ソードフィッシュ

　ジョン・トラボルタ主演の２００１年の映画。

　「ハリウッドはクソみたいな映画ばかり作っている」
　ガブリエル（トラボルタ）の語りから始まるのがまたすばらしい。

　政府の隠し財産９５億ドルを奪おうと計画するガブリエルと、彼に利用される天才ハッカー・スタンリー（ヒュー・ジャックマン）の緊迫感のあるサスペンスアクション映画。


　いろいろとリアリティ低めという評価もあるでしょうが、何度観ても楽しくて好きな作品。
　スタンリーがＰＣに向かう時、集中するために目の前で手を叩くという仕草が好きですね～あれマネしたいですわ。
　この頃旬だったハル・ベリーが出演しているのもいいですね。たしか「００７」のボンドガール・ジンクスでスピンオフ映画を作るっていう噂もありましたが頓挫したようです。「キャットウーマン」で大コケしたからかな…


　作品の終わり方もガブリエルの思惑通りみたいな感じなのでやはりメインはトラボルタでしょう。
　ちなみにＤＶＤには特典で別エンディングが監督のコメント入りで収録されていますが、監督の説明どおりという気がするのでやはりこのオチでよかったのでしょう。
　冒頭の爆発シーンはモロに「マトリックス」のバレットタイムに影響を受けたものなので今観るといらないシーンに見えてしまうのが残念。

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ディクテーター

　毎度お騒がせ芸人サシャ・バロン・コーエン主演による不謹慎映画第４弾「ディクテーター」、ＤＶＤレンタルで観ましたよ！ちなみに１５禁。


　今回は独裁者アラジーンに扮したサシャ。
　なにかあると処刑しているアラジーンですが、腹心のおじに暗殺されかけＮＹを放浪するハメに。
　影武者によって民主主義国家にしようとするおじ（石油の利権を他国に売ろうとしている）の陰謀をつぶすべくゾーイの協力を得つつ奮闘する。


　「アリＧ」「ボラット」「ブルーノ」に比べると完全フィクションである本作はやや大人しめかな。
　特に「ボラット」「ブルーノ」のヤバさ加減はハンパじゃなかったし、それに比べれば改心したのか？とも思えるくらいの出来。もうサシャ作品中では「ハートウォーミング」に属するくらいです。おそらく１５禁になっているのは中盤の出産ギャグでしょうな。政治的な不謹慎ギャグはそんなにヒドいものじゃないし。


　なのでコメディ映画としてはけっこう楽しめたのですが、サシャ作品好きには物足りないかも。また「ブルーノ」あたり観たくなりました。

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マトリックス

　キアヌ・リーヴス主演の９９年の映画。

　９９年なので正確には９０年代の映画なんですが、感覚的には００年代に大きな影響を与えた映画という感じですね。

　改めて「１」を見直してみるとこれが面白いですよ！ね～。これは「ソウ」の１にも言えることですが。
　「２・３」（Reloaded,Revolutions）とは別モノです。

　話は退屈で冴えない人生を送っているサラリーマンのアンダーソン＝ネオの前に、「この世は虚構で、本当の世界では君は救世主なのだ」と告げるモーフィアスなる男が現れる。世界はマトリックスと呼ばれるバーチャルリアリティなのであらゆる経験・技能・身体的制限は無視、あるいは改変できる。
　つまりなんの努力もしなくてもいきなり世界を救うヒーローになれるのだ。

　こういう中二病的発想は誰しも一度はするだろうし、こういうアイデアをテーマにした作品も多い。たとえばテニスの才能を見出された少女の物語であるとか。で、昔の作品はリアリティを与えるために血のにじむような特訓があったりしたわけですが、本作ではそれすらもすっ飛ばしてダウンロード一発で格闘技も銃の扱いも習得！というお手軽さ。昨日まで寝坊して上司に起こられていたダメサラリーマンが（とはいってもアンダーソンは一応”大手企業”のプログラマーだからいわゆる”勝ち組”だが）今日はイカすサングラスにロングコートの下が重火器だらけのトレンチコートマフィア風ないでたちのヒーローに早変わり。


　そのへんの気持ちよさと奇抜な映像アイデア、謎の多いストーリーで楽しめる作品。続編以降はテーマを大きくしようとするあまり思わせぶりなセリフや設定は増えたけど、かえってストーリーがわかりやすくなっていくという逆転現象が起こっています。
　エージェントも「１」では人間の組織と行動を共にしていたりしてるのに「２」以降はほぼ単独行動（というかネオたちＶＳスミスみたいな単純な対立構造になっている）だし。ネオのクチをなくしたり、ヘソから発信機？入れたりといった悪夢的な要素がなくなって、ただ殴り合うだけの敵になっちゃってるし。
　ザイオンも実際行ってみたら普通に栄えた都市だし、モーフィアスも結局革命軍の一将軍に過ぎないことがわかる。知るほどに「思ったほどでもない」感がしてくる。知るほどに世界が小さく見えるってことか。
　なので「１」の世界観は謎が多い分魅力が大きい。

　カットひとつひとつの色とレイアウトにこだわりがあって観ていて楽しいし、話もすっきりしていて楽しめます。　
　やはり超大作化したのがガッカリの原因かなぁ。
　ということで改めて見直すと惚れ直した映画でした。

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君に届け

　同名コミックの２０１０年の映画化作品。
　連載途中のため７巻くらいまでの話がベースになっているようです（現在は１８巻まで出ている）。

　俺は映画から入ってコミックを読み始めたので、特に違和感は感じていなかったんですが、すっかり原作だけ読んでいて久しぶりにＤＶＤを観ると「こんな感じだっけ？」って思いますよね。
　というか、そもそもの”貞子と呼ばれてクラスから浮いている爽子が、クラスの人気者・風早や友人たちと絆を深めることで次第にクラスメイトとも打ち解けていく」という設定すっかり忘れてた。
　もう風早と付き合いだしてからは、”クラスから浮いている”というような設定はなくなっていて、もう単純にさわこと風早の恋愛ドラマになっているからな～

　その後の展開も面白いのでぜひ「君に届け２」でも作って欲しいですね～

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コーチ・カーター

　サミュエル・Ｌ・ジャクソン主演の２００５年の映画。

　大学に行くより刑務所に行く若者の方が多いというリッチモンドを舞台に、学生時代のバスケの勝敗だけでなく、未来の人生までも見据えた教育で話題となったリッチモンド高バスケ部顧問ケン・カーターの実話を基にしたドラマ。


　選手と反目し、保護者と反目し、そして学校側とも反目する。そして最終的には強い信頼と絆を手に入れる。それもカーターのやっていることが学生たちのことを思ってのことだとわかるから。
　いい映画ですね～。
　日本でも生徒に対して親身になる教師ってのは昔からドラマとかでもありますが、強い信念で生徒たちを引っ張るという映画は観ていて爽快感があります。コーチなので教師じゃありませんが。

　あと生徒たちの間違いも許すという深い心を持ったリーダーというのは魅力的ですよね。そしてこういう役にサミュエルはうってつけ。

　ということで、　
　いい作品。オススメですな～

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デビル

　デビルアローは超音波、デビルイヤーは地獄耳～♪


　ということで、
　ツイッターで歌詞をつぶやいただけでも某著作権協会がやってくるということでこのへんにしますが、今日観たのはハリソン・フォードとブラピの共演映画じゃなく、２０１０年に公開されたシチュエーション・スリラーの方。
　「シックスセンス」のシャマランが製作に回るシリーズ「ナイト・クロニクルズ」の第１作。


　ストーリーは、止まったエレベーターに閉じ込められた５人。しかし一人また一人と死んでいく。果たして殺人犯は誰なのか？という感じ。それにホラー要素が込められているという内容。

　起こりうる最悪のアクシデントが起こり、それは超自然的な悪意ある存在がかかわっている…というアイデアはすでに「ファイナル・デッド」シリーズでやっているんですが、本作も同ジャンルの作品です。

　まず空撮した都市の映像を上下反転させるというオープニングがいい！映像的にはこれといって凝ったことはやっていないのに、それだけでなにかあるという”違和感”を演出できていますね。
　そしてビルから男が飛び降り自殺し、その直後にエレベーターが止まるという出来事が起こり自殺の捜査に来ていた刑事がそのままエレベーターの事故にも絡んでくるという展開は巧いと思うし、結果ラストに繋がるのもよく考えられているなぁって思います。


　ほとんどのシーンはビル周辺とエレベーター内なのでそれほど予算の掛かっていない作品だと思うんですが（役者も有名な人は出ていない、と思う）、練られた脚本でとても見応えがありました。ちなみに時間は８０分。

　シャマランテイストを引き継ぎつつ、いい意味で新鮮な作品となっていてオススメです。ちなみに監督はシャマランじゃありません。

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ソウル・キッチン

２００９年のドイツ映画。

　去年の暮れあたりにも一度記事にしているんですが、ＢＳで放映していたので録画してまた観ました。やはり面白い！


　ストーリーはドイツで大衆食堂『ソウルキッチン』を営む主人公のジノス、仮出所中のチョイ悪いが気のいい兄・イリアス。そしてソウルキッチンで給仕をするアーティストのルチア、口は悪いが天才肌のシェフ・シェインを中心に起こる出来事を描くヒューマンドラマ・コメディ。


　なにがいいって音楽がいい！
　ソウルキッチンというタイトル（と舞台の店の名前）からも音楽っぽい雰囲気は出ていますが、随所に音楽が使用され、また店でもイリアス兄がＤＪで音楽を流すなどしています。見た映画のサントラを買ったりする人じゃないんですが、これはサントラ欲しくなります！チョイスが渋すぎる～
　カーティス・メイフィールドやクール＆ザ・ギャングなど音楽には詳しくないんですが、ソウル、ジャズ、ファンク、ディスコあたりのいい曲を使用している模様です。カッコイイわ～


　あと以前の記事にも書きましたが、ウェイトレスのルチアが好きだ～
　好みとは違うんですが、この眠そなまなざしが魅力的。あと前髪がある方がやっぱり若く見えるんでしょうかね。この女優さんのほかの写真を見るとそれほど好きなわけでもない。不思議です。

　ということでオシャレ系映画的なのかもしれませんがオススメ。楽しく観られる作品なのでいいです。
　ちなみにこれアメリカでは劇場公開されていないなんて、なんてもったいない。

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最近読んだマンガ～

　マンガ雑誌も読まなければコンビニで立ち読みもしない俺は独自の嗅覚でマンガを選んでいるわけですが、だんだん少女コミックが増えてきているような気がする…


・君に届け　１８巻
　椎名軽穂

　前の巻でキスしたところで終わってたっけ？よく覚えてないままに読み始めてしまったのであとで１６巻くらいから読み直しました。だんだん風早のダメなところが露呈していっているというのも面白い作品。そのうち卒業とか進学、引越し？とかあると思うので今後が楽しみ。当分終わりそうもないし。

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・俺物語　３巻
　アルコ、河原和音

　いま一番楽しみにしている作品かも。
　これを少年誌ではなく少女コミックで人気を博しているというところに疑問があり、女の子に聞いてみたい部分もあるんですが、ある意味非常に興味深い作品。大和はかわいい。

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・おかあさんの扉２巻　+　まんが親２巻
　伊藤理佐、吉田戦車

　夫婦そろって売れっ子マンガ家である二人がそれぞれ子育てマンガを連載。という非常に面白いマンガ。どちらも同じくらいに発売されるのでぜひセットで読みたいところ。特にまんが親のほうは１巻の表紙では赤ちゃんだった娘が２巻ではもう”幼児”になっていてびっくりした。子どもの成長は早いわ～。

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まんが親 2 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
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・よつばと！　１２巻
　あずまきよひこ

　忘れるとこだった！
　待望の新刊！！去年ハマってやっと新刊に追いついた。
あっという間に読み終わってさみしい。次はまた来年か。あんまりふーかが出てこなくて残念。ふーかは可愛い。

よつばと! 12 (電撃コミックス)
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・喰う寝るふたり住むふたり　１巻
　日暮キノコ

　ネットで知って衝動買いしたマンガ。
　同棲８年目のカップルの日常を”彼編”と”彼女編”でそれぞれ描くというスタイルの作品。なかなか面白い。少女マンガっぽい感じもするけど徳間書店から出ています。今日２巻発売なのですぐ次が読めてうれしい。俺の目に狂いはなかった。

喰う寝るふたり 住むふたり 1(ゼノンコミックス)
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X-MEN: ファースト・ジェネレーション

　久しぶりにX－MENの４作目、「ファースト・ジェネレーション」を観ましたよ～。２０１１年の映画。


　原題は「ファースト・ジェネレーション」じゃなくて「First class」。”最初のクラス”（プロフェッサーXはミュータントの学校をやっていたので）という意味もあるし旅客機の一等席のファースト・クラスの意味も感じられていいタイトルだと思います。

　タイトルどおり話は元の３部作ではリーダーとなっているプロフェッサーXやマグニートーの若かりし頃を描いた作品。
　X-MENのメンバー、ウルヴァリンやサイクロプスらの活躍も楽しいですが、”最初の世代”の活躍、特に知性的なプロフェサーXや「スターウォーズ」でいう新３部作のノリの若いマグニートー（やってることはあんまり変わらないけど）もいい。あと見た目のせいであんまり変わらないミスティークやチョイ役で出てくるウルヴァリンもいい（治癒能力のせいでウルヴァリンは年を取らない）。

　ファースト・ジェネレーションは３部作の予定らしいので、これまた期待大。次は車椅子になったプロフェッサーXの代わりにマグニートーと対決する新キャラが出てくるらしい。楽しみ。

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クラウド・アトラス

　「マトリックス」のウォシャウスキー兄弟（いまは”姉弟”か）による壮大なファンタジー。観てきましたよ。


　要はあれですな、手塚治虫の「火の鳥」ですな。


　６つの時代のそれぞれのエピソードを同時進行で描き、”ほうき星”のアザを持つそれぞれの主人公を中心に展開するストーリーがひとつの大きなテーマを浮かび上がらせる。という趣向。


　なので３時間と長い。

　手塚治虫がライフワークとして数十年に渡って描いたテーマを長いとはいえ３時間にまとめるのはやや厳しいかな、という気はします。細切れにはされてはいますが実際それぞれのエピソードは特に目を引くほどじゃあなかったので全体に平坦な印象でしたね～

　あと本作に流れている、時代を超越して愛や絆が存在するとか魂が受け継ぐものとかそういうテーマ性は日本人、というか東洋人には新鮮じゃないんじゃないだろうか、って思います。キリスト教圏の人には輪廻とか因果とかはなじみがないので新鮮かもしれませんが、仏教圏ではこういう物語は珍しくないしな～

　あと、本作は各エピソードを何人かの俳優がそれぞれ違うキャラクターとして演じているんですが、特殊メイクに頼りすぎだろ！
　特にペ・ドゥナは後半西洋人になっているんですがあまりにもな出来…
　同じペ・ドゥナ主人公のエピソードは近未来のネオ・ソウルが舞台ですが、そこに登場するキャラクターはガチで東洋人という設定なのか、それとも西洋人も東洋人の血が混じっているという設定なのか、みんな一重メイクなのが違和感ありましたね～


　ということで、
　それぞれの話にはかっちりとしたつながりが実はないので、もうちょっと各エピソードのシャッフルをシンプルにしてほしかったかなぁと思います。あっちいってこっちいってとめまぐるしい上に同じ俳優が出ているので若干ストーリーがわかりにくいような気もします。
　かつての監督作品のような奇抜な映像作品、では全然ないので、それを期待するとがっかりします。

クラウド・アトラス 上
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