今日は登山道の草刈りをしながら登って来た4代目小屋主人と滝谷で合流して、今季初の架橋作業を行いました。”初”と書きましたが、シーズンによっては架橋後数日で流されてしまうこともあり、多い年には3度の架橋が必要となることも。今シーズンは穏やかな流れが続き、「橋がなくても渡れるよね！」というくらいの水量が続いて欲しいものです。
架橋作業のたびに、ワタクシの脳内には「ファイト～！イッパ～ツ！」の昭和テイストCMが・・・。そろそろ新しいバージョンに移行したいと思い、架橋材を運んでいる時に「せ～の！パワ～！ハッ（笑顔）」を試してみたのですが、今一つでした（笑）。なかやまきんに君は同郷でもあるのでディスるつもりはありませんが、ワタクシの筋肉量ではこの掛け声の効果はビミョウなのかもしれません。
こんな冗談を言っていられる日々が続くように祈りつつ、同時に、皆様には悪天候時の行動については慎重すぎるくらい慎重に、客観的な天候判断で無理のない登山を楽しんで頂きたいと願っています。
山小屋での仕事を始めて20数年が経ちます。街で暮らしていた頃に経験していた”夏の風景”とはずいぶん違う景色の中に今はいますが、咲き誇るミヤマキンポウゲを見ていると「ホタルが飛んでるみたいだなぁ～」と、いつかの記憶が蘇るよう。槍平は水はキレイなのですが、ホタルが生息するにはちょっと標高が高すぎのようです。それにしても、ミヤマキンポウゲの蕾を紹介したのが6月15日。定着入山の初日でしたが、コワイくらいのスピードで月日が過ぎて行きます。ついでに、梅雨もサッサと明けてくれるとよいのですが。天気予報を見る限り、まだまだ雨マークが並びます。スッキリと晴れ渡る北アルプスの青空、焦らずにじっくり待つことにいたしましょう。
昨日は滝谷ライブカメラからの誤送信メールに振り回されて、その日の朝の出来事をすっかり忘れていました。キッチンで朝ごはんを食べていると、玄関でなにやら音がします。ドアを開けてみると、キセキレイがやたらと触覚の長い昆虫をくわえたまま、窓辺で出口を見失っていました。そして、向かい側の外では仲間？パートナー？がホバリングしながら玄関内を伺っている姿も。
「ありゃりゃ！出られんごとなったとね！」と、すぐに窓を開けずに写真を一枚撮る博多弁のオッサンに恐怖を感じた！？かどうかはわかりませんが（笑）、窓を開けると元気に飛び出していったので一安心。槍平小屋の玄関内にはオコジョが入って来たこともあるし、玄関前ではテンとウサギが追いかけっこしていたこともあります。さらにはヤマネが室内の廊下で走ろうとしてツルツルと滑っていたことも。自然豊かなこの場所で、いろんな命が一緒の時間を過ごしています。怒涛の布団干しで午前中にエネルギーを使い果たしたワタクシも（苦笑）、彼らと同じこの場所でぐっすりと眠って、明日からまたお仕事頑張っていこうと思います。
モザイク写真ですみません(笑)。滝谷水量観測ライブカメラを稼働させた翌日のお昼過ぎ、件名”滝谷バッテリー60パーセント”のメールを受信しました。現地でライブカメラ運用しているスマホ本体のバッテリー残量が60％以下になるとメール送信されるプログラムにしているのですが、スマホへはソーラー充電されるバイク用12Vバッテリーも接続されており、1日でスマホ本体のバッテリーがそこまで減ることは考えられません。「うわぁ～、スマホ古いからなぁ～、バッテリーがくたびれて充電しなくなったかなぁ～」と、しょんぼりしながら一晩を過ごし、今朝、再び滝谷へ行ってみると・・・。なんと！すべて正常に動いており、スマホ本体も100％充電状態。どうやら、なんらかのエラーでメールが誤送信されたようです。もう、笑うしかありません。タダで帰るのは悔しいので、滝谷渡渉時の注意事項として上流部の河岸状況を動画撮影し、小屋ツイッターに投稿しておきました。
きっとこれも、滝谷がワタクシを鍛えてくれているのだろう、とプラスに考えることにします。もうひとつ！動画撮影の少し前に、流木の上を軽やかに走って岩に飛び移り、滝谷の流水から水を飲むオコジョを見ることが出来ました。滝谷はよくオコジョと遭遇する場所です。皆様も一休みのタイミングで会えるかもしれませんね！
午前8時過ぎの槍平キャンプ場。こんな気持ちのイイ日には布団干し！
本当は屋根全面に出したいところなのですが、そこは梅雨のお天気。2回転目は玄関屋根のみに出して、空模様をジッと観察。
残念ながら、というか、やっぱり、というか・・・。お昼過ぎからは雨が降り始めました。慎重に、慎重に、皆様をお迎えするお布団を干して参ります！
