この『虚無への供物』という作品の名は、色んな本の解説や何かで見かけていました。
いつか読まなきゃな~と思いつつも、なかなか手が出なかったのは、
この名前と共に匂わされるイメージ・・・反推理小説、問題作といった言葉のせいかも。
でも、綾辻氏の対談集『セッション』の中で、京極氏が自作の時代設定について述べていて、
その際の一言「まだ船も沈んでいない」という言葉を見たときに、読む決心をしました。
それ程までに大きな区切りの作品なら、何をさておいても読まなければ!と。
講談社文庫の新装版上・下巻を購入したわけです。(実際に読み始めるまでに時間かかったけど)
1954年秋、洞爺丸は悲劇的な海洋事故を起こす。
被害者の中には氷沼一族の4名もいたが、数ヵ月後、その遺族達の新たな悲劇が幕を開ける。
第1の死は当主・蒼司の弟である紅司に訪れるが、その現場は完全な密室だった・・・
上・下合わせてかなりの枚数だし、問題作なら読むのに時間がかかりそうだ、と思ったのは間違い。
読み始めるや、作品の世界にあっという間に引き込まれて一気に読んでしまいました。
素人探偵たち・・・久生・亜利夫・藍司・藤木田老たちの推理合戦は混迷を極め、
誰が正しいのか、どっちが本当なのか、それとも真相は別にあるのかというもどかしさが満ちて。
それでも読み進めずにはいられない、この作品の構成はそんな魅力を持っています。
ミステリマニアのある意味無責任な“推理”の数々に、モヤモヤとした気持ちを抱きつつ、
でも提出された謎の真相が知りたくて、いつになったらこの霧は晴れるのだろうと思いつつ。
そして、フランスからやっと帰国した久生の婚約者の「とても頭のいい」牟礼田。
彼の登場で事件は一気に解決に向かうのかと思ったのもつかの間でした(^^;
「すべてが分かってる風」の牟礼田の言動によって読者も素人探偵も煙に巻かれ、
そして、「その結末」が待っていたのです。
なるほど・・・反推理小説か・・・。
昨今のマスコミ狂騒曲を見ているにつけ、さもありなんと反省させられることしきり。
時代は移っても、現代社会が抱えるものは大差が無いということでしょうか。
でも、私はこの作品が好きですよ。面白いから。
面白がらせているのは「ミステリ」の要素でしかない。
そしてこれを面白がることは、人間の持つ業でもあり、特権でもあるのだと思います。
1度通読しただけなので、中井氏がこの作品にこめた意図の一部すら理解できていないけど、
そして、何度読んでも、その本当の意図は分からないかもしれないけれど、
これは立派な「推理小説」だと、私は思いました。
いつか読まなきゃな~と思いつつも、なかなか手が出なかったのは、
この名前と共に匂わされるイメージ・・・反推理小説、問題作といった言葉のせいかも。
でも、綾辻氏の対談集『セッション』の中で、京極氏が自作の時代設定について述べていて、
その際の一言「まだ船も沈んでいない」という言葉を見たときに、読む決心をしました。
それ程までに大きな区切りの作品なら、何をさておいても読まなければ!と。
講談社文庫の新装版上・下巻を購入したわけです。(実際に読み始めるまでに時間かかったけど)
1954年秋、洞爺丸は悲劇的な海洋事故を起こす。
被害者の中には氷沼一族の4名もいたが、数ヵ月後、その遺族達の新たな悲劇が幕を開ける。
第1の死は当主・蒼司の弟である紅司に訪れるが、その現場は完全な密室だった・・・
上・下合わせてかなりの枚数だし、問題作なら読むのに時間がかかりそうだ、と思ったのは間違い。
読み始めるや、作品の世界にあっという間に引き込まれて一気に読んでしまいました。
素人探偵たち・・・久生・亜利夫・藍司・藤木田老たちの推理合戦は混迷を極め、
誰が正しいのか、どっちが本当なのか、それとも真相は別にあるのかというもどかしさが満ちて。
それでも読み進めずにはいられない、この作品の構成はそんな魅力を持っています。
ミステリマニアのある意味無責任な“推理”の数々に、モヤモヤとした気持ちを抱きつつ、
でも提出された謎の真相が知りたくて、いつになったらこの霧は晴れるのだろうと思いつつ。
そして、フランスからやっと帰国した久生の婚約者の「とても頭のいい」牟礼田。
彼の登場で事件は一気に解決に向かうのかと思ったのもつかの間でした(^^;
「すべてが分かってる風」の牟礼田の言動によって読者も素人探偵も煙に巻かれ、
そして、「その結末」が待っていたのです。
なるほど・・・反推理小説か・・・。
昨今のマスコミ狂騒曲を見ているにつけ、さもありなんと反省させられることしきり。
時代は移っても、現代社会が抱えるものは大差が無いということでしょうか。
でも、私はこの作品が好きですよ。面白いから。
面白がらせているのは「ミステリ」の要素でしかない。
そしてこれを面白がることは、人間の持つ業でもあり、特権でもあるのだと思います。
1度通読しただけなので、中井氏がこの作品にこめた意図の一部すら理解できていないけど、
そして、何度読んでも、その本当の意図は分からないかもしれないけれど、
これは立派な「推理小説」だと、私は思いました。
ただ、すごい作品なんだろうな~ってずっと思ってきたので(+江神サンの愛読書…みたいな…笑)
読んでも自分には理解できないんじゃないのかな?って
勝手に思い込んでる部分があったのですが、
viviandpianoさんのレビューを読んで、素直に『面白そう』って感じました♪
読んでみたい!!!まずは買ってみよう♪
文章もやわらかい(昔風の)文章だし、
ヒロイン(?)久生のキャラクターもいい感じだし、
亜利夫も負けず嫌いな常識人みたいで好きです♪
ぜひ読んでみてください。
次に何読もうかと思っていたのですが、
手元にある本が限られてきたので、『一の悲劇』に入りました。
そして『一の悲劇』も読みたいな~♪♪♪
私は森祭りに入ろうかと思っていたのですが(笑)
大好きな北山猛邦先生の本を読んでから有栖川先生の『幻想運河』を読もうかと思ってます♪『幻想運河』はビターな作品なんですよね♪
この前の『幽霊刑事』が思っていた以上に面白かったので(笑)有栖川先生のノンシリーズにもハマってしまいそう。
私も読みたい本だらけで困っちゃいます(笑)
『幻想運河』はビターなんですよ。
でも、何ともいえない世界が構築されていて・・・
アムスの住人になったつもりで読むと、
違う世界を垣間見られそうです。
(推薦している有栖に)騙されたと思って是非・是非読んで下さい。
ある意味、無神経で無責任ですが、推理合戦のあるミステリって本当に楽しいですね!
どうオチをつけるつもりなのかと気持ちが急いた記憶が。
色々読んでくると、これも結構普通だなと思えるのは、
それだけすれてきた証拠でしょうか(^^;
古野まほろ作品、1作目、探してみます☆
そして、シリーズ物の掟として1作目の「天帝のはしたなき果実」から読み進めなければイケマセン。
※ここからが本当(実際に読み始める前)の注意書き
真剣に読もうとした大多数の読者が読みにくさで推理合戦前に読むのを断念したらしいとの噂があります。
最初から二百ページまでは登場人物紹介なので、斜め読みOKです。
そして、推理合戦後(二度目の挑戦状以降)は好みに合わなければ再び斜め読みOKです。
推理合戦部分の面白さ&“ある意味別世界な読みにくさ”を保証します!
「天帝シリーズ」を探してみますね。
江守さんのコメントの感じだと、
ちょっと癖のある感じだと思いますが、
私は、ロジカルな論戦が見られれば嬉しいほうなので、
楽しく読めるんじゃないかな~と思っています☆