下手の横好き日記

色々な趣味や興味に関する雑記を書いていきます。
ミステリ・競馬・ピアノ・スポーツなどがメイン記事です。

我孫子武丸『人形は眠れない』

2007-08-19 23:21:05 | 
人形シリーズの第3弾!(第2弾とばしてるし^^;)

幼稚園に勤める妹尾睦月は、先輩の結婚式で関口という好青年と出会う。
関口は何故か睦月が気に入ったようで、猛烈なアタックをかけてくるのだが・・・
睦月の想い人の腹話術師・朝永嘉夫、そして彼の人形であり別人格の鞠夫、
さらに嘉夫の同業者で睦月の恋のライバルでもあるミス・はるかを交えた微妙な関係に、
連続放火事件が重なって、睦月の心はパニック状態!?

キャラクター小説としては、ものすごく面白い展開なんですけど、
ミステリとして内容を振り返ってみると、紹介すべき筋が・・・ない?(^^;
密室放火のトリックとか、連続放火の結末とか、
推理を楽しむ部分がないとは言えないのだけど、それも伏線はちょっとで済む程度。
これは、キャラ好きとしては許せても、ミステリ読みとしてはちょっと・・・

キャラクターが立ちすぎて、作品世界が引きずられるというか、限定されすぎるから、
骨のあるトリックやプロットを仕掛ける余地が無くなったとも言えるのではないでしょうか。
のんびりした嘉夫と幼稚園の先生の睦月が、そんなに凶悪な事件に関わる可能性は低いわけで。
睦月が事件記者とかなら可能性はあるけど、それだと独特のほんわか路線が変わっちゃうし。
よほど我孫子氏が本腰を入れない限り、どんどん新作が出るなんてことはなさそう(^^;
いいネタが出来たら短編を書いて、それがたまったら短編集になる、という道しかないかなぁ。

睦月は、ごく普通の女の子ですよね。特殊な技能も、とびぬけた性格的特色もない。
でも、そんな普通の女の子の普通の感情をこんなに的確に書かれると脱帽です。
男性作家の書く「女性」には「ん?」と思うところもあって好きになれないこともあるけど、
睦月は「いい子」ですよ(^^)

次はライブハウスで何かが起こるらしいですけど・・・また読んだら、感想書きます。


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2 コメント

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ほぇー。。。 (あかね)
2007-08-20 13:46:18
ミステリよりもキャラか~。。。
確かに。
私は8の殺人~0の殺人~メビウスの殺人の3冊しか読んでないけど、我孫子先生の作品てキャラが濃いですよね☆
軽く読める感じが、今の私の気分には合ってるかもしれません
あ、でも不意打ち(笑)
アリスの本じゃなかったー(笑)
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不意打ち♪ (viviandpiano)
2007-08-20 23:09:23
やっぱり急いで読むとあとの寂しさに耐えられないので、
チョットずつ読む路線にしたいところなんですけど・・・
でも、読んじゃうかもしれない有栖川作品(^^;

ライト路線は仕事がしんどいときにはいいですね。
特にこの人形シリーズは「恋バナ」だし、
その辺もそわそわしながら読んでます(笑)

覆面作家シリーズも同じような感じのノリなので、
そっちもスタンバイしてます☆
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