A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

SOMEDAYを超満員にした高瀬龍一ビッグバンドの選んだ曲は・・・・

2013-03-21 | MY FAVORITE ALBUM
“This Time By Basie / Count Basie Orchestra”

去る2月1日、トランペッターの高瀬龍一が新たなビッグバンドの旗揚げを行った。昨年プライベートなパーティーで一度やったそうだが、今回は一般公演。場所は新宿のライブハウス「サムデイ」。色々なビッグバンドにプレーヤーとして参加している高瀬だが、自分のバンドでは何をやるのかと思ったら、「本気でベイシーやります」との予告があった。
意外でもあり、楽しみだった。



当日、仕事でバタバタして開演間際に着いたら、入り口の雰囲気がいつもと違う。地下に降りると席はすでに満員、すでに立見の人も見受けられる有様。いつもは空席が目立ち、せっかくの演奏なのに・・・と思うことが多いのだが、この日は開始前から会場は熱気に包まれていた。
何とか、キッチン前のカウンターのスツールに座ることができたが、後から来る人は入り口近くで立見が出る、まさに立錐の余地のない超満員。

詳細なレポートは当日Vocalで参加した沖野ゆみさんのブログで。

メンバーは、色々なビッグバンドで見かけるいつものベテラン揃い。ベイシーサウンドに欠かせないピアノは板垣光弘、リードアルトは萱生昌樹 、リードトランペットはルイスバジェが努めていた。高瀬自身は指揮に専念でプレーをしたのは僅か1曲。
ベイシーサウンドにしてはギターが居ないのが気になったが、これは何か意味があったのか?

当然学生時代からベイシーの曲で育ったメンバー達なのでベイシーサウンドの再現はお手の物、楽しいプログラムを満喫させて貰った。会場に駆けつけたファンも多くは同じ道を一度は歩んだ仲間達のようで、満員の観客と一体となってメンバー達も嬉しそうであった。

演奏した曲目は全部で23曲。お馴染みの曲もあったが、オールドベイシーのレパートリーより比較的新しいアルバム、アレンジが多かったように思う。中でも”This Time by Basie”からの曲が何曲かあった。

ベイシーオーケストラの全盛期はいくつかあるが、Atomicバンドと呼ばれた50年代後半の一連のルーレットのアルバムの時代がやはり一番だ。60年代に入ってからは、どこのビッグバンドのレギュラー活動の維持が厳しくなって来て、いわゆるポピュラー路線をとるようになった。とはいうものの、演奏の本質が変わるのではなく、アルバム作りで時代に合わせたヒット曲を取り上げることが多くなっていたということなのだが。硬派のジャズファンからはコマーシャリズムに毒されたといわれた頃だ。

この“This Time by Basie”も、そのような時代に生まれたアルバム。レーベルはシナトラの息のかかった”Reprise“。同じ頃、エリントンオーケストラもこのレーベルに所属し、両雄が同じような企画のアルバムを競い合っていた。このアルバムで取り上げられた曲も当時のヒット曲が多い。

アレンジは、クインシージョーンズ。彼自身も翌年マーキュリーレーベルの役員に収まる直前の変身の時期。アレンジャーとしての仕事が多かった頃だが、自身のアルバム作りでもポピュラーな曲、そしてポピュラーな音作りのアルバムに変身していた。
クインシーのべイシーオーケストラへのアレンジの提供は、これが初めてではなく、全盛期のアルバムにもアレンジを提供している。以前紹介した“One More Time”も其の一枚。そのアルバムは、クインシーのオリジナル曲も多く、名作・名演として記憶に残る物であった。

さて、このアルバムが録音されてから50年近くが経とうとしている。当時のヒット曲も今から見ればすでに古いスタンダード曲の仲間入りということだ。

1. This Could Be the Start of Something Big (03:15)
2. I Left My Heart in San Francisco (02:30)
3. One Mint Julep (04:00)
4. Swingin' Shepherd Blues, The (03:13)
5. I Can't Stop Loving You (04:33)
6. Moon River (03:07)
7. Fly Me to the Moon (03:12)
8. What Kind of Fool Am I? (02:49)
9. Walk, Don't Run (02:37)
10. Nice 'N' Easy (03:15)
11. Apartment, The (Theme) (03:16)

Al Aarons (tp)
Sonny Cohn (tp)
Thad Jones (tp)
F.P.Ricard (tp)
EdwargPreston (tp)
Albert T. Grey (tb)
Benny Powell (tb)
Bill Hughes (tb)
Grover Mitchelll (tb)
Marshall Royal (as)
Eric Dixon (ts.fl)
Frank Foster (ts,flcl)
Frank Wess (ts,cl,fl)
Charlie Fowlkes (bs,flt,bcl)
Count Basie (p)
Freddie Green (g)
Buddy Catlett (b)
Sonny Payne (ds)

Quincy Jones (arr.conduct)

Recordec on January 21~24,1963 in New York City

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