うりぼうのシネ煉獄

映画・ゲーム・テレビ・本の感想をまったり書きます。

ラビットホラー

2012年02月28日 | 日記
 もうひとつの「戦慄迷宮」。

 興味はあったんですが地元では上映しなかったためDVD待ちだった作品がやっとレンタルしたので観てみました!

 冒頭、螺旋階段を俯瞰から撮るというカットで「ん?なんとなく『戦慄迷宮』に似てるな」と思っていたんですが、当たってました。
 監督は「呪怨」の清水崇。
 似ているだけじゃなくて、実際、作中主人公が「戦慄迷宮3D」を観ていてその世界観に影響されていくという展開で、「戦慄迷宮」の世界とリンクしている作品。
 どちらも邦画としては珍しい3Dホラーだし、その二つがリンクしているという点でもたいへん興味深い内容ですね。


 主人公は満島ひかりですが、観始めるまで気づきませんでした。ポスターだと男の子みたいに見えるし。
 内容は相変わらず入り組んでいてわかりにくいんですが(特に「戦慄迷宮」の世界と錯綜してくるとなおさらわけがわからなくなります)、残念なのは怪異世界の象徴のような存在のうさぎの着ぐるみが、可愛くもないし怖くもないってところ。この手の作品の白眉はスティーブン・キング原作の「IT(前編)」に出てきたペニー・ワイズというピエロですが、その夢に出てくるような不気味さには足りませんでしたね~

 あと、キャッチコピーが「誰も見たことのない『恐怖の国のアリス』」。となっていますが、どちらかというと本作は「人魚姫」をテーマにしており、そのへんが中途半端な印象でした。

 怖いか、と言われれば怖くはない本作。「戦慄迷宮」が富士急ハイランドのお化け屋敷をネタ元にしたのと同様、アトラクション的な怖さが目立つ作品ですね~

グラインドハウス - 「プラネットテラー」「デスプルーフ」

2012年02月25日 | 日記
 タランティーノとロドリゲス監督のグラインドハウスをそのポリシーに忠実に2本立てで観ました!「プラネットテラー」は初見、「デスプルーフ」は久しぶりに観賞。2007年の映画です。


 まずは「プラネットテラー」。謎のウィルスによって田舎町がゾンビだらけになり、主人公のチェリーが片足を失いながらも頑張るというSFホラー映画。
 義足がマシンガンという衝撃的なビジュアルもいいですよね~ロドリゲス監督作品なんですが、珍しくトレホが出ていない。けどトム・サビーニは出てました。
 見所はバーベキューハウスのおっさんの家の電話がなぜかホットドッグの形。タランティーノが変態役で出演。全然関係ないところでダコタが手を骨折。などなど趣旨通り全体にB級感あふれる映画ですが、おそらく思った以上に予算がかかっているようにも思えます。トム・サビーニも関わっているのかグロ描写が観ていて気持ちいいです。グロなのn爽快感があるってのがすごいですね。ブルース・ウィリスも出演してますが、もしかするとブルースが怪物になる役ってのはおそらく初めてでしょう。


 次に「デスプルーフ」。タランティーノ監督作ですが、スタント仕様の頑丈カー”デスプルーフ”で女を夜な夜な血祭りに上げているイカレたスタントマンのおっさんカート・ラッセルが、逆にもっとイカレたスタントウーマンに逆襲されるというカーアクション映画。グラインドハウス版グータンヌーボでもあります。

 ポスターにもなっているチアリーダーのコスプレした女の子は「ダイハード4.0」の娘役の人なんですね。そう考えると2作で「ダイハード」つながり。
 こっちも話は2組の女性たちのガールズトークとスタントマンによるカーアクションの2種類のシーンしかないんですが、どれもこ気味よく面白い!見飽きない作りはさすがはタランティーノって感じです。ラストあっさり終わるのはブルース・リーとかのカンフー映画っぽくて好きです。

 どちらも昔のB級映画風に作られてはいるんですがけっこう予算はかかっていそうですね。金の掛けどころが映画通っぽい。ぜひ映画館で見たかったですね~

ゴーストライター

2012年02月24日 | 日記
 先日、他のことをしながら観ていたために細かいところが良くわからなかったユアン・マクレガー主演のミステリー映画「ゴーストライター」を再度観ましたよ!


 英国元首相のピアース・ブロスナンの自叙伝を書くために雇われたのがユアン・マクレガー。前任者が謎の溺死をしているあたり不吉ですがとりあえず大金が貰えるということで引き受けます。
 しかし前任者の原稿や自らのインタビューなどによって次第に知っちゃいけないアンタッチャブルな側面が見え隠れしてくるのでした。


 わかった!わかったよ!!
 ということで、ちゃんと観たらけっこう見落としてました。
 とはいえ監督のロマン・ポランスキーがじいさんだということもあり、わからないところはわからないままというスタンス。だいたいこうなんだろうなぁという予想はできますが、ここはこうだ!っていうカッチリした謎解きのようなものはほぼありません。2ちゃんねるのコメントにも書かれていましたが、これは整合性よりも陰謀の雰囲気を味わう映画だろう、という感じです。

 それよりもポランスキー自身の波乱万丈人生の方がよっぽど面白いし。英国の元首相の自叙伝よりもポランスキーの人生の映画化の方がよっぽど興味がありますね~

ヤバい経済学

2012年02月20日 | 日記
 おそらく劇映画としてのドキュメンタリーの立役者はマイケル・ムーアだと思います。ネイチャーものでは「WATARIDORI」とかありますが(「ボーリング・フォー・コロンバイン」は2002年、「WATARIDORI」は2002年公開)。

 もともとテレビではNHKとかのドキュメンタリーが面白い(興味深いという意味で)と評価はあったものの、海外のドキュメンタリーが面白いという評価が定着したのはおそらくその頃。

 で、本作は最近震災の影響で原発ものが多く発売されている合間を縫って発売された最新版の海外ドキュメンタリー作品です。


 原題は「Freakonomics」。Freak(おかしい人みたいな感じ)とEconomics(経済学)をミックスした造語。
 経済学者とジャーナリストの共著でベストセラーになった本の映像化です。

 どれも興味深いテーマをわかりやすく斬新な手法で切り取っていてハッとさせられます。

 たとえば、相撲賭博の話。 …ここからネタバレします。これから観る人はご遠慮ください。
 経済学的手法で相撲の八百長の構造を浮かび上がらせるという話で、相撲は一場所15日間で過半数勝てば昇格できる(勝ち越し)。厳しいヒエラルキーの世界で昇進できれば劇的に扱いが変わる。
 そしてここからが面白いんですが、すでに8勝している力士はこれ以上勝っても特に得はない。しかし最終日7勝7敗の力士にとっては最終日の勝敗は次の日からの生活に大きく影響する。そこで!すでに勝ち越している力士と最終日に7勝7敗の力士が取組をすることになったらどうなるか?…データを見るとかなりの確率で7勝7敗の方の力士が勝っている!!つまりここから「すでに勝ち越している力士はどうしても1勝が欲しい仲間に1勝プレゼントしている可能性」が推理できるわけです。せまい業界だしもちつもたれつ…もちろんそんなきれいなことじゃなくおそらくそこには金が介在している。証拠集めではなく数学的な切り口から明白な不正の可能性(データ的な違和感という感じ?)を読み解くってのは面白いです。

 あまりひとつのことを長々書いてもしようがないですが、そのほかにも高校1年生を対象に成績表のランクが上がったら金銭的ボーナスを与えることにしたら成績はあがるか?という実験も興味深かった。必ずしも成績はあがらないのね。
 そして犯罪率の低下と中絶合法化のキケンな因果関係。なにがキケンかというと社会的に問題がありそうって意味。これはぜひ観てみてもらいたいですが、このDVDを観てすぐさま図書館に本の予約を入れました(笑)すでにレンタルしているのでこの手のドキュメンタリーに興味がある方にはぜひおすすめします!

TIME/タイム

2012年02月20日 | 日記
 SF版ボニーアンドクライド? SF版巌窟王? SF版パトリシア・ハースト事件?
 そして続編あるの?


 ということでSFアクション映画「TIME/タイム」を観てきました。

 この映画、SFにはよくある「民衆を苦しめるシステム(その作品独特の法律や体制)に主人公が対抗する」というスタイルの映画なんですが、珍しく主人公は善良な市民ではなくて犯罪者。そういう意味では広義でのクライム・ムービーに入るのかもしれません。

 本作独自の要素は「タイムゾーン制度」。
 人類は25歳になると成長が止まり、腕に埋め込まれているデジタル表示によって”残りの寿命”がカウントダウンされます。25歳からは残り1年。この世界での貨幣は時間なので時間を売り買い、あるいは譲渡でき、そのために金持ちは時間を貯め込んで永遠とも言えるほどの寿命を持ち、貧民たちはその日の寿命のやりくりにすら四苦八苦しています。


 時間=金なので、たとえばバスに乗るにも「料金は2時間分です」「(持ち)時間が足りないわ」「じゃあ家まで2時間歩くんだな」と言った具合。もちろんすべての支払い、給料もすべて自分の時間によってやり取りされる世界。


 金を持っていること(だけ)で本当の幸せは得られるのか?というような問いはよく議論されるところですが、この映画ではそれを端的に映像化していて面白いですね。まさに金がなければ(本当の意味で)生きてはいけない世界。
 この映画では主人公の住む貧困層が常習的にローン(借金)をして生活をしているというのが衝撃的ですね。おそらくアメリカの普通の人たちっていうのは借金をして生活をやりくりするのが当たり前なんだろうなぁと予想できます。だからこそこの映画は主人公が搾取の報復として富裕層を徹底的に叩く(犯罪で)というのを良しとしているんだと思います。
 そのためにこの映画は貧しいけれども正しい市民が主人公じゃなくて、怒りのこぶしで銀行強盗をする義賊的な存在になってしまっています。これが現代劇で実際に銀行強盗をしたり富豪の家を襲撃したりするカップルの話だったらもっと問題になっていたかもしれませんね~。SF的設定でごまかすのは「スターシップ・トゥルーパーズと同じ手口(「~トゥルーパーズ」は敵を人ではなくムシにすることで虐殺シーンが問題視されるのを回避している)。

 ともあれ、設定ともども話は面白かったです。
 設定の詳細がもっと観てみたいですね~腕の”時計”はどうやって埋め込まれるのかとかそもそも25歳以上に肉体が老化しない仕組みとか。少なくともかなりの長い時間この制度は続いているようにも見えるし。
 あと忘れてたけど主人公の父親の件とかスルーされてるけど、続編あるの?
 だったら時間管理員のあの人(「バットマン・ビギンズ」でスケアクロウやってた人)いないと面白くないような…

 ということでSF好きなら観て損はない内容。いろいろ想像が膨らむ作品でよかったですね~

チョン・ウチ 時空道士

2012年02月17日 | 日記
 いまだ韓国映画というのはハリウッド映画に比べてどんなものをやっているのかという情報が得られにくいと思います。

 最初に言えばこの映画は掘り出し物だったのですが、知ったのはたまたま「アジョシ」のDVDに入っていた予告編を観たから。予告編を飛ばしてたら一生見ることはなかったでしょう。


 さて、そんなこの映画は傲慢で自信家の道士チョン・ウチが500年前の朝鮮と現代のソウルを舞台に暴れ回るSFアクション映画。

 主人公のチャン・ウチは才能はあるけどもまだ半人前の道士ですが、自信家で秩序を破る破天荒な男。けど魅力的な主人公です。
 主に護符を用いた仙術を駆使するんですが(まだ半人前なので護符で補強しているらしい)、イメージで言うならマンガの「バスタード!」のダークシュナイダーみたいなキャラと言ったらいいでしょうか。

 そんなチョン・ウチが仙人によって封印されるまでの前半と現代に復活する後半に大きく分かれているんですが、コミカルな部分もあり、西洋にはない東洋的なイマジネーションもありで楽しめます。もちろん映像自体も100億ウォン(日本円では7億円くらいらしいです)かかっているらしく相当いい出来。
 これってもっと話題になってもよかったんじゃないか?って思いました。去年の4月に日本では公開したらしいんですが、公式サイトを見ても全国で14ヶ所でしか上映してないし。

 正直、「キャプテン・アメリカ」とかそういう地味目のアメコミヒーローものを見るよりこっちの方が相当面白いと思いました。SFアクション好きな人にはぜひおすすめです!

逆転裁判

2012年02月15日 | 日記
 子どもだましの裁判映画。


 この映画の舞台となるのは架空の裁判制度”序審裁判”。検察と弁護士が直接対決をし、3日間で有罪か無罪かを決めるという陪審員制度のアレンジ版みたいなものです。
 しかし陪審員制度を舞台にした映画では陪審員の心証を良くするため情に訴えかけるよう弁護士が演説したりするものですが、陪審員がいないこの制度、そして元がゲームであるという部分から、展開はもっぱら相手の提示した証人や証拠、構築された推理の矛盾を突くという重箱の隅をつつくようなものに終始することに。

 気になったのはこの映画の骨格が三谷幸喜の「ステキな金縛り」に似てるってことでしょう。主人公が使えない新人弁護士である、スピリチュアルな要素が裁判に関わってくる、リアリティが薄い、などなど。
 もちろんあてつけのためにわざわざ三池監督がこの仕事を受けたとは考え難いですが、気になりだすとまるで三池監督が「俺ならこの材料でも十分面白い映画を作れるぜ!」と言わんばりに見えるから不思議。
 しかし同じようなシチュエーションと言えるハリウッド映画「ア・フュー・グッドメン」(92年の映画。司法取引ばかりしてきた弁護士のトム・クルーズが軍隊のお偉いさんジャック・ニコルソンの罪を認めさせようと奔走する裁判映画。若輩のトムと老練ニコルソンの法廷でのやり取りが見所。デミ・ムーア、キーファー・サザーランドも出演。ラストはけっこう本作に似てます)と比べるとやっぱり物足りないと言う感じ。

 おそらく監督はリアリティ度外視で楽しめるゲームの世界観を優先したんだろうと思われます。映画内では独特のヘアスタイルやメイク、服装をはじめとするあらゆるものがデフォルメされ誇張されているのでこの映画がマジメな映画じゃないってのはすぐにわかります。
 それにしても突っ込みどころはありすぎで、正気のオトナなら「これでいいの?」って気にはなると思います。ゲームだと目先の矛盾崩しに注目しているので気にならないのかもしれませんが、映画だとある程度客観的に観ちゃうので。

 ということで、細かいところを気にするとどうしようもない映画って印象になるんですが、深く考えずにリアリティ無視の娯楽作だと考えればけっこう楽しく見られた、特に観る前の不安要素でもある”あのヘアスタイル”とかはすぐに気にならなくなるのが不思議です。ちゃんとこういう世界であるという世界観は確立できているんだろうなぁって思いました。

コン・エアー&サウスバウンド

2012年02月13日 | 日記
 テレビでやっていたので観ました~

 まずは「コン・エアー」。ニコラス・ケイジ主演のアクション映画。97年公開。

 思えばこのあたりからニコラス・ケイジ=アクションスターという方向性になってきていたような気がします。前年の「ザ・ロック」と連投だし。
 最初見たときは「ん?ニコラス・ケイジってこんなキャラだっけ?」と思ったものですが(それまではダメ男っぽい感じだった気がする)、そのままアクションスター街道をまい進し、「ナショナル・トレジャー」あたりで頂点を極めたと言っていいかもしれません。ニコラスはアメコミファンとしても知られているのでアメコミ映画系はアクションとは別にいろいろ参加しているようですが。

 敵はマルコヴィッチやらブシェミやら、「マチェーテ」のトレホも出てますね。”いい顔”目白押し。ハリウッド版悪役商会(今の若い人に「悪役商会」って通じるんだろうか?)と言った感じの映画ですね。


 お次は豊川悦司主演の「サウスバウンド」。2007年の映画。
 こちらはたとえるなら「噛み切れないので飲み込んじゃった」みたいな感じ。
 なんとなく感想が湧きそうで…湧かない
 まず学生運動とか元過激派とかそういうのがピンと来る世代じゃないというのもあるかもしれません。なので豊川悦司が単なる屁理屈オヤジにしか見えない、というところでノれなかった。
 ただ東京でははた迷惑だった豊川も沖縄編では不思議と受け入れられるキャラに見えるから不思議。これぞ沖縄の魔法かも。ラストが現実離れしたファンタジックな感じなのもちょっと良かったです。

 …とまぁよく見たら原作の奥田 英朗は「ララピポ」とか「イン・ザ・プール」の人かぁ~独特な感じだからな~という感じでした。

ドラゴンタトゥーの女

2012年02月11日 | 日記
 公開を待っていた作品「ドラゴンタトゥーの女」観てきましたよ~

 ドラゴンタトゥーの女と言えば「移民の歌」!
 予告編だけの選曲かと思ったらオープニングでも使われてましたね。それにオープニングが独立したイメージ映像みたいな趣向になってるのは最近では珍しいんじゃないだろうか?って思いました。

 作品自体はリメイク元の「ミレニアム」自体も有名だしあらためて書くほどじゃないんでしょうが、「ミレニアム」を観てから時間が経っているせいか元のがどうだったのかすっかり思い出せないくらいオリジナルのように観ることができました。
 細かいことは忘れましたが概ね元の通りに作ってあるように思います。キャラもそれぞれ合ってたと思うし。

 それよりも「バイオハザード」新作の予告編をはじめて観たのがまず興奮しました!
 なんというか…あまり評判が良くなかったであろう「3」に印象が近くなってるような…大丈夫か?

少女たちの羅針盤

2012年02月11日 | 日記
 レンタルしてきたのをダビングしてすっかり観るタイミングを逃していたのをやっと観ました。


 気になる存在、成海璃子。
 今回も「武士道シックスティーン」「書道ガールズ」に続きいわゆる”部活動もの”の一種ですが、今回はその中でも特殊であろう「演劇少女」役。
 上の作品とはまた違ったキャラを演じているのがやっぱりうまい女優さんなんだろうなぁって思いました。

 話は学校の演劇部からはみだした3人(と他校の一人)がストリート演劇”羅針盤”を結成し、その中で絆を深めたり溝ができたりといろいろとあって、それと平行して数年後”羅針盤で起こったある出来事”の真相が明らかになるという展開。

 陰惨な話になるのかと思ってたので、想像していたよりはすっきりして観終わることができたのでよかったです。
 原作もしっかりした話みたいだし、よく出来ていて観て損はない映画でしたね~。