女性閣僚の辞任について―本当に女性活用なのか?―
2014年10月20日,第二次安倍内閣の看板ともいえる女性5閣僚のうち,小渕優子経済産業相と,松島みどり
法務相の2閣僚が,就任1か月半で同日に辞任をしました。
とりわけ,小渕氏に関しては,将来の初の女性総理とまで,持ち上げられてきた目玉人事であり看板閣僚でした。
したがって,彼女の辞任は,任命権者の安倍首相の人事における大きな失敗であり,9月の内閣改造で政権浮揚を狙っていた
首相の思惑が外れたことを意味しています。
今回の一連の問題に関してはすでに多くの報道があるので,ここではまず,経緯だけを整理しておきます。
最初に問題となったのは,10月7日に国会で追及されたた松島みどり氏の「うちわ」問題でした。以来,松島氏は最後まで
「違法性はない」と主張し,続投にこだわっていました。
しかし自民党関係者が「辞めなさい」と強く諭すなど、先に外堀を埋められたのは松島氏の方だったようです。
そこへ急浮上したのが『週刊新潮』(2014年10月23日号,16日発売)で発覚した小渕氏の政治資金問題でした。
この間の生々しいやり取りを『朝日新聞』は次のように伝えています。
「自分から辞職するお気持ちはありませんか。総理から聞いて欲しいと頼まれました」
首相官邸は当初、松島の辞任までは想定せず、首相の安倍晋三は「『うちわ』で辞めさせていいのか」と考えていた。
だが、小渕の辞任が既定路線になると状況は一変した。勢いづいた野党の矛先が松島に向くと予想され、
国会運営や内閣支持率への影響が必至だったからだ。
18日に安倍が外遊から帰国すると、菅と首相秘書官の今井尚哉は「小渕さんと松島さんの一緒の辞任がいい」と進言。
安倍も腹を決め、事態は急展開した。(注1)
首相官邸は自民、公明両党幹部に、「松島さんは辞めさせます」と時機を見て松島氏を,事実上、更迭する方針を秘密裏に連絡しています。
野党から追及された松島氏の「うちわ」配布問題では、自民党内に同情論もあったようですが,松島氏は民主党から刑事告訴をされており,
さらに別の問題もあったようです。
9月の入閣以降、松島氏の言動は法務省幹部らとの軋轢を招いており、政府内では「刑事告発された法相が今後の国会でどう答弁すれば
いいのか」(同省関係者)と悲鳴も漏れていたといいます。
一方,小渕氏に関して首相周辺は当初、「清廉なイメージの小渕氏が『単純ミスだった』と丁寧に説明すれば、乗り切れるのではないか」
「政治家・小渕優子を殺してはいけない」と訴え、自民党幹部も小渕氏を擁護する姿勢を見せていました。
事態が変わるのは、小渕氏側の調査が進むにつれ、多額の不明朗な会計処理が深刻なことが判明したからでした。10月17~18日の
週末にかけて「辞任しかない」(閣僚経験者)との共通認識が、政府・与党内で支配的になりました。『毎日新聞』
(2014年10月21日 東京朝刊)
17日に小渕氏が菅官房長官と会った時には,すでに小渕との間で辞任の方向が決まったようです。
安倍首相は、第1次政権時代に、日を置いて閣僚が辞める「辞任ドミノ」が支持率の低下を招いた苦い経験をもっています。
小渕氏と松島氏が時間をおいて続けざまに辞任すればその悪夢が再現されかねない,との強い危惧がありました。
こうして,官邸は週末のうちに「ドミノ」ではなく、一気に決着を図る「同時辞任」を選択していたのです。
(『毎日新聞』2014年10月21日)
あるコメンテーターは,今回の辞任劇を官邸主導の「管理された辞任」と評していますが,全く官邸主導の辞任劇です。
ところで,今回辞任した2人を含めて,5人の女性閣僚を任命したことに関して,自民党内からも疑問の声が上がっていました。
伊吹文明衆議院議長は,自身のフェイスブックで,
単に女性だから、能力の有無にかかわらずポストに就けるというパフォーマンスだけは避けなければならなりません。
これは女性に対する逆差別であり, ポストに就いた女性が結果的に苦しむだけではないでしょうか。
と苦言を呈しています。(注2)
小渕氏が担当する経産省は原発の再稼働に責任を負っていますが,これまで原発について専門知識をもっているわけでなはいし,
また勉強してきたわけではありません。
就任後の記者会見でも,原発を動かさないと石油・天然ガスの輸入増えるから原発を動かすべきだ,という官僚の作文を
読み上げただけでした。
しかし小渕氏は,個人的には原発に危機感も抱いていたようです。9月25日に福島県を訪れたとき,福島第二原発1~4号機
の再稼働は困難との認識を示しました。
さらに10月8日の参院予算委員会では,事故が起こった時の対応を含めると原発は割高になる,と発言しています。
小渕氏は「原子力村」にとって,はなはだ迷惑な存在と映っていたのです。(孫崎 享「日本外交と政治の正体」
『日刊ゲンダイ』2014年10月25日)
他方,松島法務相は経済学部の出身で法律について詳しいわけではありません。特定秘密穂保護法案も担当する法務相に
彼女を選んだ安倍首相の意図が不明です。
こうした,いわば素人の女性議員を閣僚に抜擢する背後には,官邸側に,どうせ実際の政治は男性の政治家が取り
仕切るのだから,との思惑があったように思えます。
評論家の荻原博子氏は「一見,女性に優しい男ほど陰で何を考えているかわかりません。安倍首相も基本は『女は家庭
を守り,男は外で働く』という考え方の持ち主に見える。
その本質を隠すために女性の活用を言いだしたのでしょう」と見透かされています。『日刊ゲンダイ』(2014年10月22日)
安倍首相が鳴り物入りで登用した女性閣僚ですが,世間の風当たりが強いとみると,保身のため,あっさりと更迭して
しまいました。
こうしてみてみると,安倍首相は女性閣僚を,女性の活用というより,集団的自衛権などの問題で失った女性の支持を
挽回するための,政権宣伝のために利用しようとしたと言えそうです。
さて,以上の経過を念頭に置いて,本題の松島氏と小渕氏の問題も整理しておきましょう。
松島氏は,国会に対して,2012-14年にうちわを計2万1980本製作し,174万円支払ったと報告しています。
もっとも松島氏は,「うちわの形はしている」が「うちわ」ではなく「討議資料」で,しかもイベントの後捨てられる
もので経済価値はない,と主張しています。
しかし,あれはどう見ても,「うちわ」以外考えられません。しかも,うちわには「働かせてください もう一度」
と投票を依頼しており,これが「討議資料」とはとうてい言えません。(『日刊ゲンダイ』(2014年10月22日)
「うちわ」は一つ当たり80円の少額のものだから,違法性はない,という意見もあるようですが,何しろ枚数が二万枚を超えて
おり,違法性がないとは言えないでしょう。
いずれにしても,東大の経済学部まで出た松島氏が「うちわの形はしている」が「うちわ」ではない,というばかばかしい
言い訳をする姿は,見ていて見苦しく痛々しい限りです。
国会議員なのですからもう少しプライドを持ってほしいと思います。
次に,小渕氏の問題ですが,ここに自民党の古い体質が見事に出ています。
指摘を受けた小渕氏が調査したところ,例年約2000人が観劇会に参加し,政治資金収支報告書に「(年に)約2400万円の
収入が計上されていなければならない」のに,2010年,11年とも約370万円しか計上されていません。
さらに,2012年にいたっては,記載そのものがありません。観劇会は2009年以前にも2013年以降も模様されていますが,
それについての説明がありません。
差額を補てんしていたとしたら公職選挙法違反だし,記載漏れなら政治資金規正法違反になります。いずれの場合も,
差額がどこから出て何に使われたかが不明で,これが疑惑の本質です。
このほか,資金管理団体がベビー用品や地元の名産「下仁田ネギ」の購入問題では,「県外の支援者らへの贈答品。
政治活動の経費として認められる。会社や団体が関係者に経費で社交辞令するのと同じ」と正当性を主張しました。
しかし,会社というビジネス界の行為と,国民の税金で活動する国会議員の行為とを一緒にしている小渕氏は,
国会議員というものの本質が分かっていません。
実姉がデザインした服飾品の購入に関しても「公私の区別はしっかりつけている」と釈明していましたが,実姉から
服飾品を購入した時点ですでに公私の区別がついていないことに気づいていません。
さらに深刻なのは,小渕氏の写真のラベルが貼ってあるワインのボトルを送ったことに関して,選挙区の人ではない
と答えていたのに,選挙区の住民がこのワインボトル2本をもらったことを証言しています。
もし,これが事実なら,小渕氏の弁明は嘘ということになり,連座制の原則から小渕氏は公民権停止で,現在の
議員資格だけでなく,これから5年間の立候補もできなくなります。
自民党議員の間では,観劇会や野球観戦のようなイベントは,業者を通して実施することが普通なのに,小渕氏は
後援会が直接行っていたために,今回のような問題が起きたようです。
しかし,いまだに,このような票田固め,選挙対策が「政治活動」として一般化しているところに,小渕氏も
自民党も古い体質を引きずっていることを示しています。
国会は立法府であり,国会議員の本来の政治活動は法律を作ること,立法活動であり,そのために高額の報酬と
活動費が税金から支払われているのです。
観劇や野球観戦が,どんな点で立法活動と関係しているのでしょうか。私の知る限り,先進国の中で,国会議員が
このように選挙民を接待することは日本の自民党を除いて考えられません。
小渕氏は,親の地盤・カンバン・カバンを引き継いだ二世議員で,全て周りがお膳立てしてくれる「お嬢様」
という印象です。
このような時,地元の秘書である折田中之条町長が全ての罪を一身に引き受けるパターンも自民党のお家芸で,
またか,という思いです。
現状を見る限り,彼女が日本初の首相という評価はどこから出てくるのか私には理解できません。
(注1)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11425209.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11425209
(注2)https://www.facebook.com/pages/%E4%BC%8A%E5%90%B9-%E6%96%87%E6%98%8E/306388919504640?fref=photo
2014年10月20日,第二次安倍内閣の看板ともいえる女性5閣僚のうち,小渕優子経済産業相と,松島みどり
法務相の2閣僚が,就任1か月半で同日に辞任をしました。
とりわけ,小渕氏に関しては,将来の初の女性総理とまで,持ち上げられてきた目玉人事であり看板閣僚でした。
したがって,彼女の辞任は,任命権者の安倍首相の人事における大きな失敗であり,9月の内閣改造で政権浮揚を狙っていた
首相の思惑が外れたことを意味しています。
今回の一連の問題に関してはすでに多くの報道があるので,ここではまず,経緯だけを整理しておきます。
最初に問題となったのは,10月7日に国会で追及されたた松島みどり氏の「うちわ」問題でした。以来,松島氏は最後まで
「違法性はない」と主張し,続投にこだわっていました。
しかし自民党関係者が「辞めなさい」と強く諭すなど、先に外堀を埋められたのは松島氏の方だったようです。
そこへ急浮上したのが『週刊新潮』(2014年10月23日号,16日発売)で発覚した小渕氏の政治資金問題でした。
この間の生々しいやり取りを『朝日新聞』は次のように伝えています。
「自分から辞職するお気持ちはありませんか。総理から聞いて欲しいと頼まれました」
首相官邸は当初、松島の辞任までは想定せず、首相の安倍晋三は「『うちわ』で辞めさせていいのか」と考えていた。
だが、小渕の辞任が既定路線になると状況は一変した。勢いづいた野党の矛先が松島に向くと予想され、
国会運営や内閣支持率への影響が必至だったからだ。
18日に安倍が外遊から帰国すると、菅と首相秘書官の今井尚哉は「小渕さんと松島さんの一緒の辞任がいい」と進言。
安倍も腹を決め、事態は急展開した。(注1)
首相官邸は自民、公明両党幹部に、「松島さんは辞めさせます」と時機を見て松島氏を,事実上、更迭する方針を秘密裏に連絡しています。
野党から追及された松島氏の「うちわ」配布問題では、自民党内に同情論もあったようですが,松島氏は民主党から刑事告訴をされており,
さらに別の問題もあったようです。
9月の入閣以降、松島氏の言動は法務省幹部らとの軋轢を招いており、政府内では「刑事告発された法相が今後の国会でどう答弁すれば
いいのか」(同省関係者)と悲鳴も漏れていたといいます。
一方,小渕氏に関して首相周辺は当初、「清廉なイメージの小渕氏が『単純ミスだった』と丁寧に説明すれば、乗り切れるのではないか」
「政治家・小渕優子を殺してはいけない」と訴え、自民党幹部も小渕氏を擁護する姿勢を見せていました。
事態が変わるのは、小渕氏側の調査が進むにつれ、多額の不明朗な会計処理が深刻なことが判明したからでした。10月17~18日の
週末にかけて「辞任しかない」(閣僚経験者)との共通認識が、政府・与党内で支配的になりました。『毎日新聞』
(2014年10月21日 東京朝刊)
17日に小渕氏が菅官房長官と会った時には,すでに小渕との間で辞任の方向が決まったようです。
安倍首相は、第1次政権時代に、日を置いて閣僚が辞める「辞任ドミノ」が支持率の低下を招いた苦い経験をもっています。
小渕氏と松島氏が時間をおいて続けざまに辞任すればその悪夢が再現されかねない,との強い危惧がありました。
こうして,官邸は週末のうちに「ドミノ」ではなく、一気に決着を図る「同時辞任」を選択していたのです。
(『毎日新聞』2014年10月21日)
あるコメンテーターは,今回の辞任劇を官邸主導の「管理された辞任」と評していますが,全く官邸主導の辞任劇です。
ところで,今回辞任した2人を含めて,5人の女性閣僚を任命したことに関して,自民党内からも疑問の声が上がっていました。
伊吹文明衆議院議長は,自身のフェイスブックで,
単に女性だから、能力の有無にかかわらずポストに就けるというパフォーマンスだけは避けなければならなりません。
これは女性に対する逆差別であり, ポストに就いた女性が結果的に苦しむだけではないでしょうか。
と苦言を呈しています。(注2)
小渕氏が担当する経産省は原発の再稼働に責任を負っていますが,これまで原発について専門知識をもっているわけでなはいし,
また勉強してきたわけではありません。
就任後の記者会見でも,原発を動かさないと石油・天然ガスの輸入増えるから原発を動かすべきだ,という官僚の作文を
読み上げただけでした。
しかし小渕氏は,個人的には原発に危機感も抱いていたようです。9月25日に福島県を訪れたとき,福島第二原発1~4号機
の再稼働は困難との認識を示しました。
さらに10月8日の参院予算委員会では,事故が起こった時の対応を含めると原発は割高になる,と発言しています。
小渕氏は「原子力村」にとって,はなはだ迷惑な存在と映っていたのです。(孫崎 享「日本外交と政治の正体」
『日刊ゲンダイ』2014年10月25日)
他方,松島法務相は経済学部の出身で法律について詳しいわけではありません。特定秘密穂保護法案も担当する法務相に
彼女を選んだ安倍首相の意図が不明です。
こうした,いわば素人の女性議員を閣僚に抜擢する背後には,官邸側に,どうせ実際の政治は男性の政治家が取り
仕切るのだから,との思惑があったように思えます。
評論家の荻原博子氏は「一見,女性に優しい男ほど陰で何を考えているかわかりません。安倍首相も基本は『女は家庭
を守り,男は外で働く』という考え方の持ち主に見える。
その本質を隠すために女性の活用を言いだしたのでしょう」と見透かされています。『日刊ゲンダイ』(2014年10月22日)
安倍首相が鳴り物入りで登用した女性閣僚ですが,世間の風当たりが強いとみると,保身のため,あっさりと更迭して
しまいました。
こうしてみてみると,安倍首相は女性閣僚を,女性の活用というより,集団的自衛権などの問題で失った女性の支持を
挽回するための,政権宣伝のために利用しようとしたと言えそうです。
さて,以上の経過を念頭に置いて,本題の松島氏と小渕氏の問題も整理しておきましょう。
松島氏は,国会に対して,2012-14年にうちわを計2万1980本製作し,174万円支払ったと報告しています。
もっとも松島氏は,「うちわの形はしている」が「うちわ」ではなく「討議資料」で,しかもイベントの後捨てられる
もので経済価値はない,と主張しています。
しかし,あれはどう見ても,「うちわ」以外考えられません。しかも,うちわには「働かせてください もう一度」
と投票を依頼しており,これが「討議資料」とはとうてい言えません。(『日刊ゲンダイ』(2014年10月22日)
「うちわ」は一つ当たり80円の少額のものだから,違法性はない,という意見もあるようですが,何しろ枚数が二万枚を超えて
おり,違法性がないとは言えないでしょう。
いずれにしても,東大の経済学部まで出た松島氏が「うちわの形はしている」が「うちわ」ではない,というばかばかしい
言い訳をする姿は,見ていて見苦しく痛々しい限りです。
国会議員なのですからもう少しプライドを持ってほしいと思います。
次に,小渕氏の問題ですが,ここに自民党の古い体質が見事に出ています。
指摘を受けた小渕氏が調査したところ,例年約2000人が観劇会に参加し,政治資金収支報告書に「(年に)約2400万円の
収入が計上されていなければならない」のに,2010年,11年とも約370万円しか計上されていません。
さらに,2012年にいたっては,記載そのものがありません。観劇会は2009年以前にも2013年以降も模様されていますが,
それについての説明がありません。
差額を補てんしていたとしたら公職選挙法違反だし,記載漏れなら政治資金規正法違反になります。いずれの場合も,
差額がどこから出て何に使われたかが不明で,これが疑惑の本質です。
このほか,資金管理団体がベビー用品や地元の名産「下仁田ネギ」の購入問題では,「県外の支援者らへの贈答品。
政治活動の経費として認められる。会社や団体が関係者に経費で社交辞令するのと同じ」と正当性を主張しました。
しかし,会社というビジネス界の行為と,国民の税金で活動する国会議員の行為とを一緒にしている小渕氏は,
国会議員というものの本質が分かっていません。
実姉がデザインした服飾品の購入に関しても「公私の区別はしっかりつけている」と釈明していましたが,実姉から
服飾品を購入した時点ですでに公私の区別がついていないことに気づいていません。
さらに深刻なのは,小渕氏の写真のラベルが貼ってあるワインのボトルを送ったことに関して,選挙区の人ではない
と答えていたのに,選挙区の住民がこのワインボトル2本をもらったことを証言しています。
もし,これが事実なら,小渕氏の弁明は嘘ということになり,連座制の原則から小渕氏は公民権停止で,現在の
議員資格だけでなく,これから5年間の立候補もできなくなります。
自民党議員の間では,観劇会や野球観戦のようなイベントは,業者を通して実施することが普通なのに,小渕氏は
後援会が直接行っていたために,今回のような問題が起きたようです。
しかし,いまだに,このような票田固め,選挙対策が「政治活動」として一般化しているところに,小渕氏も
自民党も古い体質を引きずっていることを示しています。
国会は立法府であり,国会議員の本来の政治活動は法律を作ること,立法活動であり,そのために高額の報酬と
活動費が税金から支払われているのです。
観劇や野球観戦が,どんな点で立法活動と関係しているのでしょうか。私の知る限り,先進国の中で,国会議員が
このように選挙民を接待することは日本の自民党を除いて考えられません。
小渕氏は,親の地盤・カンバン・カバンを引き継いだ二世議員で,全て周りがお膳立てしてくれる「お嬢様」
という印象です。
このような時,地元の秘書である折田中之条町長が全ての罪を一身に引き受けるパターンも自民党のお家芸で,
またか,という思いです。
現状を見る限り,彼女が日本初の首相という評価はどこから出てくるのか私には理解できません。
(注1)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11425209.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11425209
(注2)https://www.facebook.com/pages/%E4%BC%8A%E5%90%B9-%E6%96%87%E6%98%8E/306388919504640?fref=photo