニーズに応える商品開発をするか?なのだが、
開発の予知はまだあるのだと言う。
例えば、絶対痛くない防具、臭くならない防具、投げられても
痛くない生地の柔道着等々である。木村氏曰く、
「差がない所で差をつける。」ことで、危険や不快を取り去るという
防具や道着の本来の目的をさらに追求しようというのである。
そして、営業面では、「柔道人口の多いフランスにも拠点を作りたいし、
剣道人口が急増している中国にも対応できるようにしたい。
売り上げでは数年後にはグループで50億円は達成しそうなので、
その勢いで無理せずやっていきたい。」と、木村氏は語ってくれた。
50億まで来れば、それが倍になれば100億になるので、
そう遠くない未来に100億円企業の東山堂が誕生するのではないだろうか?
そうなると、武道具業界ナンバー1企業になる。
NIKEが「ライバルは日本の東山堂だ!」という日が来るかもしれない。