下手の横好き日記

色々な趣味や興味に関する雑記を書いていきます。
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瀬名秀明『デカルトの密室』

2009-08-08 23:59:59 | 
今回のは一応殺人事件も発生するのですけど、
純然たるミステリかといえば、違いますね(^^;
難解で、骨が折れました。


ロボット学者の尾形祐輔は、ケンイチというロボットを作って研究を続けている。
パートナーの一ノ瀬玲奈と共に進めるその研究は、
人間がプログラムすることで完成するAIではなく、
人間の子どもと同じように学習しながら能力を高めていくというもの。
ケンイチを伴ってメルボルンの人工知能コンテストにやってきた祐輔だったが、
そこで10年前に死んだと言われていた天才学者、フランシーヌ・オハラと再会する。
ところが、直後に祐輔は何者かに拉致され、監禁されてしまう・・・
不可思議な状況で起こる殺人事件の背後に隠された真意とは?
近未来SF哲学ミステリ。


題名に、いきなりデカルトですから(^^;
それ、誰?って感じなんですけど(笑)、作品中で簡単な紹介をしてくれて、
彼の論についても解説をしているので、大丈夫なはず??
でもね、難しいんですよ。

噛み砕いて言うと(間違ってるかもしれないけどw)
意識とか自我の存在について解き明かしていこうということらしいのです。
人間の頭の中で、個体を操縦して情報を取捨選択している「小人」がいる、と。
で、小人自体の意識はどうなってるの~??とか、
その小人は脳の中に閉じ込められちゃってるというのを、デカルトの密室というのだとか、
意識が密室から解放される方法は無いのか、とか、
多分、そんな話です(難)

祐輔は、ケンイチの中に「自我」を作ろうとしているのだけれど、
その祐輔にとてつもない方法で挑んでくるのがフランシーヌ・オハラです。
彼女は先天的に人間の感情を認識できない体質(?)なのですが、
一方で、ものすごい天才的な頭脳を持っているのですよ。
まるで、森作品の真賀田四季みたいだな~と思いながら読んでいました。

祐輔が彼女の陰謀に勝つには、ケンイチの力が必要なのだけど、
フランシーヌの罠によって「フレーム問題」というのに引っかかってしまい、
暴走して、とんでもないことをしてしまうのですよね。

ケンイチは、とっても素直で物語の好きな子どもロボットですので、
一体どうなってしまうんだ~!?という興味のみで最後まで読み進みました。
でも、結局哲学の論理的な帰着はよく分からずじまいでした(^^;

大学の頃、一般教養の哲学の授業に唖然として2回しか受けなかったので、
(その割りには、試験だけ受けて単位は取得しましたが←「優」だったw)
やっぱり、私には「哲学」は向いてないんだな~と実感しました。

やたらロジカルで、知的興味をくすぐられる作品ではありましたが、
万人向けのエンターテインメントじゃないですね(^^;


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
忙殺の中で (江守森江)
2009-08-09 10:15:32
読み始めた・・・積読してた・・・viviさんは未読ではない・・・もっと突き詰めればインデックス内の作家である。
推測の大前提に落ち度が・・・
どの道、インデックス内の書評を読むのもスルーしてたので外れて当然でした(三人も名を挙げて完敗なんて・・・)
書評を読むと自分のテリトリー外だとはっきり認識できました。
「今、何を読んでいるのか?」当てって本格ミステリですね!
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近未来SF哲学ミステリ! (あかね)
2009-08-09 15:15:57
わーおわーお
瀬名さまでしたか

近未来SF哲学ミステリ・・・

ってところから、ちょっと自分。。。
敷居の高さを感じて怖気づいてしまいます(笑)
よくよく考えてみると瀬名作品~過去にパラサイト・イヴをがんばってがんばってがんばって読んだくらいです
哲学
私も苦手っす。
大学の教養では専攻しませんでした(笑)あは
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江守森江さんへ (viviandpiano)
2009-08-09 17:48:09
さすがに江守さんの守備範囲外でしたね(^^;
すっきりしたミステリではないけど、
瀬名作品は理屈っぽいところが気に入っていて、
ちょこちょこと読んでいます。

今何読んでいるのか?という謎、
日常の謎系の本格ミステリですね☆
もう少し、伏線が親切でないといけませんが(笑)
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あかねさんへ (viviandpiano)
2009-08-09 17:55:49
「近未来SF哲学ミステリ」って、
私が勝手に命名したんですけど(笑)
まさに、そんな感じなんですよ。

パラサイト・イヴはかなり衝撃でしたね。
でも、最初がアレだから、
瀬名先生も、その後の執筆活動、しんどかったんじゃないかな~。

哲学は、難しいですよね。
でも、江神さんはこういうの考えてるんですよね?☆
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