A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

兄弟に捧げたお気に入りの曲はThad Jonesのラストレコーディングにも・・・

2013-11-22 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Three and One / Thad Jones

昨晩、高校時代のジャズ好き集まった。サドメルの初来日の演奏を一緒に聴いた仲間だ。
皆仕事も第一線を退き時間ができたので、最近は良く会う。皆で集まるのも今年で4回目、稲垣貴庸のビッグバンドを聴きながら早めの忘年会となった。
ところがいつものメンバーから一人減ってしまった。夏に会った時には元気にしていたのだが、急にがんを発症して下半身が不自由になってしまい出かけることもままならぬ状態とか。この年になると体のあちこちにガタがくるのは止むを得ないが、それにしてもあの元気なT君がという思いである。

ジョーンズ兄弟が揃って初めて吹き込んだアルバムは”Keepin' Up With The Jones”
その中に、ジョーンズの作曲したThree and Oneという曲がある。時によってThree in Oneと呼ばれることもあるが基本的に同じ曲のようである。

3人兄弟にベースがひとり加わってというのが曲の意味の様だが、この曲は自分が作曲した数ある曲の中でもサド・ジョーンズ本人のお気に入りなのか、ビッグバンド用にもアレンジされ、サドメルの立ち上げ時からレパートリーに加えられデビューアルバムにも収められている

さらに、サド・ジョーンズと親交が深かったアダムストミーフラナガンなど友人達によっても演奏されているので、スタンダードとなったサドの代表曲のひとつだろう。

デビューアルバムだけではなく、晩年のこのアルバムでもこの曲をアルバムタイトルにしてサド自身のワンホーン演奏で残されている。それも晩年多用していたフリューゲルホーンを置いてコルネット一本で。曲も自作の曲はこれ以外に一曲、後はスタンダードを取り上げている。晩年はハンドリーダー、そして作編曲家として有名になってしまったが、このアルバム作りでは、プレーヤーとしての自分に何か想いがあったのかもしれない。

サドはサドメルのオーケストラを抜けた後は。デンマークを拠点としていたが、コペンハーゲンのレーベルステープルチェイスでこのアルバムは作られた。サド・ジョーンズが亡くなったのは1986年。このアルバムが吹き込まれたのは1984年の10月、亡くなる2年前であり、コンボでそしてリーダーとしてはラストレコーディングとなる。

ピアノトリオをバックに思う存分プレーを繰り広げる様は、デビュー当時の溌剌とした演奏を思い起こさせる。中でもタイトル曲のThree and Oneでの力強い演奏は圧巻だ。
ドラムスにはエド・シグペンが加わっており、ジョーンズを支えるバックとしても強力だ。

サドはこの後、カウントベイシーオーケストラに復帰するが体調を崩し、リーダーをフランクフォスターに譲って療養生活に入る。その点でも元気なサドの演奏をタップリ聴けるのはこのアルバムのプレーが最後になってしまう。
あの元気にオーケストラを指揮していたサド・ジョーンズが亡くなったのは63歳、今の自分と同じ年の頃。昨日の友人の話が脳裏に思い浮かぶ。

作曲家として、リーダーとして、そしてプレーヤーとしてのサド・ジョーンズが集約された置き土産が、このアルバムの”Three and One”のような気がする。


1. Instant Blues Disinstant           Thad Jones 5:27
2. My One and Only Love     Robert Mellin / Guy Wood 8:01
3. But Not for Me      George Gershwin / Ira Gershwin 8:11
4. Night Mist Blues              Ahmad Jamal 5:38
5. My Romance        Lorenz Hart / Richard Rodgers 6:39
6. Three and One                Thad Jones 8:56
7. But Not for Me      George Gershwin / Ira Gershwin 10:18
8. Instant Blues Disinstant            Thad Jones 5:26

Thad Jones (cor)
Ole Kock Hansen (p)
Jesper Lundgaard (b)
Ed Thigpen (ds)

Produced by Nils Winther
Recording Engineer : Thomas Brekling
Recorded October 4, 1984


Three & One
クリエーター情報なし
Steeplechase

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