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ミステリとかロックとかお笑いとかサッカーのこと。

鯨統一郎『「神田川」見立て殺人』小学館文庫

2006年04月06日 | reading
ネタバレ注意。

くだらねー(笑)。70年代歌謡曲をモチーフにした鯨バカミス。「見立て殺人」とは銘打ってますが勝手に捜査側がこじつけてるだけで、その歌詞の矛盾をヒントに解決、しかしラストでは超常現象にさらにこじつけてすべてを有耶無耶にしてしまう、と。それが「勝手にしやがれ」や「UFO」など9曲分。話の流れを細かい部分まで同じにして、モチーフだけ入れ替えるってのはこの人の常套手段。連作としての落としまで考えてもらえてればなお良かった気はしますが、これだけ馬鹿馬鹿しいミステリを次々に考え出せるってのも確かに才能ではあると思います。
チープ感溢れるバカミスで、不快感はありませんが、Bはあげられないかな、と(笑)。ただ、《「愛してる。空に太陽がある限り。ということは、夜はもう愛していないのかしら?」》(213p)という指摘には、蒙を啓かれる思いがしました(嘘)。

作品の評価はCプラス。

「神田川」見立て殺人「神田川」見立て殺人
鯨 統一郎

小学館 2006-03-07
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