東京23区のごみ問題を考える

脱焼却の循環型ごみ処理システムは可能か!!
~ごみ問題のスクラップブックとして~

廃棄物資源循環学会セミナー「第2回 雑紙のリサイクル工場見学と古紙の市場について学ぼう」

2011年08月24日 23時09分17秒 | 紙・古紙関連

廃棄物資源循環学会主催 市民と学生のためのセミナー
現場から考える身近な製品のリユースとリサイクル
第2回 雑紙のリサイクル工場見学と古紙の市場について学ぼう
􀂉 日 時 平成23 年8 月24 日(水) 10 時~12 時
􀂉 場 所 三栄レギュレーター東京工場(神奈川県川崎市川崎区水江町6-10)
􀂄 施設見学 家庭紙の製造工程
􀂄 意見交換「古紙リサイクル市場の現状と展望」
講師:太田原 覚氏(資源新報社)
コーディネーター:村岡良介(企画運営委員、(財)日本環境衛生センター)
主催:廃棄物資源循環学会(企画運営委員会)/共催:(社)東京都リサイクル事業協会


■三栄レギュレーター株式会社 東京工場
【会社概要】
営業品目 :トイレットペーパー
 コアレックス東京工場は、国が推進する資源循環型社会のモデルプロジェクト第1号とし2003年に各界の熱い注目を集めて誕生した、世界初のゼロエミッション製紙工場です。
 工場内の各所には世界最先端を行く設備を擁した「循環型製紙ライン」を構築。さらにその規模や処理量も大規模で、月産7000トンの回収紙を処理し、同時に毎日110万個ものトイレットペーパーを生産しています。
 現在ではこのゼロエミッション構想に賛同する官公庁をはじめ、機密文書を多量に扱う金融機関や企業などに広く利用されています。

【製造工程】

※三栄レギュレーター株式会社 東京工場ホームページより


工場内はすべて写真撮影禁止。ジャンボロール↓↓だけが許された!!



三栄レギュレーの特徴としては、機密文書をダンボールごと受入、ミックスペーパー、紙パック、磁気加工の切符などなど、紙であればどんな加工がしてあっても受入可能というところ。ダンボールの中は金具付バインダーやプラスチック付であっても、未開封でそのままの受け入れ処理。古紙ネットで、2007年に見学した機密文書受入の鶴見製紙と同様に、中小製紙メーカーの生き残りをかけた企業戦略での特殊な受入体制である。
川崎市が2011年3月から全市でスタートさせた「ミックスペーパー」分別収集事業、この収集されたミックスペーパーも三栄レギュレーターに入っている。



川崎市の「ミックスペーパー」分別収集
家庭系ごみの約 30%を占め、最も分別収集の効果が期待できる紙類について、可能な限り資源化するために、地域の資源集団回収に加え、新たにミックスペーパーの分別収集を実施
ミックスペーパーとは
「汚れた紙・臭いの強い紙」と「資源集団回収の対象物である新聞紙・雑誌・段ボール・牛乳パック等」以外のすべての紙類
〈ミックスペーパーの具体例〉
 紙マークが付いているもののほか、 投込みチラシ、パンフレット、包装紙、封筒、ハガキ、写真、ノート、メモ帳、 シュレッダー紙 などの紙
このほかにも、プラスチックコート紙や合成紙、レシート・伝票等の裏カーボン紙などもミックスペーパーの対象。ホチキス針が付いたままでもOK(川崎市HPより)(下線は渡辺)

ということで、川崎市は、いわゆる通常の古紙分別では「禁忌品」といわれるものもすべてOKとした。その背景には、市内に三栄レギュレーターが存在しているからだろう。したがって、川崎市は、回収したミックスペーパーを三栄レギュレーターに持込、処理費を支払っている。


川崎市平成23年度予算額

ミックスペーパー及びプラスチック製容器包装収集運搬事業 
 533,221千円
ミックスペーパーの全市収集及びプラスチック製容器包装の南部3区(川崎区、幸区、中原区)の収集に係る所要額を計上した。
ミックスペーパー・プラスチック製容器包装資源化処理事業
 214,426千円
分別収集したミックスペーパー及びプラスチック製容器包装の再資源化処理に係る所要額を計上した。

ミックスペーパーの収集運搬は民間事業者委託、再資源化先は三栄レギュレータ
川崎市のHPでは、ミックスペーパーだけの事業費は公表されていなかった。


23区では、千代田区がモデル事業で「雑がみ」回収を始めている。(←やはり禁忌品もOKにして)川崎市のように、近場に三栄レギュレータのような受入体制がなくとも、川崎市同様のパターンが広がる可能性もある。できれば、しっかりとした分別で、禁忌品は入れずに、古紙として売却してほしいものである。分ければ資源として売れる、分けなければ処理料を払うことになる。アメリカやヨーロッパと比較して、これまで日本の古紙は分別がいいことで輸出も有利であったのだ。プラスチック混じりの古紙の禁忌品まで集めても、自分の自治体の可燃ごみ量の若干の削減にはなれど、結局は、製紙メーカーではそれら取り除いたビニール類は焼却をすることになる。そういう現実をあわせて考えたい。


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バスの中からの工業団地,煙突がたくさん並んでいた、








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最近注目を浴びている川崎臨海部の発電施設
バイオマス発電や天然ガス発電は無理にしても、メガソーラーや風力発電だと、近くまでいくと見学できるかと考えていたのだが、ちょっと暑くなりすぎてあきらめた。

 

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