Benny Golson And The Philadelphians
ジャズは今では満遍なく聴く。しかし、自分の性格が天邪鬼なのか若い頃はどうも皆がいいという物ではなくその反対を追い求めたりした。そもそも世の中ビートルズ一色の時にジャズにのめり込んで行ったのもその始まり。その結果持っているアルバムは偏っている。まあ名盤といわれるものは思いついた時にボチボチ買い足したりしているが、珍しい盤というと、またついつい最近でも手が伸びてしまう。というか、最近はネットでワンクリックだが。便利になりすぎるのも困ったものだ。
聴き始めてすぐの頃に気に入ったアルバムの一枚が、“Modern Art”だ。これは、名盤の一枚だと思うが、ハードバップに共通する「濃い」雰囲気ではなく、妙に油っ気のとれた感じが好きだった。ハーモニー重視のウェストコーストにも通じるサウンドだ。先日久々にアートブレーキーの「モーニン」を聴いた。ベニーゴルソンのサックスが何ともいえずいい感じだ。最近再発されたCDシリーズを見ていたら一枚ゴルソンのアルバムがあったので、躊躇いもなく「クリック」したのがこのアルバム。
“Moanin’"の録音から2週間後の録音だ。モダンアートと同じUnited Artistsが原盤という訳でもないと思うが、少しすっきりした演奏で予想通りのサウンドが飛び出してきた。リーモーガンとゴルソンは同じだがバックが違う。やはりメッセンジャーズでは親分のブレーキーのドラムの影響が大きいのかもしれない。リーモーガンは親分抜きの演奏をガレスピーの所にいた時も作っているが、このアルバムはフィラデルフィア出身のメンバーが集っている。そのせいで親分抜きでもよりチームワークがいいのかもしれないが、やはりまとめ役のゴルソンのお陰だろう。
ゴルソンはテナーのプレーも魅力的だが、曲作りもアレンジも独特な芸風を持っていて好きな一人だ。特に、“I Remenber Clifford”は名曲中の名曲。トランペット吹きの課題曲のようなものだ。このアルバムでは、モーガンではなく、フランスで地元のRoger Guerinの演奏が聴ける。このような名曲の聴き較べもまた楽しいものだ。
このジャケットも実にシンプルでCD化された時のデザインかと思ったら、実はこれがオリジナルだそうだ。内容同様当時のデザインとしてはすっきりしている。
まあ、女性の好みと同じで、好みのタイプだとかえって色々細かいことまで気にかかるが、タイプではないと最初からあまり気にならない。付き合ってみると新たな魅力がドンドン見つかり結果一番の好みになるようなものだ。このアルバムもIpodに入れて最近良く聴き返す一枚になった。
1. You're Not The Kind
2. Blues On My Mind
3. Stablemates
4. Thursday's Theme
5. Afternoon In Paris
6. Calgary
7. Blues March
8. I Remember Clifford
9. Moanin'
10. Stablemates (alt-tk)
Lee Morgan (tp)
Benny Golson (ts)
Ray Bryant (p),
Percy Heath (b)
Philly Joe Jones (ds)
# 1 - 6 Recorded November 17, 1958 at Nola's Penthouse, NYC.in New York.
Roger Guerin (tp)
Benny Golson (ts)
Bobby Timmons (p),
Pierre Michelot (b)
Christian Garros (ds)
# 7 - 10 Recorded December 12, 1958 in Paris.
ベニー・ゴルソン・アンド・ザ・フィラデルフィアンズ | |
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