うりぼうのシネ煉獄

映画・ゲーム・テレビ・本の感想をまったり書きます。

ベイマックス

2014年12月31日 | 日記
視聴環境:映画館、吹き替え

 ディズニー製のフルCGアニメ。

 主人公が日本人ということで、街自体が日本とサンフランシスコのハイブリットのような感じですが、実際は「街全体が日本かぶれのアメリカ」という感じでより深い部分、風習や人の気質みたいなものはアメリカのまま。たとえば冒頭、葬儀のシーンが出てきますが、広いアメリカ式の墓地で人々が集まっているみたいなよく映画で見るアメリカ式の葬式だし、その後も家で参列者が話していたり(そもそもヒロの家は土足だし)と、店の字や小道具が日本っぽいってだけで、…まぁようはアメリカです。日本のコスプレしたアメリカの町。

 で、今回は脚本がイマイチですね。
 アクション映画なのでテンポはいいんですが、脚本が練りこみ不足というのは誰しも思うはず。
 原題は「ビッグ・ヒーロー6」で、主人公のヒロ、ロボットのベイマックに兄の同僚だった4人の変人が仲間になって6人でスーパーヒーローとなる話なんですが、仲間になるのが急すぎて途中のエピソードをはしょっている印象。そして兄の死の真相やその後町を襲う仮面の男の陰謀が明かされる段になっても「もっとこうすればいいのでは?」とか「そもそもこの人はなんで・・・?」みたいな疑問が、深く映画を分析しているような人でなくても次々思いつきます。ラストも「えっ?なんで?」と困惑する感じ。
 ちなみに、エンドクレジット後にもう1シーンあるんですが、これはたぶんなんのことやらわからないと思いますが、本筋とはまったく関係ないのでネタバレするとスタンリーです。スタンリーは多くのスーパーヒーローの生みの親で、そのヒーローのハリウッド映画化の際にチョイ役で出演しまくっていることでも知られていて、本作はその絡み。けどそのことをまったく知らない人は字幕でスタン・リーと出てもなんのことやらわからないし、人によっては続編の悪役だとか思った人もいるみたいですね。


 といういことで、
 本作ははっきりいっていまひとつの出来ですね。どうもディズニーは話がアクションになると脚本がおろそかになるようなきらいがありますね。一昔の娯楽作ならこの程度の脚本でもよかったのかもしれないですが、いまでは超大作SFの脚本はレベルが高いですからね。ピクサーも最近は過去作の続編とかばっかりだし、もうそろそろフルCGアニメスタジオも世代交代の時期なのかもしれませんね~。

ゴーンガール

2014年12月31日 | 日記
視聴環境:映画館、字幕

 デビッド・フィンチャー監督、ベン・アフレック、ロザムンド・パイク(「アウトロー」のヒロイン役の人)共演のサスペンススリラー。

 中睦ましい夫婦のはずが、結婚記念日に妻が失踪。夫はメディアに情報の提供を呼びかけるが、夫に不利な証拠が多数発見されていく。本当は夫が妻を殺したのか?

 上記が予告編を観て想像できる内容で、実はこれは全体としては半分未満でそこからさらに物語が展開します。予告編巧いですね。ベン・アフレックが記者会見の時に沈痛な面持ちでなくてはいけないのに、記者に言われて思わずスマイルしてしまったり、とかすでに「不穏な予感」というのを予告編で感じることができます。

 息のつけない展開で楽しい作品ですが、夫婦やカップルで観にいくと微妙な感じになるでしょうね。見た後いろいろ考えさせられる映画でもあるので、映画を見た後に深く考えたくないような人にも不向きかも。

幸せのレシピ

2014年12月31日 | 日記
視聴環境:地上波放送、吹き替え

 キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、アーロン・エッカート共演のロマンティックドラマ。2007年公開。

 2001年のドイツ映画「マーサの幸せレシピ」のハリウッドリメイクでまぁ面白いんですが、なんでアメリカってのは古典でもないちゃんとした作品をわざわざハリウッドで作り直すんですかね。「バニラスカイ」とか「ドラゴンタトゥーの女」とか。もともとリメイク元が映画好きの間ではそこそこ評判が高い作品で、ハリウッドリメイク版も特段「こうきたか!」というような改変がされているようなほどでもない。特に日本人にとってはどちらも字幕や吹き替えで観る”洋画”なので、あまり違いは感じない。アメリカにとっては海外映画を「字幕や吹き替えで観る」ということにやはり抵抗があるんでしょうね。日本人はもともと映画=洋画っていうことに違和感がないので。

 とまぁそれはさておき。
 軽いタッチで描かれていて楽しく見られる作品でいいですね。けど個人的にはリメイク元の「マーサの幸せレシピ」の方がオススメだったような気がします。


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WOOD JOB!

2014年12月16日 | 日記
視聴環境:DVD

 「ウォーターボーイズ」「ハッピーフライト」の矢口監督による最新作。劇場公開時から評判がよくて観たいと思っていた作品でやっと観賞できました。

 監督の得意とする「知られざる職業もの」。
 なんとなくあるのは知っているがその実情をしらないジャンル(社交ダンス「sdhal we ダンス?」とか大学相撲「シコふんじゃった」とか、空港の仕事「ハッピーフライト」とか)の作品で、なんとなくそこで働くことになった主人公が次第にそのジャンルの魅力を知っていく。という感じ。

 本作の主人公は(見た目の)やる気のなさではかなりの高いレベルを誇る染谷将太。いかにも現代のゆとり大学生といった感じの主人公から林業が、これまた定番の「不純な動機から」林業の体験就業へと参加する。
 主人公はまったくそのジャンルの素人で観客が感情移入するキャラクターですが、この手の作品ではもう一人、「裏主人公」というかそのジャンルのベテランで、主人公とコンビを組み、友人あるいは師匠となる人物がいるのが定番。本作ではそれは伊藤”海猿”英明!!! 
 今回は村の林業の職場の若頭的な存在として海猿ならぬ山猿として登場。やっぱりこういう役をやらせると天下一本ですな。序盤の主人公の乗ったバンいn向かってはるか向こうからダッシュで走って乗り込んでくるというシーンはぜひとも見てほしいところです。
 そして伊藤英明の奥さん役の優香やヒロインの長澤まさみは村の女性らしくノーメイクっぽい感じでそれもまた新鮮。


 ということで、
 やっぱり観てよかった作品。いわゆるウェルメイドという作品ですね。もちろん林業に興味のない人が見ても十分楽しめるし、前作「ロボジー」のマイナスを取り戻したな、って気もします。あ、もちろん染谷くんの演技も好感が持ててよかったです。


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ホビット 決戦のゆくえ

2014年12月16日 | 日記
視聴環境:映画館、2D、字幕

 「ロード・オブ・ザ・リング」3部作の続編(前日談)である「ホビットの冒険」3部作の完結編。

 原題の「The battle of the Five Armies」のとおり、本作では5つの軍が交じり合う大混戦となります。人間、エルフ、ドワーフ、オーク、あとひとつはゴブリン?動物?

 意外とスマウグ(竜)があっけない。レゴラスも実はそこまで出てこない。やはり中心はドワーフたちだし、世界の危機を描いた「ロード・オブ・ザ・リング」に比べるとやや小ぶりではあるものの、3部作のラスト、ヤマ場ということでやはり盛り上がりますね。

 本作の見どころは以外にも”森の奥方”ガラドリエル(ケイト・ブランシェット)!彼女の見せ場となるシークエンスがあるんですが、これがまた怖い。女ってのは怖いな。
 このシリーズのいいところは、人間族だけがダメで…という話じゃなくて、エルフ族もドワーフ族もみんな完璧じゃなくて同列の種族として扱われているところ。それは平民も王様も同様で偉い人も欲にかられたり独善的だったりするし、もちろん民衆の中にも卑劣な奴とかもいる。いろんな人たちが世界を構成しているっていうところですね。

 しかし、いままでのシリーズ中は144分と短い(それでも十分長いですが)のでセル化した際の「エクステンデッド・バージョン」に期待。おそらくそれぞれのキャラクターにまつわるシーンがけっこうカットされているんじゃないかって思うんですよね~


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インターステラー

2014年12月09日 | 日記
視聴環境:映画館、字幕

 おなじみノーラン監督のSFドラマ。

 どうしたって「2001年宇宙の旅」や「コンタクト」などと比較されるのは免れない作品でしょう。
 予告編では新たな居住可能惑星を探すために愛する娘と別れて帰るあてのない宇宙への探索へと旅立つ…というような感じですが、実はそのへんは本作の3分の1くらいで、話の本筋はそこから。

 正直ね、ワームホールの説明の仕方がSFホラー「イベント・ホライゾン」とまったく同じだったので悪い予感はしたんですが、やっぱりだよマン博士。「イベント~」ほどの展開にはなりませんが。

 普通この手の作品ではどう考えても帰ってこられない父と娘がどうなるのか?というところに話を収束させそうなところですが、そこにアン・ハサウェイをはさんでくるのがノーラン風という感じなんでしょうかね。個人的には良かったと思いますが、ダークナイト・ライジングでもおいしい役だったし、ノーランに気に入られてるなアン・ハサウェイ。

 ということで、
 3時間弱ということで長いんですわ、本作。おしっこ行っておいた方がいい、あとお尻が痛くなる。けど見ごたえはあります。泣けますしね。
 正直、最初に提示されるとある「幽霊の謎」はほとんど予想通りなのでそこらへんはヘタ。

ブラック・ハッカー

2014年12月09日 | 日記
視聴環境:映画館、字幕

 イライジャ・ウッド主演のネット・スリラー。

 まず邦題がだせぇ!!
 2014年のこの時代。ハッカーという単語ですらちょっとダサめなのにブラックハッカーとは。原題は「Open windows」。映画のスタイルがパソコンの画面のみで構成されていて、主人公が様々なウィンドウを開くに従って陰謀に巻き込まれていくという話なので原題はなるほど、という感じ。もちろんそのまんま直訳しても仕方ないのはわかりますが、と。

 主人公のイライジャ・ウッドは海外テレビドラマのヒロイン役の女優のおっかけで、彼女とディナーができるという権利をゲットして上機嫌。しかし、そこに謎の男から電話があり、彼女のスマホの周辺のあらゆるものにハッキングを仕掛けていることを知る。
 その後、イライジャは犯人の指示のまま犯罪の片棒を担がされたりして、抜き差しできない状態になり事態は大変な方向へと向かっていく…という内容。

 先にも書きましたが、面白いのは犯人が姿を最後まで現さず、すべてラップトップの画面上でのみ行われるというところ。あとそのつどいろんなアプリをダウンロードして、女優のスマホのっとり操作やらホテルの監視カメラ盗視やらしてしまう。冷めた目で見ればよくある「スーパーハッカーもの」(映画やドラマに出てくる非現実的なほどなんでもできるハッカーがでてくる)なんですが、その閉塞感がまぁよかった。もしかすると家でDVDで観るとより緊迫感が増すかもしれない、とも思いました。

ザ・レイド GOKUDO

2014年12月09日 | 日記
視聴環境:映画館、字幕

 2012年にインドネシアからやってきたアクション映画界の新星「ザ・レイド」が帰ってきた!!
 ということで、続編は日本のヤクザを巻き込んだバイオレンスアクション映画。

 前作は無駄な話がほとんどなく、映画が始まってすぐに敵のアジトに潜入(あ、主人公は特殊部隊です)ラスボスを倒してすぐに終わり。というシンプルさでしたが、本作では主人公は潜入捜査官として地元マフィアに潜入。マフィアと停戦協定を結んでいる日本のヤクザ(遠藤憲一、北村一輝、松田龍平)と二つの組織を共食いさせようと画策するおっさんの三つ巴の抗争に巻き込まれる。

 ストーリーが厚くなった分、ちょっとアクションは少なめ。なにしろ前作は90%アクションシーンだったしね。それでも今回もアクションは新鮮だし面白い。横っ飛びでガラスを突き破って逃げる男をカメラで追ったりとか、キュアロンばりに長回しにこだわっているのも息がつけない緊張感でいいです。どうやって撮っているのか見てみたい。セル版にはメイキングはいっているのかな?

 残念ポイントは、日本のヤクザはほとんどでてきません。もちろんアクションシーンもなし。単なる主人公がいる組織の”取引相手”って程度の扱いです。まぁ日本の映画会社は宣伝に大きく扱うのは仕方ないのかな、とは思います。


 ということで、
 今回も バイオレンスアクションとしてはけっこう楽しめたのですが、やっぱり「1」の衝撃にはかなわない。やはり「1」がオススメ。レンタル店では旧作だし。


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清須会議

2014年12月09日 | 日記
視聴環境:地上波放送

 2013年公開、今回はフジテレビ系列で放映。9時から12時までなのでほぼノーカット放送だったのかな?

 信長亡きあとの後継者を決める会合・清須会議の水面下での頭脳船を描いた三谷幸喜監督による時代劇。
 さすが群像劇が得意な三谷幸喜だけあって巧いと思います。これだけ多くのキャラクターが出てくるのにほとんど誰が誰だかわからなくなる、ということがない。

 歴史は奥が深い。
 ネットで「清須会議 その後」と検索すると、本作の登場人物がその後どうなったのか?というのがわかり、それがまた面白いんですね。

 たとえば、秀吉(大泉洋)の当時の苗字「羽柴」は、丹羽長秀(小日向文世)と柴田勝家(役所広司)から一文字ずつ取っているのだとか(その当時から上司を気持ちよくさせるのがうまかったんだなぁ)、 ラスト勝家が「頭脳戦では負けたが戦だったら負けてなかった」秀吉「そうなることがずっとこないことを祈ります」というやり取りがありますが、実際、この件を不服とした勝家と秀吉が1年後に戦を起こしていたり(勝家とお市はそこで自害)。
 どっちつかずの池田恒興(佐藤浩市)がその後ちゃんと尼崎・兵庫、そして大阪ももらった、とか、三法師ちゃんはその後26歳の若さで亡くなり、母親の松姫(ゴーリキー)もその後出家。とか。
 ラストで匂わされているように、これを発端に秀吉が天下を取るまでにいろいろあるわけですが、本作ではまだそこまでの生臭いところをあえて描かないのがこの作品の娯楽作としてのキモですね。
 三谷映画にしては本作は笑いは抑え気味。あと内輪ネタとして前作「ステキな金縛り」の更科六兵衛(西田敏行)がチョイ役で出てきます。


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プロフェシー

2014年12月09日 | 日記
視聴環境:CS、字幕

 2002年、リチャード・ギア主演のオカルトミステリー。

 キールというUFO研究家が書いた実録ルポ「モスマンの黙示」を原作にした映画で、自分はこのキールや「モスマンの黙示」が好きなので映画自体は本に比べればまぁまぁという感じ。

 モスマンという不気味な生物の目撃情報を調査するためにポイントブレザントを訪れたキールが巻き込まれた様々な奇怪な現象を、なんだか変な映画ばっかり出てるリチャード・ギアがポスト誌のスター記者という設定で脚色されて描かれている。

 ただ低予算映画なのか、話は脚本にしたがって淡々と描かれていくのでいわゆる”マジック”がなくて、もっとラストに向かってどんどん異様な世界にハマりこんでいく不安感とか煽るような演出がほしかったなぁとは思います。原作読んでいた時は本当に自分がキールだったら頭がおかしくなっているかも…というような出来事に巻き込まれるわけだし。


 ということで、
 話としては割にちゃんとまとまっているので物語としてはまぁまぁ。ただ原作を知る者としてはこの世界の不気味さが描ききれていないという感じはあります。なので原作がオススメ。


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