A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

還暦60歳はまだ若い・・・それからが人生のスタート

2011-07-10 | CONCORD
Blues Alley Jazz / George Shearing

今年もジャズの巨匠が亡くなった。ジョージシアリング。2月14日91歳であった。
いわゆるメインストリームのジャズとは一線を画していたが、ピアノとヴァイブ、ギターの清清しいユニゾンプレーはシアリングスタイルというひとつのスタイルになっていた。
これも、イギリス出身というのがひとつの理由かもしれない。演奏だけでなく、自作のララバイオブバードランドはサラとクリフォードブラウンの共演で有名だ。他の歌手やプレーヤーにも多く取り上げられスタンダード曲の定番になっている。



このような数々の実績を残したシアリングが還暦を迎えた時、Concordに移籍してきた。その時彼が選んだ道はベースとのDuo。今まで定着していたシアリングサウンドへの挑戦だ。そして、その時相棒に選んだのが、無名のベーシスト、ブライアントーフ。実は彼はConcordではマリアンマクパートランドのアルバムですでにデビューしていた。マリアンも実は出身はイギリス。同郷の好で彼女がトーフを紹介したのかもしれない。
トーフは、1954年生まれ。当時はまだ25歳の若者だ。それまでの活動暦は、エロールガーナ、メリールーウィリアムスなどベテランとの共演が主体。年寄りキラーの魅力を持っていたのだろう。

 そして肝心なプレーはというと、これが実に新鮮だ。年季の入った長老とうまくやるには、ベテランのスタイルに合わせて古いスタイルを踏襲するのかと思いきや、実際は反対だった。デュオの演奏だとそれが余計に目立つ。確実にリズムを刻みながらスタートするベースは途中で、メロディアスに対話をはじめ、テクニック十分なソロプレーに。
60年から70年代に入ってジャズ界全体のベースのスタイルも変わっていった。特に、ビルエバンスと組むベーシストはスコットラファロに始まり、エディーゴメツなどはピアノとのコラボレーションをより深めるスタイルを確立していった。トーフもその延長上のプレーヤーだった。

このような新しい若いパートナーを得てシアリングのプレーもおなじみのシアリングスタイルから大きく脱却。その後、新境地に入っていった。このコンビはそれから4年近く続く。このDuoのコンビが2人にとっても次のステップへ進む大きなステージを共有できたのであろう。



定年65歳時代を迎えて、還暦60歳はまだ若い。残りの人生を有意義に過ごすためにも新たなパートナーは大事かもしれない。特に若い相手だと刺激を受けるだろう。自分も、仕事においてもプライベートでも、新たなパートナー探しを心がけてみよう。

1. One for the Woofer         Taylor 8:04
2. Autumn in New York         Duke 4:42
3. The Masquerade Is Over       Magidson, Wrubel 6:18
4. That's What She Says        Fest 3:45
5. Soon It's Gonna Rain        Jones, Schmidt 4:34
6. High and Inside           Torff 3:28
7. For Every Man There's a Woman    Arlen, Robin 3:41
8. This Couldn't Be the Real Thing   Mulligan, Torme 3:17
9. Lazy River             Arodin, Carmichael 4:59

George Shearing (p)
Brian Torff (b)

Carl Jefferson Producer
Ron Davis Engineer

Recorded live at Blue's Alley, Washington D.C. Oct 1979

Concord CJ-110(所有は東芝の日本盤)


Blues Alley Jazz
George Shearing
Concord Records

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