乱鳥の書きなぐり

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『 京都国立近代美術館 コレクション・ギャラリー』平成21年度 第12回(10/27から2/27)

2009-12-16 | 美術・文様・展示物




 (↑ 乱鳥12月恒例の『鉄輪』でごじゃりまする.)





  『京都国立近代美術館 コレクション・ギャラリー』

       平成21年度 第12回(10/27から2/27)(計11点)



 顔見せに行く前に一人で京都国立近代美術館にいく。

 現在『ボルゲーゼ美術館展』と『京都国立近代美術館 コレクション・ギャラリー』

『京都国立近代美術館 コレクション・ギャラリー』を見るのに時間がかかり、『京都国立近代美術館 コレクション・ギャラリー』はざっと観たが、これが良かった。

 素晴らしいものが多い。

 エルンストあり、モンドリアンあり、ルドンあり、マチスあり、ピカソありといった具合。

 日本の画家や陶芸家もすごかった。

 長谷川潔はもっと丁寧に観たかったが、時間が無い。

 安井曾太郎や坂本繁二郎もある。これはたまらない。


 限られた時間。わたしは直感的に須田国太郎と小出楢重と富本憲吉と重きを置いて集中的に見ることに決めた。

 須田国太郎は4点。

 鵜などなじみの絵。

 中でもわたしの心をとらえたのは紙にグワッシュで描かれた能の作品。

『山姥』であった。

 まだ聴いたことの無い『山姥』だが、昨日夜中に『観世流百番集』を取り出して『山姥』を楽しむ。

 5番ものの『山姥』ということだ。

 読み進めると、知らない『山姥』の曲が聞こえてくるかのような錯覚に陥る。

 目に焼き付けた須田国太郎の『山姥』がよみがえる瞬間であった。


 小出楢重は静物画。

 いきの良い鰯が描かれていたことが思い出される。

 この画家は女性の裸体を描こうが鰯を描こうが、同じ尺度で被写体をとらえる感がある。

 この感覚は面白い。

 今回は女性ではないが、彼の裸体の絵を見ると.ぞうきんを絞ったような腰が描かれ、驚くばかりである。

 色調はコーラルレッドを混ぜたのではないかといった赤がひきたつのが特徴。

 けして理数的音楽的感覚の絵ではないのに何かしら惹かれるものがある。

 色彩が好きなのではなく、この画家の被写体に対する姿勢が好きだ。


 富本憲吉の器や入れ物を多く観た。

 上から下から横から斜めから器をなでまわす。

 色調は赤などが多く、細やかな蝶などの「幾何学敷詰め文様」(かってにわたしが名付ける)が多い。

 柄が一面にひかれているが、結構上品で、丁寧な絵付け。赤金の使い方も程よい。


 富本憲吉の単彩の器『土焼銅彩大皿』は色も形も美しい。

 斜め下から観る曲線は純粋な少女が羽を広げようとしているようだ。

 富本憲吉はこういった一色の中にドラマ性をもつ作品もあり、魅力的に感じた。


『京都国立近代美術館 コレクション・ギャラリー』は思いのほか良い作品が公開されている。

 本来ならば独立して『京都国立近代美術館 コレクション・ギャラリー』も楽しみたい。

 早足でも二時間はかかりそうな『京都国立近代美術館 コレクション・ギャラリー』だったが、今回は友人との待ち合わせ時間があり、一時間くらいで観終わったのが残念。

 一時間では三人の芸術家の作品を眺めるのがいっぱいいっぱいなので、『ボルゲーゼ美術館展』と『京都国立近代美術館 コレクション・ギャラリー』は時間に余裕を持っていかれることをお勧めする。



               『ボルゲーゼ美術館展』12月27日まで
                  
               『京都国立近代美術館 コレクション・ギャラリー』2010年2月27日まで

                  すぐ側にローソンはあるが、神宮道博宝堂(画材店)なら絵のついた前売り券あり




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