Weekend Strummer

ウィークエンド・ストラマー。
世間知らずのオジサンが脈絡無く語る、ギター・アフリカ・自閉症。

ケニヤ大統領選挙2017

2017-10-18 17:16:17 | ケニヤ

前回の選挙(2013)から4年が経過し、今年の8月にケニヤで大統領選挙が行われました。前回に引き続き、ウフル・ケニヤッタ候補(現職大統領)とルオー族出身のライラ・オディンガ候補の一騎打ちとなりました。
これも前回同様、ケニヤッタ候補の得票数がオディンガ候補のそれを上回って当選。そしてこれも恒例となった感のあるオディンガ候補による「不正疑惑による選挙結果不服の申し立て」が行われました。
今までどおりであれば、この不服申し立ては公的には認められないのが常でありましたが、今回はそうはならなかった。なんと、最高裁判所がこの申し立てを認め、選挙のやり直しをすることになったんです。

一度公表された開票結果を不正によるものと認めてやり直しを命じるなんて、これはすごいことであります。

 前々回の選挙(20078年に実施)では、同様の不服申し立てが認められず、怒ったルオー族関係者がデモを行い、それが発端となって国中を巻き込む大騒動が発生。1000人以上の死者を出す結果となってしまいました。二度と同じ轍を踏まないようにするためには、混乱はできるだけ避けなくてはなりません(だったら最初から公正な選挙を運営すれば良いのに、毎回虚偽の得票数が公表されてそのたびにヒトモンチャク起きるんです)。混乱を避けるためには選挙のやり直しが必要、と判断されたのでしょう。

 私はルオー族の本拠地ともいえるキスムという街に若い時分に暮らした経験があり、そのためルオーびいきの日本人であります。できればルオー族出身者に大統領になってもらいたい。

現職大統領であるウフル・ケニヤッタ氏は、初代大統領の息子ということもあって確かに人気者であり、自らを「デジタル・プレジデント」(新時代の大統領という意味らしい)と呼ぶ親しみやすさもあります。しかし就任当時「政治家の収賄等は厳しく取り締まる」と約束したにもかかわらず、国際的な調査によればその透明性は176ヵ国中145位という低いランクに留まっており、「ケニヤの歴史において最も腐敗している政権」とも称されております。

一方、我らがルオーのオディンガ氏は初代副大統領の息子で、ティンガ(トラクター)という力強いニックネームで呼ばれる頼もしさがありますが、実は35年前の空軍によるクーデターに深く関与していた過去があり、また状況に合わせて所属政党をコロコロと何度も変え、なんだか「政権掌握するためだったら何でもやるぜ」というような印象があるんです。こういうヒトが大統領になったら、いったいどういう政策が採用されるのか、ちょっと不安ではある。

 結局どっちもどっちなのかなー? 

なーんて考えていたら、1026日の投票日を待たずしてオディンガ候補は1011日に立候補を取り下げました。

虚偽の結果を公表するような選挙管理委員会は信頼できない。委員会の再編を要求していたのですが、それが受け入れられないため、選挙をやり直したところできっと不正が行われるはず。ならば再選挙の意味がない。立候補して落選したら、今度こそ国内騒乱間違いなしでありましょう。それを避けるためには立候補を取り下げるのが最も合理的。
さすが「譲歩のヒーロー」。引き際をわきまえている。

なんだか更に混沌としてまいりました。いったいどうなってしまうのか。
オディンガ氏が立たなければ、不正を行う必要もなく、ウフル氏の独り勝ちでありましょう。

ん? 結局これが一番平和なのかな?

コメント
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