A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

「年甲斐もなく」を、・・・いい意味に変えるのは本人次第?

2011-08-03 | MY FAVORITE ALBUM
Plays Chick, Donald, Walter and Woodrow / The Woody Herman Orchestra

歴史と伝統のあるビッグバンドは、グレンミラーにしても、ベイシー、エリントンにしても、そのスタイルはきちんと守られている。エリントンが存命中にビートルズナンバーを手掛けても、それはエリントンサウンドだった。その中で、ウディーハーマンのオーケストラだけは常に進化し続けた。
ここに78年に録音されたアルバムがある。タイトルがチックだとか、スティーリーダンのメンバーの名前が並ぶ。ウディーハーマンのクレジットが無ければ、誰のビッグバンドかわからない。

78年のコリアといえば、あのリターンツーフォーエバーから6年。FRIENDSとかMAD HATTERとかが続けて出された頃。ポストRTFを狙ってか、昔のメンバーを集めてストレートなジャズをやったり、大きな編成で演奏したり、コリアの多芸振りが目だって来た頃だ。
一方のスティーリーダンは、同じくデビューから数年経ち、ヒットアルバムが続いていた頃だ。

「新物好き」のハーマンは、何とA面にはチックコリアの作品を、そしてB面にはスティーリーダンの曲のカバーを並べた。まさに、流行の先端を足の先からつま先までといった感じだ。A面はコリアの作編曲、組曲仕立てになっていて、最後はコリアお得意のコリア風ラテンサウンドで締める。コリアの作品の発表の場にハーマンオーケストラが協力した形だ。
B面も、アレンジはボブミンツァーやビクターーフェルドマンが手掛けているが、実に上手く原曲を料理して、ハーマンバンドへのプレゼントになっている。
どちらも、フォーブラザースやアーリーオータムを演奏したバンドの面影はない。
そして、相変わらず、ハーマンの歌とクラリネットが登場する。いくつになっても自分の出番が無いと気がすまない性格なのかもしれない。

この録音時、ハーマンは65歳。こんな素晴らしい時代を先取りしたようなビッグバンドをいくつになっても率いるのはさすがハーマン。でも、いくつになっても目立ちたがり屋はそろそろ隠居をしたらいいのでは。「年甲斐も無く」と言われますよ。





1. Suite For A Hot Band
2. First Movement
3. Second Movement
4. Third Movement
5. Green Earrings
6. Kid Charlemagne
7. I've Got The News
8. Aja
9. FM

Woody Herman, alto&Soprano sax,clarinet,vocal;
Frank Tiberi, tenor sax,flute,bassoon;
Gary Anderson, tenor sax,flute,alto flute,piccolo;
Joe Lovano, tenor sax,flute;
Bruce Johnstone, baritone sax,bass clarinet,flute,vocal;
Jay Sollenberger, trumpet,flugel
Allen Vizzutti,trumpet,flugel
Nelson Hatt,trumpet,flugel
Glenn Drewes,trumpet,flugel;
Dennis Dotson,trumpet,flugel
Bill Byrne,trumpet,flugel;
Birch Johnson,trombone
Larry Farrell,trombone;
Jim Daniels,bass trombone;
Pat Coil,piano
Marc Johnson,bass;
Jeff Hamilton, drums,percussion;

Tom Scott,tenor sax,lyricon;
Victor Feldman,synthesizer,percussion;
Mitch Holder,guitar;

Recorded Jan.1978, Hollywood

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