カイコー・タケシのエッセイには食べ物が多く登場しますが、その中でも中国かベトナム、どちらかの国の朝粥についての文章がとても印象的で、よく覚えています。
早朝、通りに面した屋台で供せられるお粥です。出勤や登校の途上にある人びとが次々に現れては忙しい朝食を済ませ、立ち去ってゆく。そんな店の風景が紹介されていました。
「とてもおいしいものである」と書かれていたのですが、個人的に粥は病人食というイメージが強かったので、さほど魅力的ではなく、カイコーがどうしてこんなに強く執着するのかわかりませんでした。
ラオスにも同様の粥があります。
歩道に並べられたテーブルは、朝の時間だけ出現する朝粥屋。
テーブル上には、ラー油や胡椒などの調味料、ライムの半切り、揚げパン、竹箸などが整然と並んでいます。
注文すると間も無く、どんぶりによそられた白い粥が出てきます。豚肉の細切り肉が載り、その上には細かく切られたネギと揚げニンニクが散らされています。
ひとくち食べてみて納得。なるほど、これはうまい。
柔軟で軽量、しかし濃厚で誠実。
じっくりと熱を加えられて煮られた粥は柔らかく舌先につぶれますが、その味にはしっかりとした芯がある。ダシが効いていて、あとをひくうまさ。
揚げパンも食べてみよう。
指先に力をこめて摘むと油がにじむような揚げパンをはさみで細かく切り、粥に混ぜる。
これも不思議においしい。
柔らかい粥の中で揚げパンはしっかりとした存在感があり、歯応えが嬉しい。奥歯で噛むと、にじむ油とダシがいい感じに混ざって充実したお味。
この粥をラオス語で「カオ・ピャック」と言います。
カオは米(もしくはゴハン)。ピャックは「スープに浸す」というような意味らしい。
とてもおいしいものであります。
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中華街のおかゆ屋さんに行った事があるけど
お粥も奥が深いですね~
開高健は茅ケ崎に晩年住んでて、
茅ヶ崎市民にとっては、とてもなじみ深いおじさんです。
市内のスイミングでいつも泳いでたとか、そこのホルモン屋さんは御用達だとか…
食通だったというよりも、好きなものはとことん好きって言う感じ。
なのに、何となくまだ読んだ事ありません。
今度読んでみようかな…お勧めありますか?