会計スキル・USCPA

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貿易立国危うし

2008-11-10 00:15:42 | マクロ経済
日本は資源が少ないので、原材料を輸入して、加工した製品を輸出することで成り立っている国だ、と小学校で習ったような気がするんですがね。その手の知識って、一旦習って刷り込まれてしまって、その後大人になって関係ない仕事についていると、知識が小学生のままだったりするんですね。

その常識、いつの時代のハナシやねん、ってことでして、

よく見ると、今年の8月は貿易赤字だったんですな。

まあ、9月はまた黒字に戻ってますがね。

これ、なかなかショッキングな数字なんですな。

そもそもですな、日本はほんの数パーセントしか成長しない経済なわけですね。2%とか3%とかですよね。

そんで、これまで、貿易黒字が毎年10兆円位はお約束のようにあったわけですな。10兆円の黒字。ハイ。日本のGDP500兆円強ですな。の10兆円。2%程度にあたるわけですよ。

つまり、貿易収支がマイナスになったり、トントンで終わってもらうとGDPはものすごく下押しされて、同じようにやっていても0成長に終わってしまうってことですな。少子化やら政策のまずさで内需が全然の時に、海外も悪い。

財務省の9月速報値で見ると

冒頭、9月黒字といっても、ほんの数百億円。ほぼトントンと言った方が良いですね。隣の数字、前年9月は1兆6千億円も黒字があったわけですよ。これ、黒字が失われた分、そのままGDPを下押しするんですね。

何でこんなに悪くなったか。少し前のレポートですが、原油ですね。値上がりで支払いが増えた。海外への原油支払いの増加→その他の財、サービスへの支出低下→生産低下というルートでGDPが減ってゆくんでしょう。減った分は原油の輸出国、中東なんかに移転するわけですね。

さっきの財務省速報値をざっとご覧いただくと輸出入の数量、金額が出ているので確認いただけます。原油関係が1.5倍以上に跳ね上がっていて数量はほんの少ししか上がっていないことを見れば、確かに悪化は原油の値上がりのせいだとわかります。そもそも全体としてみると輸出は横ばいなのに、輸入が大幅に増えていて、増えた輸入の大きな部分が原油関連です。ざっくりな議論ですがね。

あと、気になったところでは、対中国で日本は輸入国になっていること。輸出超だとばかり思っていたんですがね。いつからですかな。

それと、テレビ、オートバイの輸出が激減していることですかね。テレビが3割、2輪が2割も落ちてますが、どうしたんでしょう。結構大変なことが起きていたりしませんかね。もともと金額が小さいんで全体への影響は限られているんですけどね。テレビって月に160億円しか輸出してませんかな。テレビ受像機って普通のテレビじゃないのかな。

今回は9月の数字だけしか見てませんが、もう少し詳しく分析するといろいろわかるはずですがね。鉄鋼の輸出が伸びているのは、中国なんでしょうな。いつまで伸び続けていられるか、も気になりますな。

まあ、足元原油を含めて資源、原材料関係は値段が下がってきているし、円高の影響(→輸入価格ダウン)もこれから反映してゆくとすれば、収支はもう少し改善するんでしょうが、ここしばらくの中国の異変はまだ反映していなさそうですね。自動車販売の落ちは、すでに輸出減となって反映をはじめているようなのですが、輸出ももっと落ちる可能性があります(先月までの細目を見ていないので、推測で書いてます。これまでを鳥瞰したレポートがあると良いんですがね。円高の輸出インパンクトもどの程度これから出てくるか・・・)。

いずれにせよ、数字がショッキングであることには変わりませんね。要注意です。







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