A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

Concordに日本人が初登場・・・久々のピアノトリオで。

2008-01-07 | CONCORD
FINESSE / TOSHIKO AKIYOSHI

ConcordにTOSHIKOが登場した。それを知った時、少し驚きを感じた。
74年にビッグバンドのアルバムを出してから、レコーディングでもコンサートでも活躍を続けていた秋吉敏子。すっかりピアニストのTOSHIKOではなく、アレンジャーでありバンドリーダーとしてTOSHIKO&TABACKINになっていた。もちろんオーケストラの演奏の中で彼女のピアノを聴くことはできたが、それはオーケストラの演奏の中。
それに彼女のオリジナル曲中心のビッグバンドの演奏では、いわゆるスタンダード曲のピアノのプレーを聴く術もなかった。

彼女がニューヨークから西海岸に居を移したのは72年。そして、その地で念願であったビッグバンドを立ち上げることになる。
ビッグバンドファンの自分としては、第2のサド・メルを期待して最初のアルバム「孤軍」を早速買い求めた。内容の素晴らしさにすっかり惚れ込んで、その後新しく出るアルバムを心待ちにしていたものだ。丁度、サド・メルの新しいアルバムには多少不満も感じてもいたので。
東のサド・メルに対しての、西のトシコ&タバキンの旗揚げであったが、その内容はサド・メルに負けない完成度の高さだった。その曲想と演奏の中にも日本的な文化の香りを常に意識した作品は否が応でも「ジャズの世界にも日本あり」を感じさせ、聴く方でも嬉しくなったものだ。たまに見かける外国人が作る日本調を意識した作品に何か違和感を覚える中、彼女の作品は一味も二味も違ったものであった。

そんな時、このTOSHIKOの久々のトリオでのアルバムはまさに不意打ちだった。
Concordが得意とするベテランミュージシャンの突然の復帰である。
誰が仕掛けたのだろうか?
ドラムでこのアルバムにも参加している、ジェイクハナは、TOSHIKOがその昔バークレーに通っている時、地元ボストンでのプレーメイトであったそうだ。ハナは元々ボストン生まれ、当時(1950年代の後半)は地元を拠点に活動した。メイナードファーガソンやマリアン・マクパートランドとも演奏をしていたそうだ。
このセッションは20年ぶりの再会セッションだったという次第。ハナとTOSHIKOがプレーメイトだったとは世の中狭いものだ。
こんなハナの経歴を知ると、きっと今回もハナがこのセッションを企てたのだろうと想像がつく。

郷に入れば郷に従えという訳でもあるまいが、このアルバムに納められている曲はトシコのオリジナルが2曲。後はスタンダード。コンコルドによくあるスタイルだ。
トシコのオリジナルの一曲アメリカンバラッドは、オーケストラのファーストアルバムの「孤軍」の中でもブリッドウッドマンのトロンボーンでじっくり聴かせた曲。今回はトシコのピアノでの挑戦だ。

一方のスタンダードは、ジェリーロールモートンの曲から、ラブレーター、そしてウェストサイドストーリーからの曲まで。ピアノのプレースタイルも微妙に異なるが、バップからハードバップ全盛期の洗礼を受けたトシコのピアノは健在だ。
これまであまりトシコのピアノプレーは聴いたことがなかったが、オーケストラだけでなくピアノも好きになってしまったアルバムだ。

Country Your Blessings
American Ballad
Love Letters
Wouldn’t It Be Loverly
Mr. Jelly Lord
Warning!! Success May Be Hazrdous To Your Health
You Go To My Head
Solvejg’s Song(from Peer Gynt Suite)

Toshiko Akiyoshi (p)
Monty Budwig (b)
Jake Hanna (ds)

Originally released on Concord CJ-69

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