Jazz Spotlight on Ellington and Rodgers / Paul Smith Trio
自分が高校生の頃、今のようにインターネットもなければIpodやDVDもない。日々の楽しみといえばもっぱらラジオの深夜放送。各局のパーソナリティーが毎晩競っていたが、その中に、大人っぽい雰囲気の「大村麻利子」が、軽い語り口とリクエストに応える短い番組があった。比較的JAZZもかかったのでよくリクエストを出して聴いたものだ。
その番組のテーマソングが「SONG IS ENDED」。ピアノのPAUL SMITHの演奏だった記憶がある。軽いタッチのピアノが気に入っていた。
カクテルピアノ風に演奏したかと思えば、饒舌にヘビーな演奏を聴かせてくれるピアニストの一人だ。エラのバックで有名だが普段はあまり前面に出ることはない。ひとたび前面に出てテクニックを披露すると、ピーターソン張りの演奏を繰り広げることもある。
とかくテクニックのあるピアニストは技に溺れる訳でもないとは思うが、心に訴える演奏とは程遠くなりがち。Smithも、その点を彼の奥さんに指摘されて、心のこもった「暖かい」バラード演奏ができるようになったそうだ。
ローランドハナのピアノを聴くと、“上手い”ピアノを聴きたくなって、この一枚を持ち出してきた。以前、このSmithのRichard RodgersのSong Bookのアルバムを紹介したが、その続編のようなアルバムだ。
同じRodgersの曲、それとEllingtonの曲が半分ずつ収められている。
Rodgersの曲が収められているB面の一曲目は「Mountain Greenery」。
新緑が映える今の季節にぴったりな曲だ。Jackie&Royのこの曲が実はお気に入りだ。
このアルバムは、LP時代の最後に流行った「Direct to disc」で録音された一枚。テープを介さないので、一発勝負でLPの片面分20分近くを一気に録音しなければならないので、録り直しや編集ができないライブレコーディングのようなもの。もっとも、レコードの歴史でテープレコーダーの無いSPの時代には皆こうして録音されたのだが。
さすがエラと一緒にLIVEの場数を踏んでいるSmith、こんな録音でも難なく一気に一発でこなしている。
最近ワープロで文章を書くと、ついつい「つぎはぎ」になることが多い。どうせ後で直せると思うと雑になる。手書きの時は一気に書いたものだが。結果的に、一気に書いた文章はやはり勢いが違うし論旨が明快だ。
テクノロジーの進化が、頭の構造を退化させているような気がしてならない。
DON’T GET AROUND MUCH ANYMORE
I GOT IT BAD AND THAT AIN’T GOOD
C JAM BLUES
MOUNTAIN GREENERY
HAVE YOU MET MISS JONES
FALLING IN LOVE WITH LOVE
THOU SWELL
Paul Smith (p)
Wilfred Middlebrooks (b)
Nick Martinis (ds)
Recorded in 1979
自分が高校生の頃、今のようにインターネットもなければIpodやDVDもない。日々の楽しみといえばもっぱらラジオの深夜放送。各局のパーソナリティーが毎晩競っていたが、その中に、大人っぽい雰囲気の「大村麻利子」が、軽い語り口とリクエストに応える短い番組があった。比較的JAZZもかかったのでよくリクエストを出して聴いたものだ。
その番組のテーマソングが「SONG IS ENDED」。ピアノのPAUL SMITHの演奏だった記憶がある。軽いタッチのピアノが気に入っていた。
カクテルピアノ風に演奏したかと思えば、饒舌にヘビーな演奏を聴かせてくれるピアニストの一人だ。エラのバックで有名だが普段はあまり前面に出ることはない。ひとたび前面に出てテクニックを披露すると、ピーターソン張りの演奏を繰り広げることもある。
とかくテクニックのあるピアニストは技に溺れる訳でもないとは思うが、心に訴える演奏とは程遠くなりがち。Smithも、その点を彼の奥さんに指摘されて、心のこもった「暖かい」バラード演奏ができるようになったそうだ。
ローランドハナのピアノを聴くと、“上手い”ピアノを聴きたくなって、この一枚を持ち出してきた。以前、このSmithのRichard RodgersのSong Bookのアルバムを紹介したが、その続編のようなアルバムだ。
同じRodgersの曲、それとEllingtonの曲が半分ずつ収められている。
Rodgersの曲が収められているB面の一曲目は「Mountain Greenery」。
新緑が映える今の季節にぴったりな曲だ。Jackie&Royのこの曲が実はお気に入りだ。
このアルバムは、LP時代の最後に流行った「Direct to disc」で録音された一枚。テープを介さないので、一発勝負でLPの片面分20分近くを一気に録音しなければならないので、録り直しや編集ができないライブレコーディングのようなもの。もっとも、レコードの歴史でテープレコーダーの無いSPの時代には皆こうして録音されたのだが。
さすがエラと一緒にLIVEの場数を踏んでいるSmith、こんな録音でも難なく一気に一発でこなしている。
最近ワープロで文章を書くと、ついつい「つぎはぎ」になることが多い。どうせ後で直せると思うと雑になる。手書きの時は一気に書いたものだが。結果的に、一気に書いた文章はやはり勢いが違うし論旨が明快だ。
テクノロジーの進化が、頭の構造を退化させているような気がしてならない。
DON’T GET AROUND MUCH ANYMORE
I GOT IT BAD AND THAT AIN’T GOOD
C JAM BLUES
MOUNTAIN GREENERY
HAVE YOU MET MISS JONES
FALLING IN LOVE WITH LOVE
THOU SWELL
Paul Smith (p)
Wilfred Middlebrooks (b)
Nick Martinis (ds)
Recorded in 1979