風塵社的業務日誌

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満天の星空

2016年12月21日 | 出版
年末だからというべきか、年越M作戦の展望が開けず、さらには年明け早々から貧乏風がピューピュー吹きすさぶ状況に直面し、なんにもやる気がわかない。先行きのあまりの不透明さに、不安だけが高じていく。どうしたもんかなあ。
そういえば、本日は冬至だそうだ。それはそれで結構なことであるけれど、どうして地球が太陽に対して傾いで回っているのかを、知らない。さらには、地球がどうして太陽の周りを回っていたり、地球が自転しているのかも、知らない。そもそもが、引力というものがどうして発生するのかも、知らない。学校教育で地球と太陽の関係について説明を受けたような気もするけれど、さっぱり覚えていないし、だいたいがその説明を理解したかどうかも怪しいものだ。
しかし、知らないことが多いほど、学ぶ楽しみは増えるわけであるから、それでいいじゃないか。ヘンに知ったような顔をしてみてもしょうがないのである。
かなりいい加減な記憶であるけれど、ガキのころ、水の入ったバケツを上下にグルグル回転させると、バケツの口が完全に下を向いた瞬間でも水は落ちてこない。それが引力によるものだと教わったんだっけなあ。そうであったとしても、その引力なるものが発生するメカニズムを、知らない。身近なところにこそ、不思議がたくさん転がっている。
そして、ガキというのは、禁止されたことをしたがるものである。それはガキに限らないか。人間は禁止されるほど禁忌を犯したがるものである。「バケツを回す話をしたのは、あくまでも説明するための便宜的なものであって、掃除の時間にやってはいけません」なんて学校の教員に言われると、かえってやらずにはいられなくなる。そして、バケツをグルグル回しているところを見つかって、教員に一喝を受けた瞬間、ちょうど頂点に達していた汚水を一身に浴びることになる(小生ではない)。
冬至なんていっても、小生にはその程度ぐらいしか思い起こすこともない。なんといっても、冬になれば満天の星空を拝める環境に生まれ育ったので、世の中ってそんなものだとばかり思い込んでいた。そして、目の前には北アルプスの偉容がそびえている(その当時は偉容とも思わず、ただの当たり前の風景なんだけど)。ガキの想像力で、それ以外の日常というものになかなか思い至らなかったとしても、無理はないだろう。
東京に出てきて、T出版社というつまらない会社に勤めていたとき、Hさんという同僚の女性が天文ファンであるという。それには少し驚いてしまった。なぜなら、こちとら星なんて見飽きるほど見てきたぞ、いまさらなんで星なんて見たいんだ、というわけだ。「この季節、なんちゃら流星群というのが見られるんですよ」とHさんが熱をこめて語られるのだけれど、流れ星なんてどうでもいいじゃないかという気分だったので、先方の気分を損ねるような言葉が口から出てしまった。
具体的になんと言ったのかは覚えていないけれど、おそらくはろくでもないことをしゃべったことだろう。悪いことをしたものだ。Hさんが相変わらずお元気であることを願っている。
その後、F社に勤めていたとき、F社の先代の社長が「夜空いっぱいに煌々と光る星空をたまには見たいなあ」旨のことを酒を飲みながら話し始めた。そこで、歳をとるとガラにもなくそういう気分になるものかと勉強にはなったけれど、こちらにはそれを実現させられる術がないので、そのまま聞き流しておく。後日、その話を当時P舎にいて、現在はL社でウハウハのN氏に話すと、「それじゃあ、ぼくが車で富士山の五合目に社長を連れていってもいいんだけどなあ」とのたまう。結局、N氏のプランが実現されることはなかったけれど、ああ、N氏はフットワークが軽いなあと感心したことは覚えている。さらには、前社長もいま住んでいるところは星空くらいは拝めるだろうから、自然を満喫して空不異色の境地でも体得してもらいたいものである。
偉そうなことを書いてしまったが、そこで現在の小生の心持はというと、満天の星空を拝みたいなあと思うことがたまにはある。福岡に住んでいたとき、そこは日本海式気候で冬場は毎日曇天続きなので、冬に星を眺めるということはほとんどできなかった。そして東京では、星なんてパラパラとしか見えない。つまり、もう何十年も満天の星空なんて眺めていないわけだ。こういう自然から(自然を?)疎外された環境でも、人間というものは生きることができるのだ。なかなかたくましい。
ふと、いま気がつけば、最近ここに述べている内容に回顧ネタが多すぎる。それは現実逃避的な退嬰傾向なのだろうか。それとも、八方塞による現在進行形のなさによるものだろうか。いずれにせよ、不健康かつ発展性のないものあるということにはなるだろう。それもしょうがない。明日は、久しぶりに会う友人たちとの再会もあることだし、酒を飲んで精気を回復させてもらうことにしよう。しかし、それはそれで、友人たちには迷惑かもしれない。

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