vol.196 ヤーコン初味漬の初年度完売で元気を頂戴しました

2009年11月25日 | Weblog
「ヤーコン芋の形を残した保存性の高い商品を作りたい」とかねてから考えていまし
た。
即ち、ヤーコンのシャキシャキ感が味わえて、これぞヤーコンと言える製品を求めて
いました。
それが私にとっての自慢作「ヤーコン初味漬」でした。
本年3月に1トンあまり製造し、5月末から地元スーパーで販売を開始、
6ヶ月を経た11月末で完売できる見通しとなりました。それ故、感慨も一入です。

早速本年度収穫のヤーコンで初味漬を作り、欠品にならないようにと思っていまし
た。
しかし、地元農協加工場が沢庵漬で忙しく、1月に入らないと出来そうにありませ
ん。
1ヶ月余りの間、欠品となりますが仕方がないことだと諦めざるを得ません。
これまでの歴史の中で日本の農産加工は農協に頼らざるを得ない側面があります。
農産物が季節商品であり、個別に対応できる設備を持つことの難しさがあります。

ヤーコン初味漬は昨年春に試作し、11月の工業的試作で本格的に始まりました。
1年を経た今日でも商品は色が濃くなる以外、常温保存できる事が実証できました。
一方、冷蔵庫の中では見た目の変化(色調変化)も全くなく、品質は保持できます。
しかし当初から安全策をとり、今日でも賞味期限を半年にして販売しています。
ただ、包装ポリ袋の強度不足から調味液が漏れ、お店の方に迷惑をかけたこともあり
ました。

いま1つ、辛味を効かせた1品を商品として加えて欲しいとの要望が多々寄せられて
います。
そこで唐辛子や柚子胡椒などを加えて試食を私自身繰り返してきました。
その結果、現在の商品に七味を加えるだけでほぼ満足できる事が分りました。
これはご家庭でも簡単に出来ることで、新商品を出すかどうか少し迷っているところ
です。
2年目に入る来春からは、包装フィルムを一新して安全性を高め、
量も倍増して全国の皆様にお届け出来るようにしたいと考えています。

vol.195 見た目にも美しいヤーコン100%ジュースは不可能?

2009年11月11日 | Weblog
現在販売中の野菜毎日「ヤーコン100%ジュース」についての悩みは尽きません。
一番の悩みは、見た目にも美しくない褐色系の色調を呈している事です。
食品としては一番嫌われる色で、未完成品と言われても仕方がありません。

食品としての必要条件は、食欲を誘う見た目にも美しくて美味しく、
その上で健康増進に役立つものでありましょう。
腸を守る最高の商品だと言っても、見た目が悪く美味しくなければ始まりません。

ヤーコン100%ジュースはどうかと問えば、常識では商品として失格です。
その一方で、これを求めて下さる消費者の存在が現実にあります。

ヤーコンはとてもアクの強い褐変し易い根菜です。最後は黒くなります。
試行錯誤の結果、このアクを美しい緑色の形で安定化することに成功しました。
瓶詰めする段階では緑色で、100℃の加熱でも緑色を保持しています。

ところが土壌菌を除く為、121℃でのレトルト処理が絶対に必要です。
1分では不十分で10分以上の加熱を必要とします。この過程で褐色系に変わりま
す。
飲む過程でガラスコップに移せば、徐々に元の緑色に戻ります。

緑色色素はアミノ酸を含むポリフェノールで、これを食べない手はありません。
消費者に直接説明できれば分ってもらえますが、これは容易な事ではありません。
100%ジュースの商品力を如何にして上げられるかが私の重要な仕事です。

vol.194 沖縄とヤーコン

2009年11月05日 | Weblog
沖縄の方からヤーコンのことについて問い合わせを受けた事が度々ありました。
又、ヤーコンのポット苗や球根をお送りした事もあります。
沖縄を一度も訪れた事のない私が躊躇なく本土と同じ発想でお答えしてきました。

先月の事、ご縁があって初めて沖縄を訪れました。
「これまでお答えしてきた事が間違っていたのではないか」疑問に思う事がありま
す。
冬でも気温が10度以下にはならず、夏も想像したほどの高温ではないと聞きまし
た。

本土のように4月から5月の初めに植え、11月に収穫する事でよかったか?
冬のない沖縄。沖縄に適した植え時期があったのではないか?と考えました。
いずれにせよ今後沖縄にあった栽培法を調べる必要がありましょう。

初めての沖縄は予想以上に活気に富み、実感としては山口県以上でした。
国際通り等の商店街は人が多く、夜の街は広範囲に明々と繁盛していました。
人口は軍関係者を入れると山口県とほぼ同じですが、面積は5分の1です。
人口密度が高い故か道路は隅々まで整備され、家も殆どが鉄筋コンクリートです。
エメラルドグリーンの海に囲まれた美しい島である事は言うまでもありません。

お世話になったキノー食品開発の前原社長のお話では、
沖縄の方言で「いちゃりばちょうでー」という言葉があるそうです。
「一度会ったら心を許して兄弟になろう」との意味のようで(一会皆兄弟)、
沖縄の県民性を表した、とても素敵な言葉であると感激しました。

「ヤーコンを通して沖縄の方々と親しく交流できる」。これ以上の喜びはありませ
ん。