lizardbrain

だらだらぼちぼち

ハーモニカ注意報な夜をまって(3)

2007年06月03日 22時57分41秒 | 音楽

『今日も井上様子』という、すばらしいサイトにたどり着けたお陰で、もう一つの疑問もすんなり解決した。
ここには、各会場での陽水ライヴレポの末尾に、バックアップミュージシャンの名前も記されているからだ。

キーボード奏者の名前は、「フジマ・ヨシキ」ではなくて、「小島良喜」だった。
「フジマ」と「コジマ」、、、、、、、要するに、ワタクシの聞き間違いだったわけだが、どうして「コジマ」を「フジマ」と聞き間違えたのかについては、心当たりがある。
実は、この日のライヴに出かける直前に、時間を持て余してしまい、ついうっかりと、久々に『藤岡藤巻オフィシャルHP』の扉をクリックしてしまったからだ。
藤岡藤巻の構成メンバーである二人のオジサンの姓に共通する、「藤」という文字が、ワタクシに呪いをかけたのに違いない。
きっと。(藤岡藤巻との馴れ初めについては、こちらを参照されたい。)
どなたか、ワタクシを藤岡藤巻の呪縛から開放していただきたい。

ここでバックミュージシャン達にも触れておくと、
アコースティックセットの1曲目からず~っとバッキングしていたギタリストが、今堀恒雄
ワインレッドの心』でのガットギターの美しい爪弾きを聴くと、この人の技量の高度さがよ~くわかった。

ゆったりとしたお腹の上にギターを乗せるかのようにして弾いていた、ロン毛で年かさのもう一人のギタリスト今剛は、元PANTA&HALパラシュートというバンドのメンバー。
陽水以外の活動でわかりやすい例としては、寺尾聡の『ルビーの指輪』のバックでも演奏していたので、当時のヒットパレード番組を観た方ならば、目にし、あるいは耳にした事があるかも知れない。

ベースの美久月千晴は、売れっ子のスタジオミュージシャン。
なるほど、これまでにも陽水のアルバムに参加してきた。
一度聞けば忘れられないようなインパクトがある変わった名前なので、間違いない。
ストラップを長めに伸ばして、最近のロック系のベーシストがよくやるように、低い位置でベースを弾いている。
こんなに低くベースを構えると、弾きにくいのではないかと思うのだが、そこはプロである、何の心配も無く左手がフィンガーボード上を自在に動いている。
会場のセットリストから欠落していた、『11:36 LOVE TRAIN』では、ベースソロをやっているらしい左手の動きが見られたが、その時の音響が最悪だったために、実際のソロプレイを耳にする事は出来なかったのが悔しい。

ドラムスの山木秀夫は、ジャズ・フュージョン・シーンでも活躍する。
震災前の西宮北口にあったコーナーポケットというジャズ喫茶の壁に、この人のサインがあった事を、何故か記憶している。
ずいぶんとキャリアの長いベテランのはずだが、とてもマッチョで若々しい。


当日の陽水のMCを思い出しながら、後半の曲目を振り返ってみる。

11:36 LOVE TRAIN』の時には、バンドの音に埋もれて一時的に聞き辛くなっていたヴォーカルも、PAオペレーターが音響設定の復旧作業を成功させたのだろう、少し聴き易くなった。

今堀恒雄の美しいガットギターのイントロに導かれた『ワインレッドの心

アルバムでは、どこか明治チョコレートのCMソングに似た雰囲気のアレンジだった『リバーサイドホテル』だが、ちょっと違うバンドアレンジになっていた。
大阪市桜ノ宮に同じ名前のホテルが実在するが、まさか、この曲との関連性はないだろうなぁ?

5月の別れ』は、なじみのない曲で。
このあたりで、ここ最近のワタクシの陽水熱の希薄さが露呈してしまったか、、、、、?

オリジナル盤では、深町純のシンセが活躍していた、『感謝知らずの女
オープニングの『東へ西へ』をはじめとした、あの頃の古い曲をいまだに演奏し続けてくれている事に、あらためて感激。

海へ来なさい』を子供が生まれた時に作ったと言っていたが、その子供が大きくなって職業選択の場面に遭遇した時にアドバイスを求められてとのMC、、、、、?
一体何の事?
あ、そうかそうか、確か陽水の娘(でしょ?)が作詞して話題になった曲があったはず。
それが『長い猫』という曲。
父親譲りのシュールなタイトル。

そして、『氷の世界』。
ここで、またもや事件が発生した。
ハーモニカを手に、おなじみの例のフレーズを吹き始めた陽水。
エンディングでも、ハーモニカの熱演で締めて、演奏が終わったと思ったら、それまで吹いていたハーモニカを客席に投げ込んできた
生涯初めての陽水ライヴに参加したワタクシには、一体何事が起こったのかが瞬時には把握できなかった。
陽水が投げ込んだハーモニカは、ほぼワタクシが座っている方向に向かって飛んでくる、、、、、、
最初の軌道では、ワタクシの頭を超えてもっと後方に到達すると思われたのだが、陽水はナックルボールの達人なのであろう、急激に球速(?)を落としてワタクシの左前方に落下してきた。
結局、ワタクシの前列の男性がナイスキャッチして、両手を挙げて大げさなガッツポーズを取る事になったのだが、前列の客の頭を押さえつけながら精一杯手足を伸ばしてすばやく動けば、ワタクシにもキャッチできない距離ではなかったのだ。
後学によると、どうやら、このハーモニカ投げ込みパフォーマンスは、陽水ライヴの恒例となっているらしい。
しかし、マジで惜しい事をしたもんだ、、、、、、、

あまりにも悔しいので、このパフォーマンスの裏側を推理してみる。

推理その1
決して単価の高い楽器ではないが、お気に入りのハーモニカを、そうやすやすと他人にくれてやるわけがない。
実は、陽水は、2つのハーモニカを持って演奏していたのだ。
吹いていない方はどうでもいい安物のハーモニカで、演奏中にはそれを手のひらの中に隠していたのだ。
そして、曲が終わった瞬間に、それまで吹いていた愛器と隠し持っていた安物のハーモニカをすばやく摩り替えて投げ込んだのだ。
客席に投げ込んだハーモニカは、ハーモニカの形をしているがハーモニカでもなんでもないダミーかも知れない。
ワタクシが落下地点を読み間違えたという事実が、投げ込んだハーモニカがニセモノだった事を科学的に証明している。

推理その2
いやいや、莫大な印税収入を得ている陽水が、そんな小細工をするわけがない。
正真正銘の本物のハーモニカである。

冷静に大人の立場に立って考えるに、推理2が正解だろうとは思われるが、この日だけ推理1の行動に出た可能性を全否定する事は避けたい。
人間、慣れというのは恐ろしいもので、
次回の当地への上陸時には、ハーモニカを投げ込まれても誰も喜ばないかも知れない。
いっその事、ストラトを投げ込んでみてはいかがだろうか?
もしも、ストラトが投げ込まれようものならば、流血をも辞さずにキャッチしてみせるぞ

その後、ほとんど何の説明もないまま『最後のニュース』へ。
ここまで2時間近く、休憩なしでブッ通しのステージ進行を考えると、この曲を聴きながら、
「最後のニュースというからには、これが今夜の最後の曲かも知れない。」
との予想通り、とりあえず、この曲がラストチューン。
曲が終わり、今度は、それまで使っていたピックを客席に投げ込みながら、いったん退場。
さすがに、ピックのようにサイズも質量も小さいシロモノは最前列にまでしか届かない。
どちらかというと、ハーモニカよりもピックの方をゲットしたかった、、、、、

ステージ上のミュージシャンの退場とともに、客席の後方入り口から、黒っぽいTシャツを着たアルバイトらしき若者達がぞろぞろと客席に入ってきた。
黒Tシャツの一団は、ステージ前とステージに続く通路上にポジションを取り、警備体制を敷き始めた。
アンコールの熱狂に備えていたのだろうが、ワタクシに代表されるように、当地の住人は純朴であるので、ハメを外して暴れたりはしない。
ちょっと過剰な警備体制ではないか? との疑問を胸に、アンコールの拍手に参加する

拍手すれどもすれども、なかなか陽水は再登場してこない。
これが女性アーティストならば、お色直しや化粧のチェックなどに時間を費やす事もあるだろうに、この日に登場したミュージシャンは陽水を含めて全て男ばかり。
随分と長く待たされて、ようやく再登場した陽水は、それまでのピンクのシャツから真っ赤っかのTシャツに着替えている。(ボトムまで着替えていたのかどうかの記憶はない)
その真っ赤っかのTシャツを見て驚いたのかどうか、客席のあちこちから一斉に
「ほぉ~~ぅぉお~!」
といったどよめきがあがったのは、どうしてだったのだろう?
陽水だって、真っ赤っかのTシャツを着てみたい時もあるのだ。

アンコールは、詞をパフィーに提供したヒット曲、『アジアの純真 』に続いて『渚にまつわるエトセトラ』。
なるほど、このあたりの曲ならば、幅広い年齢層に知られているはずだ。
渚にまつわるエトセトラ』のサビのパートで、誰かが合いの手のような掛け声を出している。
ステージ上を見回してみるが、掛け声を出しているのは、もちろん陽水ではない。
陽水の他に、ギターもベースもキーボードも、誰も歌っていないのに?
と思ったが、
あっ
いたいた、
ワタクシの視点からはシンバルに顔が隠れてしまっているが、ドラムの山木秀夫の顔の前にもヴォーカルマイクがあり、ドラムを叩きながら何やら合いの手のような掛け声をかけているのを見つけて、ワタクシ一人で大ウケしていた。

が、この2曲でアンコールが終わるとは思ってはいない。
ここまでに消化していない陽水必須アイテムの2曲が、まだ残っているからだ。

との予想通りに、まずは『夢の中へ』で場内を大熱狂に陥れる
高域にレンジが広い曲が多い陽水のオリジナル曲だが、この曲の裏声あたりがワタクシに歌える限界。
だが、負けずに大声で一緒に歌ってしまった。
(おかげで、次の日、喉がヒリヒリと痛かった痛かった、、、、、、、)

前半のアコースティックセットで、リクエストに答えて『傘がない』を弾き語りで歌ったが、もしもこの時のリクエストで『夢の中へ』を要請していたらば、アンコールのメニューを変更してでも、前半で弾き語りしてもらえたのだろうか?

熱狂の後に残る必須アイテムは、当然、『少年時代』でクールダウン。

こうして、休憩無しで2時間半近くに及んだ陽水の初ステージは、ホカホカした熱狂のうちに幕を降ろしたのだが、まだまだ言い足りない事が次から次へとたくさん出てきたので、この陽水ライヴ関連のエントリーはもう少し続く事になる


2 コメント

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Unknown (とんこりん)
2007-06-08 19:10:12
はじめまして陽水さんのコンサートのレポートありがとうございました。私の今年の生陽水さんは終わってしまったのでいろいろな方のコンサートの様子のブログを見させていただいています。これからも陽水さんのことはいろいろ書くと思うのでよかったら私のところに見に来てください。素敵なブログだったのでトラックバックしようとしたらできなかったんです・・・
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Unknown (ぼち×2)
2007-06-08 21:51:59
北海道の方なんでしょうか、ワタクシなんぞよりもうんと熱心な陽水ファンのようですね。ご丁寧にありがとうございます。トラックバックできなかったという事ですが、トラバ拒否の設定はしておりませんので、どういう理由でトラバできなかったのかは、申し訳ありませんが、判りかねます。のちほど、お邪魔させていただきます
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