未来を信じ、未来に生きる。

今に流されず、正論を認識し、社会貢献していく人生を切り拓くブログ道。

京都の学生ネットワーク結成-めざせ学費ゼロ-

2008-03-25 01:07:36 | 国内教育
ゆうPress
京都の学生ネットワーク結成
めざせ学費ゼロ

--------------------------------------------------------------------------------

 「高学費のため1年だけの約束で大学に通っている」「バイト漬けで勉強に集中できない」―。高学費に苦しむ学生の声です。京都では学生たちが手をつなぎ「学費ゼロネット」を結成。立命館大学では大幅値上げに歯止めをかけています。(伊藤悠希)

--------------------------------------------------------------------------------

立命館大
スライド制廃止
 「気持ちが楽になりました。学費を払ってくれている親の負担が軽くなると思うとうれしい」と話すのは立命館大学1回生(19)。立命館大学では学費が毎年自動的に上がる「ダブルスライド制」がこの4月から廃止されました。これまで毎年平均で2、3万円値上がりし、4年間で10万円近く上がっていました。今春からは値上げ幅が年5千円(法学部などの場合)に抑えられます。(表)

 学内では、ダブルスライド制の廃止を求める署名や一言カードは学生総数の2割に及ぶ6千人分が集まりました。サークルを中心に学内パレードもしました。

だれでも
みんな一緒に
 京都府学連(6大学の学生自治会が加盟)は、「学費ゼロネット」を2007年5月に立ち上げました。ゼロネットは学費値下げに関心のある人なら誰でも入れる個人加盟のネットワークです。11大学、70人が参加しています。

 京都市内の大学で自治会活動をしている琴美さん(22)はゼロネットを考えた一人です。

 「府学連に加盟していない大学で学費値下げの宣伝をすると反応がよかったんです。仕方ないと思っていた学生に話をすると日本の学費は高すぎると実感してもらえました。値下げの取り組みを一緒にやりたいと思いました」

商店訪問
ポスター快く
 会員たちが大学周辺の商店を訪問して、学費無償化を訴えるポスター掲示をお願いすると快く張らせてくれます。街頭宣伝でもうれしい反応がありました。高い学費によって「学問が商業化されることに不安」と話す学生が学内に張りたいとポスターを持ち帰りました。

 京都大学では会員が1カ月近く、2日に一度、昼休みに宣伝をしました。「東京大学では世帯年収400万円以下の学生が授業料免除になりました。今度は京大でも」と訴えると学生たちが話しかけてきました。

 京都橘大学では自治会で学祭に模擬店を出し、訪れた人たちと対話して署名と一言カードを集めました。「薬学部に行きたかったが、学費が高くてあきらめた」と話す男性もいました。地域住民、親たちからも署名が集まりました。

議会要請
全会派が応対
 「学費をめぐり、07年7月の参院選後、政党の応対に変化が起こっている」と話すのは京都府学連副委員長(前委員長)の男性(21)です。府学連の京都市議会要請に対し、06年は日本共産党と民主党だけの対応でした。ところが参院選挙後は、全会派の議員が対応しました。男性は「高学費のため1年の約束で大学に通っているといった学生の切実な声が議員たちにも衝撃を与えました」と話します。

奨学金
就職まだ、返せるか不安
 「学費ゼロネット」の琴美さんは京都市内の大学に通う4回生です。学費は親が負担しますが、生活費は仕送りはなく奨学金が頼りです。無利子と有利子の奨学金を借りています。1回生のころは無利子奨学金(月6万3千円)のみで生活していました。家賃2万円のところに住み、毎日自炊、弁当を作って節約に努め、わずかな額が残りました。有利子分(月3万円)は、できるだけ手を付けないようにして、利子がつく前にまとめて返したいと思っていました。「まだ、就職が決まっていません。返せるかも不安です」と話します。

 立命館大の中山さんもゼロネット会員。無利子奨学金を借りています。これまではお金の出所を意識せず、自由に使っていました。「借金して“ぜいたく″してるだけだと、自治会活動に参加して気付きました。学費のために親は頑張ってくれてると思うと胸が痛みます」

「進学あきらめた」「毎日昼食抜き」
東京でもZEROネット
 ゼロネットの取り組みは京都以外へも波及しています。

 東京でも都学連(東京都学生自治会連合)が中心となり「学費ZEROネット東京」(準備会)ができました。

 19日の結成のつどいでは参加した学生たちが実態を報告しました。

 「2週間前に2年生からの学費のめどがたたないからと退学した学生がいます。入学後、アルバイトで学費をため、綱渡りで大学に通っていた学生です」と話したのは和光大学の2年生。

 東京農工大学では学生会で年に3度アンケートを取っています。半数の学生が回答し、そのうち8、9割の学生が「高い」と答え、学費を自分で払っている学生が約40人いたといいます。「友達が進学をあきらめた」「毎日昼ご飯を抜いている」との声が寄せられました。

 早稲田大学の2年生は、4月に高校3年生になるめいから大学進学をあきらめて就職した方がいいか相談されたといいます。家族や友達など周りに実態を伝えることから始め、学費値下げへ向けた世論をつくっていきたいと話しました。

--------------------------------------------------------------------------------

 京都府学生自治会連合(府学連) 学生自治会の京都府の連合体。学生の共通の要求を実現する組織。学生の要求を大学運営に反映する学生の代表組織。

奨学金でシンポ
1日食費315円/貯金取り崩す
返還必要ない給付制に

--------------------------------------------------------------------------------

 日本の異常な高学費で子どもや学生、家計がどのような影響を受けているのかを交流し、奨学金制度の拡充を考えるシンポジウムが二十三日、東京都内で開かれました。主催はシンポジウム実行委員会。十団体、約五十人が参加しました。深刻な実態をパネリストや参加者が報告し、教育費の無償化と返還の必要のない奨学金をつくっていこうと確認しました。

 全学連の副委員長が東京大学で世帯年収四百万円以下の学生が全額学費免除になったと紹介し、学内での聞き取り調査を進めてきたとのべました。一日の食費を三百十五円に抑えている学生、大学で洗濯、シャワーをしているという学生などの例を紹介しました。

 新婦人の米山淳子事務局長は教育費の実態アンケートの内容を紹介。大学生を抱える家庭では家計を切り詰め、預貯金や年金、退職金を充てる、祖父母や親せきからの援助、教育ローンの借金、定年後も働いて学費を工面しているとのべ、生活全体が教育費で脅かされていると話しました。

 日本学生支援機構労働組合の藤井和子中央執行委員長は一九九八年からの十年間で有利子奨学金の利用者が十倍に増えていると報告。全国生活と健康を守る会の代表は夫が失業し、大学院に入った子どもの奨学金の返済が一千万円にのぼると予想され、将来が不安だとのべました。

 日高教の代表は実態調査から「『ローンズ育英』という金貸しだ」との告発が寄せられていると報告しました。

 三輪定宣千葉大学名誉教授・「奨学金の会」会長はフィンランド、デンマーク、アメリカなど海外の給付制奨学金の制度を紹介。日本の教育予算は経済先進国OECD加盟国三十カ国の最下位であり、平均並みに引き上げることで学費補助・軽減が可能であることを示しました。

 実行委員会の中心となった「奨学金の会」では、「教育の機会均等」を保障する給付制中心の奨学金をつくることを求める署名に取り組んでいます。

(出所:日本共産党HP  2008年3月24日(月)「しんぶん赤旗」)
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 自公政権の「思いやり」予算... | トップ | 来月就職、労働組合入ったほ... »

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
博士の就職先としての大学 (kaetzchen)
2008-03-25 20:58:56
私も1度国立大学に入り直したので,一浪で倍になった学費の差にぎょっとした一人です.しかもバイトなんてできないカリキュラムでしたから,寮に入って生活費切り詰め.幸い,大学院はほぼ全額支給の奨学金が出たので助かりましたが…….私は実務系の大学院に進んだので,博士号取得がそのまま仕事に生かせました.だから,就職は楽勝.

ところが,理学部や文科系の大学院ともなると,就職は無きに等しかった.だから法学部の連中は司法試験を目指し,経済学部の連中は官僚になろうとしてて,せっかくの学問が仕事に生かせなかった者が多い.理学部も実務に役立たないと勝手に決め付ける企業が多く,特定の仕事を与えればスーパーマンになる彼らの実力を見くびっていた.

これが私立大学になると学費の問題が絡んでくる.高い学費を払って大学を出たけど,学問の道を諦めて就職していく者がほとんどだった.せいぜい,高校教員をしながら大学院に通って,というパターンが…….

そして,大学院を出たあと,彼らの就職先は…….ちょうど団塊の世代が大学を出た頃,大学の入学定員が大幅に増えて,大学教員のポストが多数できた.新設の私立大学も増え,文科系の大学院を出た者でもコネと努力次第で大学教員になれる運命を掴む者が出て来た.しかも,私立大学の定年は73歳.国立より10~13年も身分を保障される彼らにとっては天国であった.

ところが! 団塊の世代の子供たちが大学を出た後,急速に18歳人口が減ることを国の官庁は予想していたはずだ.当然,大学の統廃合や私立大学の削減などをしないといけないことは分かっていた.ところが倒産を恐れる私立女子短大を四年制に格上げしたりして,結局定員割れを起こす私立大学が急増してしまったのが現状なのである.

私立大学は「私企業」だから,定員割れしたのなら,現在在籍している学生から赤字分を取らないと倒産してしまう.結果的には,そのような文科省の見通しのない政策がこの記事のような悲惨な現実を産んだのではないかと思っている.

コメントを投稿

国内教育」カテゴリの最新記事