vol.215 政治とカネの問題は検察審査会の案件として不適切な問題でしょう

今民主党は分裂の危機に直面しています。管政権総辞職は時間の問題です。
その原因は本欄ＶＯＬ２０８(６月２３日）で述べた反小沢人事を貫いた事にありま
す。
管政権が国民受けを狙い、メディアを見方にクリーンな政治に固執したい為です。

原点にさかのぼれば検察が小沢、鳩山両氏の秘書を逮捕・起訴した事に始まります。
その後、野党もメディアも政治とカネの問題を今日まで追及し続けました。しかし、
鳩山代表、小沢幹事長の下で先の衆議院選挙を闘い勝利して国民の信任を得ました。

この時点で政治とカネの問題は一応決着がついたと私は考えていました。
鳩山政権が短命に終わったのは普天間問題の決着の仕方の拙さだと思います。
管政権の閣僚からは小沢さん排除の発言が今も続いています。

小沢さんの問題は西松建設からの企業献金問題です。
政権を担っていた多くの自民党議員も同所から献金を受けていました。
鳩山さんの問題も元法務大臣であった弟の邦夫氏も同じ立場にありました。

選挙管理内閣的使命を持った麻生政権はいかにして勝つかを考えて、
検察出身者を副官房長官に選んだと私は感じていました。そして彼はテレビの前で
「検察の捜査は自民党には及ばない」と明言していました。

以上はごく一部の例ですが、検察は正義の味方、絶対公平であるとは言えません。
ましてや政治とカネの問題は単純な案件ではなく、狙い撃ちの感もあります。
従ってこれを検察審査会の案件にするのは不適切だと考えます。

メディアの劣化もひどいものです。管政権の続投をどう思うかと問えば、
始まったばかりですから続けるべきだと国民は答えるでしょう。
小沢さんは総理に相応しいかと問えば、同様に相応しくないと答えるでしょう。

私たちが民主党に求めたものは何だったのか。
それは官僚に操られた無駄使いの多い自民党政治、即ち官僚主導の中央集権体制か
ら、
国民が主人公となる地方主権の社会へと、国の形を変えて欲しいと期待しての事で
しょう。

社会保険庁に代表される官僚の堕落は今日の日本社会の劣化を象徴しています。
検察が現在の官僚制度を維持しようとしているなら、私たちは物申さねばなりませ
ん。
今は革命を起こす時なのに検察に縛られて政治は動きを止められています。

管政権も元社保庁長官をスエーデン大使に任用しました。
クリーン以外は自民党政治に戻りつつあると感じていたのでとても驚きました。
財務大臣を経験すると皆官僚に取り込まれ、政治家の力不足が露呈します。

メディアも先の戦争に加担したように、人の失脚、事件の拡大を面白がっているよう
です。
自民党の浜田幸一氏をテレビに登場させ、小沢さんの悪口を言い続けさせたのも一例
です。
今は小沢さんをいじめることに夢中で、私には日本劣化の一段面に見えます。

渡部恒三議員の「逮捕・起訴を免れるために総理になる」発言も許されません。
佐藤栄作の事例を持ち出し、総理になって造船疑獄事件での逮捕を免れたと言いまし
た。
テレビ司会者の田勢さんが驚いて、小沢批判のその発言を繰り返して顔をゆがめまし
た。

私は人のやらない事ばかりやってきましたので、小沢さんの気持ちが分るような気が
します。
この２年近く、小沢さん批判で明け暮れている日本社会を嘆き敢えて一文を加えまし
た。
革命はしばしば多くの人に理解されず、大勢は批判的です。

vol.214 経済的健康を失った日本社会を憂う

健康野菜ヤーコンで健康産業に身を置いたのは１７年前の事でした。
体の健康、心の健康、経済的健康の３つが揃って初めて健康と言えます。
今日の社会は児童虐待、若者の就職難、派遣社員の増加、未婚者の増加、
自殺者の高止まり、高齢不明者問題などお金に困っての事件が蔓延しています。

かつて１億総中流社会と言われた豊かな時代の代償として、
地域社会の崩壊、家族の崩壊が起こりました。
そして今、多くの日本人が経済的健康を失ってしまったように見えます。
かつて私達が経験してきた昭和２０年代に似てきてはいないでしょうか。

今、年収２００万円以下の人が１０００万人を超え、平均は４００万円強だと言われ
ています。
銀行員の平均所得は６０３万円、上場企業も派遣社員を含めればそれ以下でしょう？
これに比べて国家公務員、地方公務員は２～２．５倍の所得を得ています。
だからこそ税金泥棒呼ばわりされ、公務員改革を求めているのだと理解しています。

戦時中、私は祖父と父、それに父の弟２人を失い、我が家は１代抜けてしまいまし
た。
結果として昭和２０年代は食べるのがやっとで、経済的にも追い込まれていました。
ただ多くの人が同じ苦しみの中にいたからこそ耐えに耐えて勤勉に働けました。
これに比べ現在は世界的にも恵まれているのに、格差大だと感じて皆不満なのです。

政権交代で革命を起こしてもらいたいと期待していましたが、今は裏切られた思いで
す。
政治と金の問題で政権運営に狂いをきたしている点は同情できます。
今は権力闘争している場合ではなく、挙党体制で閉塞社会を変えてもらいたい。
今後３年間は選挙がないので、地方主権まで道筋をつけてもらいたいものです。

vol.213 「国会の人たちは悪人に見える」

これは２年前の７月６日の朝日新聞に掲載された小学５年生の投書の題名です。
「国会議員をどう思いますか」との先生の質問に半数以上の生徒がそう答えたと言いま
す。
「君はニュースで政治のことを知っているか」との問いにも「うん」と答えたようです。
子供達は「政治家や国家公務員は税金を無駄使いする人」と考えています。

私は高橋書店の３年ビジネス日誌を３０年以上愛用しています。
お陰でその日の記録を留めながら、１年前、２年前の出来事を確かめる事にしていま
す。
小学５年生の思いは全国民の思いであり、だからこそ昨年政権交代が実現したので
しょう。
今も尚期待に応えておらず、それどころか増税路線に踏み込もうとしているかに見え
ます。

「テレビ時代に育った子供達は驚くほど物知りだ」と孫達を見ていて感心させられま
す。
小泉劇場で反対する人はバッサバッサと首を切り、国会内での乱闘も見慣れた風景で
す。
子供達は視覚的に物事を受け入れていており、深読みできるわけではないでしょう。
管総理の脱小沢、反小沢を徹底する意味や、その結末まで読めるはずはありません。

子供達が言う「政治家や国家公務員は税金を無駄使いする人」は今も変わりません。
超党派で「税金を無駄遣いする人を大幅に削減する」が先ずは喫緊の課題です。
「どのような筋書きで誰がやり遂げてくれるか」を私も注目しています。
「政治家は悪人に見える」と子供達から言われないよう結果を出してほしいと思いま
す。

vol.212 野菜や果物を狙うカラスの集団に脱帽お手上げです

我が家の畑はカラス２０～３０羽に常に狙われており被害は甚大です。
孫のためにと植えたトウモロコシ１００本の内、大半をカラスに食べられてしまいま
した。
皮を綺麗に剥がし、実は人間よりも綺麗に１粒たりとも残さず食べています。
畑を数羽が見張り、安全を確認して仲間を呼び寄せあっという間に食べつくします。

隣に植えたトマトは勿論の事、きゆうりまでも食べられてしまいました。
スイカやマクワウリは以前からカラスに狙われるので、作るのを諦めています。
きゆうりもマクワウリと同じように食べるようで、これは今年初めての経験です。
未成熟なものまで食べつくされるので、完全にお手上げと言った状態です。

毎年カラスの被害は杏、スモモに始まります。４本の杏の実も数十羽のカラスの
集団の前では食べ尽くすのに時間はさほどかかりません。
杏に続き、金柑、みず桃、ブルーベリー、イチジク、そして柿で締めくくりです。
やがて熟し始めるイチジクの木の下に、今年はラジオをかけてみようと考えていま
す。

カラスは頭のいい鳥です。上から飛んで来るだけでなく、歩いて入れる隙間を探しま
す。
先発隊は高所から人の不在を確かめて、多くの仲間に安全を知らせ呼び寄せます。
この点が他の鳥達とは違います。場所柄、猪などの四足動物はいませんが、
亜熱帯化する異常気象に加え、共存する生き物達との闘いもあり農家の苦難は耐えま
せん。

農産物を原料とする食品加工販売事業は農家との共存共栄で成り立ちます。
幸いヤーコンは、猪やカラスや害虫の被害がなく、比較的天候にも強い逞しい植物で
す。
何にも増して農家の方に喜んで栽培してもらえるのが、私には一番嬉しいことです。
私にとってヤーコンは石油と同じように大切な原料です。