会計スキル・USCPA

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インテルばなし

2008-01-21 07:28:00 | 英語情報
インテルが創業期にDRAMメーカーだったという話の続きです。

マイクロプロセッサに注力するようになった後のインテル。

専業メーカーで状況は単純だったかと言えばとんでもない。これが、中々ダイナミックな物語なんですな。世界を牽引するリーディングカンパニーなわけで、それも当然ですかね。

インテルがやったのは、マイクロプロセッサの開発に加えて、その開発のピッチにあわせて確実に新機種を大量に買わせること、しかも買わせ続けることです。

インテルがいくら高機能の、そうですな、現行の2倍のプロセッサを開発できたとしても、パソコンメーカーがそれを使って高機能パソコンを売る気にならねばプロセッサは売れません。パソコンメーカーが現行機種に大きな開発コストを投資していれば、新機種への切り替えを渋って当然ですよね。

インテルのプロセッサ開発に合わせて、同時にパソコン機能のバージョンが上がってゆく過程は、当然だ、と思われているわけですが実はそうじゃないんですね。むしろ大手、IBMやコンパックのような業者は抵抗するんですね。今作っているパソコンを売り続ける方が楽に決まってますからね。

インテルはどうしたか。

インテルはパソコンを徹底的に研究して、新しいプロセッサに最適なパソコンをまず自分で作ってみる。その上でパソコンメーカーにこうやって開発すれば良い、とアドバイスします。アドバイスにとどまらずマザーボードまで作って上げて、それを乗せれば最新式のパソコンが簡単に作れるようにして上げました。

これによってパソコンメーカーがインテルのペースについて来れるようにしました。イヤー良かったですね-,だけではなく、こっからが大事なのですが、

①最新パソコン製造の開発費負担が劇的に下がり、②パソコン業界への参入が容易になり、③競争が激化

かくして、パソコンはコモディティと化したのでした。競争相手が新チップでバンバン市場に出してくるわけで、IBMもコンパックもそうせざるを得ません。一斉に新製品が店頭に並びます。インテルはウハウハですよね。

部品を集めて台湾に組み立ててもらえばパソコンメーカーになれる、という状況はインテルがそう動いたから実現したんですね。

なんせインテルがコアとなる新プロセッサの仕様を握っているわけで、インテルが最初にそのチップにふさわしいパソコンシステムを理解することになります。パソコンメーカーにそれを指導して次のパソコンはこう作れと教える。パソコンメーカーは自分のロゴをつけてはいるが、その実質はインテルパソコンを売っている、という状況で,パソコン開発もインテルに依存するということになるんですな。

インテルインサイドキャンペーンによってエンドユーザーにもブランドを浸透させているために、エンドユーザーもインテルロゴを見てパソコンを買うようになりました。パソコンメーカーのロゴもみますが,どのチップかということが重要になったんですね。インテルのパソコンだ、ということをエンドユーザーにも認識させたわけです。

インテルはチップメーカーでもあると同時にファブレスのパソコンメーカーだともいえるかも知れませんな。しかもパソコンについてはノーリスクで製造会社がリスクをとるわけで、いやあたまりません。

こういうストーリーには汲めども尽きぬ面白さがありますな。

ネタ本です

半導体ばなし


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