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日本史大事典、国史大辞典の大問題

2013年03月13日 | 歴史・伝統
中山なりあき氏の国会での神質問が話題になっている。例によってネット上だけだけど、国会でここまで語られることは画期的だ。

中山なりあきオフィシャルブログ:早く自虐教育をやめさせないと

くっくりさんのところにテキストがある。

ぼやきくっくり:中山成彬議員が衆院予算委で日本の真の朝鮮統治(インフラ整備、創氏改名、慰安婦など)を語ってくれました
下村博文文科相
「現在の教科書検定では学習指導要領に基づき、教科書検定審議会の学術的、専門的な審議に基づいて行われ、申請図書の具体の記述について、その時点における客観的な学問的成果や政府見解、適切な資料等に照らして、欠陥を指摘するものです。これが欠陥かどうかは、日本史大事典、国史大辞典というところでも強制したという記述が表現されている中、教科書検定においては、これは欠陥には当たらないと判断されているところです」
ここで引いたのは文部大臣の発言だが、日本史大事典、国史大辞典に一体何が書いてあるのだろう。調べてみた。

日本史大事典(平凡社、1993):創氏改名(第四巻、362頁)
日本が植民地支配のため皇民化政策の一環として、朝鮮人から固有の姓を奪い日本式の名前に変えさせ、天皇家を宗家とする家父長制に組み入れようとした政策。(中略)(改名は)任意とされた。しかし日本式に改名することは「皇民化の指標」とみなされ有形無形に強要された。これに対しある者は死をもって... (執筆者は宮田節子)(参考図書は、宮田節子・金英達・梁泰昊 1992『創氏改名』明石書店)
国史大辞典(吉川弘文館、1987):創氏改名(第八巻、536頁)
朝鮮人に対する皇民化=日本化政策の一環として行われた制度で、朝鮮人固有の姓名を廃止して日本式の姓を創設し、名も日本人式に改めることを内容とする。(中略)いいかえれば「姓」中心の朝鮮の家族制度を解体して、「氏」中心の日本の家族制度に切り替えるよう義務づけた。(中略)儒教色の強い朝鮮では、祖先伝来の姓を易えることは「換父易祖」といって、不孝の最たるものと考えられ、いろいろな抵抗があった。しかし創氏改名しないものは(中略)各級行政官庁はそういう者の事務を取り扱わない、食糧をはじめすべての配給対象から除外する、など...(執筆者は姜在彦)(参考文献は、宮田節子 1985『朝鮮民衆と「皇民化」政策』《朝鮮近代史研究双書 二》未来社)
これは酷いわ。これでは駄目である。これらの記述はプロパガンダであって、「歴史」ではない。国史でもなく、日本史でもない。こういうところから変えていかないと、日本は変えられない。

#もちろん、(教科書を制するために)こういうところから支配してきたのが、彼らの作戦だったのだが。

ちなみに明石書店などは完全にそっち系の出版社である。

追記:参考文献が事典/辞典の編纂の1~2年前の出版である。
 なお創氏改名について昔の旧説を信じている人には、「歴史と国家」雑考の論考がお薦め。また、歴史を勉強するにあたっては、事実に立脚することと、思想に惑わされない事が重要だと付記しておこう。

#「換父易祖」という言葉は始めて知ったが、それだと孤児や養子はどうするのか。元来は同じ姓でないと養子にできないのだが、少なくも近代社会では都合のよくない親族制度である。最近は違ってきたようだが。

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