カメムシのこと

2014-10-17 18:16:17 | 日記

 ミツバチが大量死していることはご存じか。これは全世界的なできごとである。日本もようやく重い腰を上げ始めたが、まだ規制されているとは思えない。そのミツバチの大量死の原因の有力なものとしてネオニコチノイド系の農薬が指摘されている。ここでの身近な例ではカメムシの稲の食害である。8月末から9月にかけてカメムシは発生し田んぼの稲、穂そのものの汁を吸い込む。すると実ったお米に黒い斑点が残る。お米の検査をするときに、30キロの袋に無造作に穴をあけて何グラムだかを抽出して、お米の大きさ、白く濁っている粒の数、そしてこの黒い斑点の付いたお米があるかをチェックする。黒い斑点がそのなかに入っていれば、それだけで2等米に格下げされる。それでとうぜんのことながら、農家は9月になっても農薬を散布することになる。それも相手はカメムシと言う昆虫であるから、村ぐるみですることになるから農協の強い地域では田んぼにカメムシ追放などと書いたのぼりを、畦に立てている地域があるくらい農薬の散布に熱心である。

 おまけに、お米を選別するときの機械で色素判別機なるものがあるらしく、それでその黒い斑点をとりのぞいている。従って、市販されているお米にはこの黒い斑点を目にすることはほとんどないはずである。ついでにいえばこの黒い斑点のついたお米を人が食べても、何の問題も無い。ようは見た目だけが問題なのである。1等米というしるしはお米の大きさなどで決まる。そのことは書いた。このお米の大きさと食味そのものとは関係がない。ようは肥料が効いているということである。この点に付いても疑問である。我がよろみのお米は山間地の谷間のお米である。朝晩の寒暖差があり、水は平野部のような家庭雑排水が入った富栄養化された水などではなく、ぼくたちが仕事しながら呑む冷たい沢水である。とうぜんお米の粒は小さい、そして黒い斑点がある。これはこちらに言わせれば、農薬や肥料漬けになっていない証拠なのである。

 おそらくこんなところでお米を作っているものにとっての常識的なことも、消費者の人にすれば知らないことだろうと思い、あらためて書いた。

食べ物に関することに驚くほどに無知な方と、その怖さに神経質になっている方との開きがますます大きいようである。食べ物そのものがわたしたちの身体を作っていることを考えると、もう少しそこのところを学ぶ必要があると思うのだが。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アラン | トップ | コンパネ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿