A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

メインストリームジャズの復権に合わせてベテランコーラスグループも復活

2014-04-15 | MY FAVORITE ALBUM
Now / The Hi Lo’s

アルバム作りは、じっくりスタジオ録音がいいのか、あるいはライブがいいのかはミュージシャンによって異なるし、曲によっても異なる。マイルスデイビスなどは、ギルエバンスとのコラボレーションなどはスタジオ録音で素晴らしい演奏を残した一方で、ライブ録音で名演奏を各地で残した時期もある。まあ、名プレーヤーというものは、いずれにしても状況に合わせてベストパフォーマンスを出せる人物をいうのであろう。

コーラスグループでシンガーズアンリミテッドというグループがあった。究極のハーモニーを目指したグループであったが、多重録音を用いたためアルバムで楽しめるだけでライブでの演奏を聴くことのできないグループであった。

このシンガーズアンリミテッドの前身は、男性カルテットのハイ・ローズ。50年代から60年代にかけで活躍したグループだ。フォーフレッシュメンに通じる白人コーラスの軽妙さが売りであったが、ドン・シェルトン、レン・ドレスラーが解散後に編成したのがシンガーズアンリミテッドであった。

最近、自分の日常は同窓会、同期会が目白押しだ。昔の仲間達と会うと、直近の話題は親の介護か自分の健康の話が多い。この話題はお互いの慰みであってあまり前向きの話は少ない。しかし、昔話になるとあっという間にタイムスリップする。昔の記憶が次から次へと思い浮かんで楽しかった頃の話題で話が弾む。歳をとると新しいことはなかなか覚えないのだが昔の記憶は結構しっかりしている。自分が忘れていたことを鮮明に思い出すことも。

新しい試みに日々追われていると昔の出来事は単に思い出でしかない。しかし、日々の生活の中に昔の事が舞い戻り、周りも昔の話題が多くなると、突然実世界も昔に戻したくなるものだ。ハイ・ローズの面々も同じような心境だったのかもしれない。

1978年に今度は、シュルトンとピュアリングはハイ・ローズを復活させた。ジャズの世界もベテランが復活をしていたこの時期にコーラスグループの復活を求める声もあったのだろう。
復活の舞台は9月17日第21回のモンタレージャズフェスティバル。そして、レコードも制作されることに。その名も”Back Again”というタイトルであったが、シンガーズアンリミテッドのアルバムを制作していたMPSレーベルで実現した。

シンガーズアンリミテッドの成功を支えたMPSであったが、今度はハイ・ローズの復活を後押しした。再び集まった4人はこのコンサートとレコーディングを終えると、一旦それぞれの生活に戻った。しかし、再度活動の続行を求める声が高く、再び活動を始めた。
1980年になって第2作であるこのアルバム”Now”が作られたが、結局これがハイ・ローズのラストレコーディングとなった。

アルバム作りは、シンガーズアンリミテッドの制作手法を踏襲し、バックに関しては西海岸で録音され、コーラスはドイツで収録された。バックは昔もバックのアレンジを担当したことのあるクレアフィッシャーが務める。時代を反映してか、シンセサイザーやフェンダーを使用してアレンジも演奏も多少今風に。
ビッグバンドを率いて丁度今来日中のゴードングッドウィンがソプラノサックスで参加している。今から34年前、サックス奏者としてスタジオで活躍していた頃の演奏だ。

フォーフレッシュメン同様、ビーチボーイズなどにも影響を与えたハイ・ローズだが懐メロだけでなく、今回はマイケルフランクスやビリージョエルなどの新しい曲にもチャレンジ。丁度コーラスグループもマンハッタントランスファーが登場して人気を復活させていた頃、レコードでしか聴けなかったベテランコーラスグループの復活はファンにとっては嬉しい出来事であった。

1. While We're Young    (A. Wilder – M. Palitz – B. Engvick)  4:02
2. Just the Way You Are   (Billy Joel)  4:54
3. Quiet Nights       (G. Lees – A. C. Jobim)  3:51
4. Ain't Doin' Bad Doin' Nothin' (Lee Jarvis - Joe Venuti)  4:10
5. Lazy Afternoon      (John Latouche - Jerome Moross)  3:36
6. No More Blues     (J.Hendricks - J.Cavanaugh - V. DeMoraes - A. C. Jobim)  3:09
7. After the Love Has Gone   (D. Foster – J. Graydon – B. Champlin)  3:48
8. Everytime We Say Goodbye   (Cole Porter)  4:26
9. Night We Called It a Day, The   (Matt Dennis - Tom Adair)  3:01
10. Mr. Blue             (Michael Franks)  3:12

Tracks 1, 3, 6
Clare Fischer (ep. p)
Gary Foster (fl)e
Ralph Grierson (YAMAHA CS-80 POLYPHONIC synthesizer)
Tommy Tedesco (g)
Oscar Meza (b)
Luis Conte (congas, per)
Walfredo De Los Reyes (ds)

Tracks 2, 7, 10
Clare Fischer (ep,p)
Tommy Tedesco (g)
Jim Hughart (eb,b)
Luis Conte (congas, per)
Steve Schaeffer (ds)

Tracks 4, 5, 8
Clare Fischer (ep,p)
Gordon Goodwin (ss,fl)
Jim Hughart (eb,b)
Steve Schaeffer (ds)

Track 9 A Cappella recording

Vocal Arrangements by Gene Puerling
Orchestral arrangments and direction by Clare Fischer
Produced By Hans George Brunner-Schwer & Gene Puering

Instrumental tracks recorded March 27, 28, 1980 at A&M Studios in Los Angeles;
Engineer: Don Haan;
Assist: P. McKenna

Vocals recorded May, 19-22, 1980 in the studio of MPS RECORDS, Villingen, West Germany
Engineer: Hans Georg Brunner-Schwer;
Rec. Director: Willi Fruth

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