うりぼうのシネ煉獄

映画・ゲーム・テレビ・本の感想をまったり書きます。

ROOM237

2014年02月27日 | 日記
視聴環境:映画館、字幕

 スタンリー・キューブリックの代表作の1つ「シャイニング」(1980)。
 いまなお人を惹きつけるホラーの傑作ですが、本作は「シャイニング」の熱狂的なファンによる分析を集めたドキュメンタリー映画。

 冒頭いきなりテロップで「本作は製作側の公認を一切得てません」的なのが流れます。つまりはこの中で語られるのは悪く言えば「勝手な解釈」でキューブリックが認めたわけでもなんでもないんですよってわけです。

 そしてまぁ出るわ出るわ奇説の数々。
 作品にホロコーストや先住民の虐殺というテーマがあるという比較的まっとうな仮説から小道具や脇役の言動に隠された”意味”、懐かしいブライアン・キーもどきのサブリミナル・メッセージから陰謀論界ではおなじみの「キューブリックはアポロの月面着陸映像をセットで撮影した」(そしてそれを「シャイニング」でこっそり明かしている)というムーン・ホークスなどなど魑魅魍魎のオンパレード!

 なかでも気に入ったのは1つを普通に再生、もう1つエンドクレジットから逆再生させ、それを一つの画面にオーバーラップさせることで意味が見えてくるという実験!つまり正再生と逆再生の画面が2重に見えているってことで、部分によってはニコルソンの顔のアップに血だらけの双子のカットが重なってまるで「ニコルソンが血の涙を流しているように見え」たりと不思議と意味ありげに見えてくるから不思議。当然レンタルビデオすらなかった時代にそんな再生法をすることが前提の暗号を潜ませているわけもなく、単純にやってみたら意外と面白いという範疇ではあるんですが興味は非常にそそりますね~。


 ということで、
 よく劇場公開したな、というごく一部のお客にしか受けないであろう作品。なにしろ「シャイニング」を見たことがあってそれなりに好きで、陰謀論や映画の分析などそういうのも好きな人じゃないととても楽しめない…。平日の午前だったということもありますが自分が行ったときは客は3人でした。
 しかし映像的には実際の「シャイニング」の映像を使用してわかりやすく解説されていて、書籍で読むよりも実際こうやって視覚的に見るほうがはるかに楽しいのは確か。
 「シャイニング」やキューブリック作品が好きな人なら楽しめる可能性は高いです。あと都市伝説とか陰謀論とかそういうの好きな人も。ただわざわざ映画館で見なきゃ行けないというわけでもないです。DVDで十分。


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その男、凶暴につき

2014年02月25日 | 日記
視聴環境:DVD

 89年公開、言わずと知れた北野武の初監督作品。それにしても海外用のタイトルが「Violent cop」ってざっくりしすぎだろう。

 本当は深作欣司が監督するはずだったのがスケジュールの関係で急遽主演のビートたけしがメガホンを取ることになったというのは有名な話ですが、いま見るとどこをどう見ても北野作品ですよね~

 シャープで斬新なバイオレンス描写や全然演技しているように見えないキャラクターなどいま見ても新鮮に楽しめますね。
 北野武自身事故前だし若い。あと岸部一徳や寺島進、そして白竜ですら若い!

 ということで、
 さすがの傑作、時代に関係なく楽しめますね~。まだ見ていない人にはぜひおすすめ。


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キック・アス/ジャスティス・フォーエバー

2014年02月25日 | 日記
視聴環境:映画館、字幕

 ファンには待望の「キック・アス」の続編見てきました~
 
 全体的にはまぁ「ふーん」という感じ。期待のハードルが高ければ高いほど期待はずれって感じになるかもしれませんね。
 それはある意味ファンのニーズにそった形になった結果だとは思うんですが、ヒットガールをよりメインにしてみたり、アクションを多めにしてみたりで今回はちゃんとした映画会社が入っているせいもあってか悪い意味で娯楽作になっちゃってますね。

 やっぱりヒットガールは”強力な脇役”の方が良かったな~。なんか無理やり主人公とヒットガールのラブストーリーっぽくしようとしてるし。
 そして敵も味方も今回はチームを組んで戦うという分かりやすい続編の展開なのでそこもちょっと考えて欲しかったという気もします。あとジム・キャリーが思いのほか活躍しないのも残念。

 ということで、
 出来でいえば断然「1」の方が面白かった…
 ヒットガールが見たかった人にはオススメですな。


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キック・アス

2014年02月21日 | 日記
視聴環境:DVD、字幕

 2010年のアクション映画。
 メジャーが企画を買ってくれず自主制作。ネットの盛り上がりで日本でも劇場公開に持ち込んだもののDVDはツタヤオンリーという不遇の作品。さらに残酷描写のために15禁です。続編が明日から公開なので観直しました。

 アメコミ映画はたくさん公開されているのに実際にそれをマネする人が現れないのはなぜなんだ?というバカな疑問を実行に移した冴えない高校生のデイブが主人公。
 特に格闘技の覚えがあるわけでもないので不良に逆にボコボコにやられたりするんですが、たまたま目撃者がケータイで撮影した動画をネットにアップしたことからたちまち話題の人物に祭り上げられてしまう…というストーリー。

 以前見た時なんかすっきりしない印象だったのは、結局主人公が真の正義を追い求めるという話じゃなくて、途中からビッグ・ダディ(ニコラス・ケイジ)とヒットガール父娘の”復讐物語”に否応なしに巻き込まれてるから。後半は「アウトレイジ」みたいになってるんですね。なので明るい笑顔と音楽とハッピーエンド風に見せてますが全然すっきりしない。

 そして少なくとも日本ではロリっ娘で殺人マシーンというオタク受けしそうなキャラ、ヒットガール人気が高騰。
 なんとなく続編はヒットガール中心の話になりそうな気もします。

 ということで、
 映画としてはすごく面白いし人気が出たのもわかるんですが、いかんせん語られてる思想が受け付けないという難しい映画でした。


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ホビット:竜に奪われた王国

2014年02月20日 | 日記
視聴環境:映画館、字幕

 今月末公開の3部作の第2弾。
 試写会が当たったのでひと足先に観てきました~!!キャッホウ!

 「ロード・オブ・ザ・リング」で指輪を持っていたホビットのおじさん、ビルボの若い頃のお話。今作ではエルフのレゴラス(オーランド・ブルーム)も登場!あといま話題のカンバーバッチも死人遣いの声で登場してます。

 相変わらず長い161分。
 そして多いドワーフたち。
 今回はドワーフの王様が王の証を取り戻すためにドラゴンの住む山へ向かうという話…の途中。完全にこれから!ってとこで終わってます。
 途中でうとうとはしてしまいましたが(劇場が暖かかったので)飽きさせない内容ではあります。”樽で川くだりのシーン”(観た人はわかります)は必見!レゴラスの見せ場の一つでもあるし(ロード・オブ・ザ・リングでも見せた弓矢の妙技がまた見られる!)ドワーフたちの活躍も楽しめる。本作の見どころの一つですね。

 ということで、
 まだまだ物語は続きますが、若干前作どんな話だったか忘れつつあったのが残念。ネットで前作のあらすじを読むとかして予習していった方がより楽しめるかも、とは思いました。そういえば今シリーズは字幕戸田奈津子じゃないのね。ファンはほっとしているでしょうね~


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感染列島

2014年02月20日 | 日記
視聴環境:地上波放送

 妻夫木聡、壇れい主演のスリラー。
 公開当時から映画秘宝方面からメタクソに叩かれていた作品。あと韓国が上映のさいに無断で結末などを編集したことでも話題になりました。

 わけあって今回は途中から観賞しました。
 しかし相変わらずやりすぎな内容で、そういう見方で見ちゃうと随所に笑える箇所があります。
 結果的に1000万人も死んじゃったら国としてヤバいんじゃないか、とか渋谷とかがもうゴーストタウンになっていたり火災が放置されていたりで戦中か!って風景がカットインされたりとか。名前のある俳優さんのキャラクターを容赦なく感染の犠牲にすることで話を盛り上げるという方式で

 インフルエンザが流行ってますので、みなさん気をつけてくださいね

 という、テレビ局からの警告なのかもしれませんね。
 間の悪いことに2年後にリメイクでもなんでもないのにまったく同じハリウッド映画「コンテイジョン」(2011)が公開され、こっちが本当によくできていたので余計に本作はチャチく見えます。


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陰陽師Ⅱ

2014年02月18日 | 日記
視聴環境:地上波放送

 続編~
 
 興行収入が半減したために3作目は作られなかった。
 2週続けて観ると話の構成が「1」と一緒なのよね。都の転覆を狙う呪術師が現れて、清明と源博雅がそれを阻止する。ラスト清明が大術を使ってなにやらイメージカットみたいになるとこまで同じ。だからかな?

 しかし原作が長いので、いっそのこと毎回、博雅が変な女に引っかかって京の都が危うくなり、清明が術を駆使して解決するっていう”ドラえもん”方式で長期シリーズにしたら面白いのにね。

 そして監督の滝田洋二郎が1と2の間に挟んで「壬生義士伝」を撮ってるというのも不思議。「壬生義士伝」大好きだけど。


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アルカナ

2014年02月15日 | 日記
視聴環境:DVD

 映画館で観ようと思ってたけど見逃したな~…と思ってたらすぐDVD化してました。マイナー気味の映画の全国順次公開ってのはえてしてこんなもの。

 というわけで早速レンタルしてきて観たんですが…よくわからなかった…。適当に観ていた自分が悪いのかと思ってネットで他の人の感想を読んだけど似たような感想が多くて安心。

 ジャンルはホラーサスペンスですかね。
 とりあえずわかるところを書いていくと

 1、主人公の刑事とマキという女の子のラブストーリー。
 2、刑事とは別に岸谷吾郎率いるオカルト課みたいのが存在する(X-File+ゴーストバスターズ)。
 3、最近人間が分裂する”分身事件”が起こってるらしい。
 4、殺人事件の現場にいたマキは容疑者として逮捕されるが、マキは実は”分身”だった。
 5、分身の一部は”本体”の心臓を食べて怪物化しているらしい。それが事件の真犯人。

 警察はマキを犯人にしようとするが、刑事はマキに惹かれていき、また真犯人は他にいると思い彼女を守ることにする。一方岸谷吾郎らは一連の事件が分身に絡んでいると睨むが…
 てな感じ。

 まずなんで分身(ドッペルゲンガー)が発生するようになったのかわからなすぎ。説明しないなりに監督や脚本家は仕組みを理解しているべきところをそのへんもわからずに映像化しているっぽいので、当然観ているこちら側もちんぷんかんぷん。
 そしてまかりなりにも警察署の中に公式にオカルト課なるものがあるという状況にも関わらず、他の人は現実と同じ「幽霊なんてバカバカしい」というスタンスである謎。
 さらに警官たちの挙動が全員変。オカルト課が変人であるという設定なのはまだしも、捜査一課である主人公らの挙動もまたおかしい。聞く耳を持たずとにかくマキに自白を強要する主人公の上司や、あたりかまわず喚きちらして挙句に主人公に銃を向けてまでマキをオカルト課へ連衡しようとする後輩刑事など世界全体がどこかおかしい雰囲気。全員が妙なせいで幽霊や分身といった出来事が逆に目立たなくなっているという逆効果。

 あと単純に、アクションシーンでカットを割りすぎてなにやってるかよくわからないという点も気になります。若手の監督にありがちですが。
 公式サイトを見ると監督は三池監督を師事している人で本作が初監督作だとか。早撮り多作の鬼才ですが表面だけまねしちゃダメよ。


 ということで、
 監督インタビューでは「尺が短いのが自慢」と言っていましたが、わかりやすくするのを省いちゃダメだろう、という作品。いや正確には作り手が「題材をよく理解しないまま映画化するのはダメ」といういい見本。よくわかんないのにストーリーだけなぞって撮影した結果こういう風になっちゃったんだと思います。せっかく面白そうなのに残念。


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エージェント・ライアン

2014年02月14日 | 日記
視聴環境:映画館、字幕

 トム・クランシーの人気の「ジャック・ライアン」シリーズの新作なんですが、「レッド・オクトーバーを追え」や「トータル・フィアー」とは違いオリジナル・ストーリー。あとリブート作品なので時代は911テロ後ということになってます。ジャック・ライアン役は「スタートレック」(こちらもリブート)の主人公カーク船長のクリス・パイン。敵役は監督も務めるケネス・ブラナー。

 トム・クランシーが書いたからじゃないせいかどうもストーリー展開に穴があるような気がしますね。
 いくら元海兵隊とは言えろくに訓練もしていないジャックをいきなりスパイとして現場に送り込んだり、ずぶの素人である彼女のキーラ・ナイトレイに即効素行が怪しいとバレちゃってるし(素直にCIAだってバラしちゃってるし。お前上司のケビン・コスナーに恋人にも言っちゃだめだって言われてたろう)、あまつさえ敵のブラナーにもバレバレだったりもします。

 後半は結局、NYで実行されそうな爆弾テロをタイムリミット付きで阻止せよ!みたいなありきたりな展開になり、カーチェイスありでそれじゃあ「ミッションインポッシブル」とか「ダイハード」「007」とか一緒じゃんと。そこんとこを差別化するのが重要なのに…。
 そもそもトム・クランシーが書くジャック・ライアンはそういうバリバリのフィクションのスパイと違ってリアリティがあるところが売りだったはずなのに…。

 あとタイトル、邦題は単に「エージェント・ライアン」ですが、原題にはサブタイトル「シャドウ・リクルート」が付いてます。1作で終わらせるつもりはないと思うのでこのサブタイトルつけたら良かったのに。そのまんまカタカナにしてもなんとなく雰囲気は通じるし個人的に好きなサブタイトルなのに。


 ということで、
 アクション大作としてはまぁ楽しめる新作映画って感じなんですが、トム・クランシーの持ち味は明らかになくなってごく平凡なポリティカルアクションになっちゃってます。ライアンシリーズのファンはきっとがっかりしたでしょう。続編が出来るとしたらどうなることやら、という感じです。


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マイティ・ソー/ダーク・ワールド

2014年02月14日 | 日記
視聴環境:映画館、2D、字幕

 泣けた!泣けたわ~~!!

 前作、ソーの仲間という設定の浅野忠信があんまり現場になじめてなかったっぽかったので続編大丈夫かなぁと思っていたのですが、冒頭速攻で外されてました(泣)たぶん全部合わせても4~5カット程度しか出てない…さらに続編がありそうだけどもう出てこないんだろうな。


 今回は「アイアンマン」同様「アベンジャーズ」後という設定で話が展開します。悪者が出てきて世界が征服されそうになるのですが、その鍵となるものがヒロインのナタリー・ポートマンの体内に入ってしまったのでソーが守ることになる(一緒にいられるし一石二鳥)という話。
 やっぱり一番面白いのはロキですな。まったく信用できないキャラ。ほかのキャラクターがみんな基本善良だしソー自身ももうヤンチャでもなくていい人になっちゃったので見どころはもうロキくらいしかないし。

 あとちょっと気になったのが、
 9つの世界が直列する時、というのが重要な部分なんですが、字幕でちょくちょく「惑星直列」って訳が出てきて、惑星じゃなくない?って思ったんですがどうなんでしょう?たぶん”ワールド”って言ってるんだろうから「惑星直列」じゃなくて「世界が直列する」って訳にすべきなんじゃないだろうかと思うんですけどね。英語には疎いので正確にはわかりませんが。


 ということで、
 後半、浅野の見せ場があるんじゃないかな、と期待したんですがありませんでした…。3作目での活躍の場がある、と思いたい。
 エンドクレジット後(途中?)に1シーンあり、次の作品(か「アベンジャーズ2」か)に出てくるであろうキャラとしてベニシオ・デル・トロが出てきます(軽く笑)。デル・トロ大好きなのでいまから楽しみです!


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