乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

「およぐひと」「エイプリルフール」「遺伝」  萩原朔太郎 ほか

2011-04-01 | ことのは









  一日(朔日)に朔太郎を思い浮かべる。

  朔=新月

  今日は中潮で、実際の新月は四月三日

  新しい月って意味くらいで新月の朔から朔太郎を思い浮かべたんだ

  単純だね




 「およぐひと」と「遺伝」は

  中学高校の頃に好きだった 詩




  




  およぐひと  萩原朔太郎 (昨日の日に「月に吠える」)


 
   およぐひとのからだはななめにのびる、 
   二本の手はながくそろへてひきのばされる、            
   およぐひとの心臓(こころ)はくらげのやうにすきとほる、            
   およぐひとの瞳(め)はつりがねのひびきをききつつ、                      
   およぐひとのたましひは水のうへの月をみる






  エイプリルフール  荻谷新月

 

   うそでしょ
   ほんとうなんだ
  「今、わたしにできること
   みんなでやれば
   大きな力に」…
   何度も流れるCMが証拠

   うそでしょ
   ほんとうなんだ
   もう四月なの?
   そうさ、「わたぬき」
   月はかわったんだよ
   のをあある やわああ





  遺伝  萩原朔太郎 


   人家は地面にへたばつて
   おほきな蜘蛛のやうに眠つてゐる。
   さびしいまつ暗な自然の中で
   動物は恐れにふるへ
   なにかの夢魔におびやかされ
   かなしく青ざめて吠えてゐます。
     のをあある とをあある やわあ

   もろこしの葉は風に吹かれて
   さわさわと闇に鳴つてる。
   お聴き! しづかにして
   道路の向うで吠えてゐる
   あれは犬の遠吠だよ。
     のをあある とをあある やわあ

  「犬は病んでゐるの? お母あさん。」
  「いいえ子供
   犬は飢ゑてゐるのです。」

   遠くの空の微光の方から
   ふるへる物象のかげの方から
   犬はかれらの敵を眺めた
   遺伝の 本能の ふるいふるい記憶のはてに
   あはれな先祖のすがたをかんじた。

   犬のこころは恐れに青ざめ
   夜陰の道路にながく吠える。
     のをあある とをあある のをあある やわああ

  「犬は病んでゐるの? お母あさん。」
  「いいえ子供
   犬は飢ゑてゐるのですよ。」





 みなさま、おつきあい下さいましてありがとうございました。感謝しています。
  




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