対話 2

2016-12-02 20:11:43 | 日記

 対話で思い出したことを、書いてみる。故林竹二先生のこと。その当時いろんな本を出しておられたから、知っておられる方は多いと思う。ぼくにとっては、学ぶことは変ることというフレーズはずいぶん大きい。単純に、学ぶことで知識が増えていき、それとともになにか自分が大きくなっていくような、ものごとのありようが、もっとオーバーにいえば世界が開けてくるような、錯覚を生じていた。それは、対人に対しても、ものにたいしてもぞんざいになったと思う。そこのところを林さんからずばりと刺された気がしたのだ。林さんは大学で教育学を教えておられた。それが実験で夜間中学校などで授業された。その記録がすばらしかった。うろおぼえのまま、記すと夜間中学校に来る生徒たちの多くは、色んなかたちで自身のだめさや社会にたいしての呪いをどこかで強く持っている。それは自身にたいする思い込みが固定化してしまって、そこからその殻を破ることができなくて、自身のありようをもっと狭くしている。(この思い込みはだれもが強烈に抱え込んでいるものですが)その思い込みにたいして、授業を通して吟味していく。先生のことばでいえば「美しくなったソクラテス」。生徒たちとの対話、吟味をすることで互いにほんらいのすがたを、呼び戻していくありようは本を読んでいるだけのこちらまでも、同時に吟味され、美しくなっていくような気がして、引っぱっていただいたことを、昨日この欄に書いたことで思い出したのだ。

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