前作で、中国人の間に大北海道ブームを巻き起こした「非誠勿擾」の続編、「非誠勿擾Ⅱ」を見た。中国では12月封切だったようだ。残念ながら北海道ロケはもうない。もっぱら南の島でのロケのようだ。
柳の下のドジョウを狙うのは香港映画の常だが、馮小剛監督は第2作でかなり趣を変えた。ここからはネタバレ注意だが、「Ⅰ」では、ユーモアを交えて北海道や結婚がいいなあ、と思わせる、前向きな気持ちになるストーリー、いわゆる「ハートウオーミングロードムービー」だったが、「Ⅱ」では結婚の意味とか、老後とか、命の重さとはかなさなどを描き、見終わった後はちょっと重い気持ちになる。結婚についてのさまざまな考えを、ⅠとⅡで長いスパンをもっと表現したのだろう。
ただ、離婚式の大げささや、聖書の代わりに札束に手を置き離婚への誓いをさせるやり方などなど、向銭看(お金至上主義)を揶揄される中国を皮肉っているのか、中国人が見るとまじめな感じなのか、ちょっと複雑、かつ嫌らしい感じだ。
主人公の葛優が居を構える南国の別荘のような場所は、成金になった中国人の憧れなのだろうか。上の写真のようにつり橋であちこちを行ったり来たりするような。北京や上海など冬、結構寒いところに住む金持ちの中国人にとっては常夏の場所はうらやましいのだろうなあ。これも脚色過多のような感じはするが、そもそもそういうトーンの映画だから。
それから、今回もあちこちにスポンサーとの提携があって、さりげなく商品を映し出している。「Ⅰ」に比べるとインパクトは少なかったなあ。「非誠」大ファンなら見ても笑えるかもしれないが、パワー不足は否めないかも。