乱鳥の書きなぐり

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彼女美し 備前焼

2006-08-11 | 美術・文様・展示物

岡山

彼女美し 備前焼

 岡山県のJR伊部駅を降りると焼き物の町がこじんまりと品良く並ぶ。

 ここは豊前焼きのひなびた職人さんの町。

 窯元や焼き物店。

 普通の民家を改良したような店が町並みに溶け込んでいる。

 

 見せの一歩裏に回ると使い込んだ窯屋立派な煙突がそびえ立つ。

 細い道を少しあがると小山に登る。

 両脇には巻きや丸めた粘土や布などが常備されて、私たちが見ても焼き物職人の心意気が伝わってきて、心は高揚・・・

 きちんと並べられたり、雑多に使い込まれたり、その秩序は一定にあらず、かえって趣を感じさせる。

 

 少しいくと田や畑。

 そこで昆虫網を持った小学校低学年の少年と出会う。

 男の子はとても人懐っこく、取った虫のことなどを話してくれる。

 ここの人たちはここの空気と豊前焼きのように美しい心を持っておられるのであろうか・・・

 このような純真な男の子の焼いた器を将来てに取りたいと瞬間に感じた私。

 

 ここの町は普通の民家の中にも備前焼が溶け込んでいる。

 割れた大壺の半分を植木鉢に使ったり、小さな鉢や器に花が植えられていて、なんだか器の知らない私も心が和む。

 無造作に使用された器たちは雨風に晒されて、とても美しい色に変化していた。

 美しい。

 月並みだがかなり美人の女性が風呂上りに浴衣姿で神をなで上げているといった風情だ。

 自然に雨風にあたり、生活に溶け込んだ器がこんなに美しいといったことは備前に行くまでは知らなかった・・・

 

 私たちは色と形の気に入った普段使いの湯のみ五客セットを一つだけ購入して、備前の地を去った。

 初めて言った土地なのに、なんだか後ろ髪が引かれる思いの、自分にとって居心地の良いしっくりと落ち着く場所のひとつであったことに驚く。

 

 あの昆虫を追いかけていた少年が大人になった頃にもう一度伊部に行って、少年の焼いた普段使いの茶碗でお茶でもすすってみたいナ・・・

 

 

http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/14f92c72ef820fcd166e686ca30e4b18

 山口県萩焼きの記録

 


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