整列機とは?

部品供給方法、部品供給装置のいろいろ

部品の必要投入数

2017-05-30 15:21:43 | 効率アップ
ウエステックの整列機の動画を
ご覧になれば分かりますが、
部品の投入量が、整列穴の数よりも
かなり多い
事にお気付きかと思います。

部品の大きさにもよりますが、だいたい整列穴数の
3~5倍、部品が極小サイズの場合は、10倍以上もの
数量を投入しなければなりません。

それは何故か?

個々の整列穴の上を通る部品の数を、できるだけ多くする
必要があるから
、です。

目の前にある整列穴の向きと、流れて来る部品の向きが
一致しないと、部品は整列穴には入って行きません。
通り過ぎるだけです。

そのため、整列穴と部品が出会うチャンスを
できるだけ多くする、というのが鍵になって来ます。

欲を言えば、整列治具の上を、部品がまんべんなく
(切れ目なく)流れて行く状態が理想と言えます。

たまに、穴数100箇所に対して、100個の部品を投入し、
全て並べられないか、というお問い合わせを
戴く事があります。

べらぼうに時間をかければ、並ぶかも知れません。

想像してみて下さい。まな板くらいの広さの
整列治具があるとします。
ここに、縦10列×横10列=計100箇所の整列穴が
あるとします。
ここにピッタリ100個の部品を投入したとします。

仮に99箇所の穴に、部品が並び終わったとします。
残る穴は1箇所だけですが、残る部品も1個だけです。

つまりこれは、だだっ広いまな板の上に、
整列穴が1箇所だけ有り、そこに部品を1個だけ
流して入れようとしているのと同じです。

ほとんどの場合、穴のない所を無意味に
部品が往復するだけ、になります。

たまたま穴の近くに部品が差し掛かったとしても、
穴の向きと部品の向きが合致しなければ、
入らずに通過して行ってしまいます。

これでは正直、運まかせになってしまいます。

この、部品の投入数を常に充分な量に維持して
おかなくてはならない
、というのが、
整列機の欠点と言えなくもないです。

カンバン方式を採用している工場では、
必要な分の部品だけを供給する、
という発想ですので、整列機を使った
生産方式とは相容れない部分があります。

又、生産ロットの切り換わり時に、
前のロットの部品を使い切りたい、
という場合にも、悩みの種になります。

その場合、標準仕様の整列治具の整列エリアを
狭くして、整列数を減らす事により、
必要な部品の投入量を減らす、
といった方法を取る事もあります。