この映画・本、よかったす-旅行記も!

最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

『表裏井上ひさし協奏曲』-2010年に無くなった井上ひさしの元妻が書いた壮絶な夫婦生活の裏表

2012-11-19 22:43:52 | 最近読んだ本・感想
                              『表裏井上ひさし協奏曲』 西舘好子著 牧野出版 2011年刊


 我が家に、井上ひさしの本は多数ある。私は熱心な読者ではないが、『ひょっこりひょうたん島』以来の長い《つきあい》である(面識も全くない、こちらからの一方的なつきあいであるが)。
 また私自身、週間誌等の《ゴシップ記事》には全く無頓着であるから、離婚時の騒動など知る由もない。米原万里の妹・ユリさん(日本共産党の米原昶の娘)と再婚したということは何かで見て、そんなものかと思ったくらいの記憶しか残っていない。

 本の内容は壮絶である。文章も上手であるから、読み始めたら一気に読んでしまった。 


 しかし、父親の死の場面に、実の娘が望めないというのも《異常》だし、葬式にも参列できないなんて、考えられない。

 好子さんに対する《暴力》も無視できない。はじめは、本書が《死後》の出版だし、《死人に口無し》で、多少の誇張や《無いこと》も《あった様》に書いていると思ったが、周囲の《証言》によると、そうでもないようだ。
 出版社もあまりなじみのないところだったので、そう思ったのだが、どうも大手出版社の《事情》があったようである。自分のところで大御所の本を出版している手前、真っ向からそれに対立する様な内容の本は出せないということだろう。


 ここに書かれている西舘好子さんの《娘の母親》としての言動は当然と思えし、他の様子も大きな違いは無いように思える。しかし、『米の問題』で日本の農業を憂い、『九条の会』では積極的に平和のために活動した『井上ひさし』とは、どうしてもイメージが重ならない。
 どういう《人格》が『父と暮らせば』という戯曲を書かせるか理解できない。


 この本からではなく別の記事によれば、ユリ夫人とは『仲睦ましく』過ごしていた様だし、夫人自身の言葉で「口論や争いをしたことは無い」というから、年齢を重ねるうちの《成長と進化》と考えるべきであろうか。

 離婚して以後の行動はそれ以前に増して社会性をおびた活動が目立つようになっているし、それまでの《荒れた生活》とは一線を引けるようにも思えるから、《環境》や《時の推移》によって、《それまでの人格も変わって、それに伴い言動も変化した》と考えるのが自然なのだろか。


 それとも、《人格とその創造物とは無関係》と解すべきだろうか。






   『井上ひさしの略歴』(Wikipedia)のページへジャンプ







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